カクレマショウ

やっぴBLOG

「猫の日」に『ジェニィ』を読む。

2008-02-22 | ■本
今日は「猫の日」だそうです。222で、にゃんにゃんにゃん。たわいもないというか、単純というか。制定したのは、その名も「猫の日制定委員会」だそうで、背後(?)にはペットフード工業会という団体が。ってことは…と思って調べてみると、案の定、「犬の日」ってのもあって、こちらはわんわんわんで11月1日。…やっぱりたわいもないワン!

なんか調べている中で、イタリアの猫の日というのを見つけました。なんとイタリアでも2月22日…てことはもちろんなくて、同じ2月でも17日なのだそうです。なぜこの日なのか?それが日本と違って、とてもまわりくどいのです。

ラテン語文化圏では、そもそも「17」という数字はとても縁起の悪い数字。なぜなら、「17」をローマ数字で書くと"VIIX"、これを並べ替えると"VIXI"となって、その意味は「生きた」となります。カエサル(シーザー)が戦勝を告げるために書き送ったといわれる"VENI,VIDI,VICI"(来た、見た、勝った)という短い手紙は有名ですが、こういう単語と同じ系列なんですね、きっと。で、「生きた」というのは過去形ですから、現在は「死んでいる」という意味になります。だから「17」は忌み嫌われる数字なのだとか。しかし、猫は「7回生まれ変わる」とか「不死身の動物」と考えられているため、あえて「17日」を猫の日としたのだそうです。ただ、なんで「2月」なのか…という説明はどこにも書いてませんでしたけど。

うちでも猫を飼っていますが、猫はほんとうに「奥が深い」動物だなと思います。そんな「奥深さ」をまるでかゆいところに手が届くように文章にしている本を、知り合いが教えてくれました。

ポール・ギャリコの『ジェニィ』(新潮文庫)という本です。ギャリコは、ニューヨーク生まれの作家。あの「ポセイドン・アドベンチャー」の原作もこの人が書いています。もちろん無類の猫好き。この小説は、なぜか猫に変身してしまった8歳の少年ピーターと、気高い雌猫ジェニィの冒険譚を描いた「大人の童話」です。

まだ全部読み終わっていないのですが、前半部分でほぉーっと思ったのは、ジェニィが猫に「なりたて」のピーターに「猫のとるべき行動」を様々指南する場面。たとえば、「身づくろい」(「毛づくろい」では決してない)。猫にとって、それがいかに大切な儀式であるかをジェニィはこんこんと説くのです。改めて驚いたのは、猫が自分の体の中で、舌が届かない場所はほとんどないというくだり。顔以外のほとんどすべての箇所を、猫は舌で「身づくろい」をすることができる。背中の奥の方とか、そういえば猫は時折すごい格好をしてなめていますね。ジェニィは、その段取りもいちいちピーターに教えてあげる。必死になって真似をしようとするピーター。

同じように、「ネズミの取り方」の指導もすごい。うちの猫にもジェニィの指導を受けさせてやりたい。

ジェニィが人間の行動を予測して用意周到に段取りを組んだり、人間の言葉や文字は理解できないのにピーターと「猫語」で高尚な会話をしたりといった点は、「童話」だとすっぱり割り切って読んでいけばいい。でも、この本を読んでいると、もしかしたら、猫って、人間が思っている以上に人間のことを「わかっている」のかもしれないと思えてきます。やっぱり猫っておもしろい。にゃんにゃんにゃん!

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