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市民が作った「文化ボランティア全国フォーラム IN 弘前 2007」

2007-08-03 | └社会教育
「文化ボランティアの未来─めざせ!地域がまるごと文化─」と題した標記大会に参加してきました(1日目のみ)

「文化ボランティア」とは、博物館、美術館、図書館などの施設ボランティアや、音楽、演劇、美術など「アート系」のイベントなどに関わるボランティアをはじめ、まちづくりや地域づくり活動など幅広い「文化」をキーワードにしたボランティア。

全国フォーラムは、文化庁の委嘱事業として始まり今年が3回目だとか。今年は弘前ねぷた祭りの開催に合わせた日程で実施されました。地域に根付いた祭りももちろん「文化」ですから。

1日目は、もともとは文化人類学者だという青木保文化庁長官、仙台市副市長の奥山恵美子さん、それに地元から津軽錦絵作家協会会長の三浦呑龍さんの3名による「トークライブ」をメインに、津軽三味線の演奏や幼児園児によるねぷた囃子が花を添えるオープニング。

奥山さんは、仙台市の生涯学習課長時代に仕事でお世話になったことがありましたが、軽妙洒脱な進行ぶりは相変わらずでした。行政ウーマンらしからぬところがいい。呑龍さんの語りも印象に残りました。18歳で初めてねぷた絵を描いて30年以上。呑龍さんの仕事ぶりを伝えるあるテレビ番組が紹介されましたが、成何年に知事賞をとった、何年に市長賞…と、やけに「賞」にこだわるなと思いました。ご本人も言っておられましたが、ねぷたの「賞」は、決してねぷた絵(錦絵)の優劣だけで決まるものではなく、扇形のねぷたを引く引き手や囃子など、全体として審査されるものです。呑龍さん自身の思いとはちょっと違う伝えられ方をしているんだなと思いました。

弘前ねぷたと同じ日に始まった八戸三社大祭は、津軽のねぶた・ねぷたと違って「山車祭り」ですが、こちらは絢爛豪華な「山車」そのものが審査されます。三社大祭は、文字通り、市内の3つの神社の大祭ですから、山車の前の神事に則った御輿行列がメイン。町内会ごとに作る「山車」は、本来、「附祭」として、行列の後ろで花を添えるものですが、やっぱり、見る人は、山車の方に目を奪われてしまうのですね。

弘前ねぷたも「扇ねぷた」にばかり注目が集まりますが、実は、引き手や囃子方によってねぷたの「見え方」も違ってくるし、1枚の錦絵でしかないねぷた絵も、引き手によって「動く」からこそ生きてくるのですという呑龍さんのお話には、大いにうなづけるものがありました。引き手一人一人の情熱と力の合わせ方が大切。ねぷたを支えているのもみんな「文化ボランティア」なのです。

今回のフォーラムは、弘前市内のいろいろな団体が関わることによって生み出されています。とかく、自分たちの活動にしか目がいかない、あるいは手が届かない団体が多い中で、今回のように活動の枠を超えてネットワークができるのは、弘前という土地柄もあり、また、彼らを上手に結びつける素晴らしいコーディネーターの方がいることも大きな要因だろうなと思いました。



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