「ドリームマップ」とは、名古屋の人材派遣会社「エ・ム・ズ」が考案したプログラムです。3年前から経済産業省の「起業家教育促進事業」として取り入れられたことで、全国各地の小中高校でドリームマップを作る授業が行われているという記事が目につきました(2006年7月17日付け朝日新聞)。なりたい職業を探す、夢を見つける、夢をかなえるためには何が必要かを考える。丸1日かけて、専門の講師(ファシリテーター)が子どもたちのドリームマップ作りを楽しく支援していきます。
夢をかなえるためには、「ワン・ツー・スリーの法則がある」のだそうです。
1 今の自分
2 夢
3 その二つをつなぐための行動
う~ん、何ともわかりやすい。これなら小学生でもちゃんとわかる。
ネットで調べてみると、もともとは社員研修用のプログラムだったそうで、ということは大人もドリームマップを作れるということですね。サイトには、小学生・中学生向け、高校生・大学生・専門学校生向け、教員・親・指導者向け、企業内の社員研修向け、起業を考えている方向け、の各パターンのプログラムの流れがざっと紹介されています。様々なアクティビティがちりばめられ、プログラムを見ているだけでとても楽しそうです。
専門学校1年生を対象としたプログラム(「キャリアデザイン」という科目、90分×13回)を見ると、次のようになっています(抜粋)。
第1回 キャリアデザインとは/自己紹介、マイブーム発表、目標体感ゲーム、パズルゲーム
第2回 自己分析-1/自己分析ツール、タイプ分けグループワーク
第3回 自己分析-2/思い込み(4つの窓)、自己イメージ
第4回 ドリームマップ-1/「好き」を見つける、職業イメージ
第5回 ドリームマップ-2/ドリームマップ下書き、ペアワーク
第6回 ドリームマップ-3/ドリームマップ作成、目標計画書の作成
第7回 ドリームマップ-4/コミュニケーション力、効果的な伝達方法、伝わる話し方のコツ
第8回 ドリームマップ-5/発表
第9回 組織について/リーダーシップ・チームワーク、コンセンサス・ゲーム
第10回 マナーとルール/マナーとルールの違い・必要性、一般的なマナー、ビジネスマナー
第11回 言葉について/敬語の必要性、言葉出しゲーム
第12回 思考法・発想法について/演繹法・帰納法、PDCA、ロジックツリー
第13回 ふりかえり
「ドリームマップを作ること」がプログラムの最終的な目的ではないことが一目瞭然ですね。夢をビジュアル化することは、キャリアデザインの一つのステップでしかない。むしろ、ドリームマップを作ったあとで、そのプロセスを振り返ったり、夢を実現するために何が必要かをいろんな角度から考えさせることの方に重点が置かれているような気がします。
「ワン・ツー・スリー」の「スリー」の部分が一番大切なのです。夢を描いているだけではいつまでも夢でしかないわけで、それをどうやったら実現できるかを考え、実行に移すプロセスこそキャリアデザインの要と言えるようです。
実際にワークショップを見てみたいですね。子どもたちがどんなふうに「変わる」のか、この目で確かめてみたい気がします。
ところで、ドリームマップ・ワークショップを仕切るファシリテーターになるための「コーチングファシリテーター&コーチ養成講座」というのもあるのですが、全10日間の日程でかかる費用は378,000円とのこと…。高い! 高いけど、それだけの投資をする価値のある講座なのかもしれません。
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