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カクレマショウ

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「クレイドル・ウィル・ロック」─古き良き米国

2005-07-24 | ■映画
先日、公開中の「宇宙戦争」を見ました。で、その感想はまた日を改めて書きたいと思いますが、「宇宙戦争」→「火星人襲来」→オーソン・ウェルズという連想で思い出したのが「クレイドル・ウィル・ロック」という映画です。

これまた公開時(1999年)に見逃していた映画です。昨日、レンタルショップでDVDをやっとの思いで探し出しました(レンタルショップってどうして普通に「五十音順」で並べてくれないのでしょう。ミステリー、SF、戦争もの、アクション、青春ドラマ、恋愛ドラマ…というわけのわからない分類、あるいは主演の俳優順…、そんな分類の仕方の中から目指す映画を探し出すのにはいつも苦労させられます。今回もあちこちの棚を探し回った挙げ句、結局は忙しそうな店員さんに頼んでコンピュータで検索して見つけてもらいました。どうしても「分類」しなけりゃならないのなら、図書館のように、客が自由に検索できるコンピュータを置いてほしいものです!)。

「クレイドル・ウィル・ロック」とは、「ゆりかごは揺れる」という意味です。米国がまだ大恐慌の痛手から立ち直りきっていない1936年、政府による演劇界の「アカ」(共産主義者)への圧力に対抗した芸術家たちの物語です。邦題に「奇跡の一夜」という副題が付けられているように、クライマックスの感動的な「一夜」の上演に向けて、「フェデラル劇場」に関わる人々の様々な人生を織り交ぜながら物語が語られていきます。若きオーソン・ウェルズもその中の一人でした。

オーソン・ウェルズといえば、製作、脚本、監督、主演を一人でこなしてしまった名作「市民ケーン」(1941年)をはじめとして、「第三の男」(1949年)のハリー・ライム役、「わが命つきるとも」の枢機卿役など、その存在感あふれる演技で知られていますが、彼は俳優としてだけでなく、映画や舞台の製作にも大きな足跡を残しています。

それから、何といっても彼の名前を一躍有名にした例の事件、1938年の「火星人襲来」ラジオドラマ事件の立役者でもありました。その時彼はまだ23歳でした。彼は確かに小さい頃から「天才」ぶりを発揮していたと言われますが、彼の最大の「才能」は「自分自身に対するゆるぎなき自信」ではなかったでしょうか。16歳の時すでに彼はまるではったりのような自己PRを世に向けて発信しています。「火星人襲来」も、彼のそんな自信が生み出した産物だったのだと思います。

この映画でも、ウェルズ(彼を演じたのはアンガス・マクファデン)は傲慢とも思えるような物言いで芝居仲間をカリスマ的にぐいぐい引っ張っていきます。それが決してイヤミでないところがいい。反骨で権力におもねない強さを感じます。それから、「芸術」(芝居)に対する飽くなき情熱と。

この映画の監督は、俳優でもあるティム・ロビンス。今回の「宇宙戦争」では、宇宙からの侵略者に立ち向かおうとする重要な役回り、オグリビーを演じています。これもオーソン・ウェルズつながりということで、大変興味深く感じました。

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