カクレマショウ

やっぴBLOG

札幌ビズカフェ

2007-02-19 | └キャリア教育
札幌に出張してきました。

夜は、かつての同僚と久々に一献。社会教育行政の最前線で活躍中の方です。社会教育や人づくりについて語り合うことができ、たくさんの収穫がありました。共通の知人の動向や数々の飲み過ぎの失敗談など、懐かしい話題も花盛り。おいしいサカナをつまみながらの楽しい夜でした。

今回の出張の目的は、「札幌ビズカフェ」の訪問です。

「ビズカフェ」、「ビジネスカフェ」とは、若手起業家や起業を志す学生などが集い、コーヒーや時にはアルコールを片手に、自由に情報交流ができるたまり場のことです。全国各地に様々なタイプのビズカフェが誕生していますが、「札幌ビズカフェ」はもっとも活気のあるビズカフェの一つです。

「札幌ビズカフェ」は、札幌駅の目と鼻の先という超便利な場所に、2000年にオープンしました。当時IT関連のベンチャーが次々と駅北口に誕生していたことから、彼ら若手起業家の情報交流と人的ネットワークの場とすることが目的だったといいます。札幌ビズカフェの最大の特徴は、行政の支援を受けずに(受けられずに)民間の資金のみで設立・運営されたという点でしょう。当初、2年間という期間限定で設置されたのですが、再開を待望する声が多かったことから、2003年に現在のセカンドステージ(「B2」)が、NPO法人として再スタートしました。

ある建設会社のビルの一画、さほど広いスペースではありませんが、そこを無償で借り受けているのだそうです。外階段を上ってガラス張りのスペースに足を踏み入れると、数人がパソコンに向かっていたり話をしたりしていました。500円を払えば、誰でもコーヒー飲み放題で何時間でもいられるのだそうで、年間2,000人程度が様々な形でここを利用しているのだそうです。

現在は、設立当初のIT関連ベンチャーに限らず、いろいろな分野の起業家たちが集まっているらしいですが、近くにある北大の学生もしょっちゅう顔を見せているようです。お話をうかがった事務局長さん自身が、学生の頃に起業を志し、このビズカフェに出入りして、ある人と出会い、そのおかげで起業にこぎつけたのだとか。人が人を呼び、人と人をつなげることが新しい挑戦を促しているのです。

ぜひ聞きたかったのは、ビズカフェが子どもたちの「起業教育」にどういう関わりを持っているのかということでしたが、実はそこまではまだ手が回っていないらしい。本来の目的とは違うかもしれませんが、勝手ながら、ビズカフェの果たしてきた人のつながり機能と起業創業の実践ノウハウは、ぜひ子どもたちにも伝えてほしいなと思いました。

それにしても、北海道って日本の人口構造の縮図みたいだなと思いました。札幌への人口の集中、札幌以外の過疎化という構図は、東京への一極集中と「地方」の人口減少とあまりにもよく似ている。札幌ビズカフェは、しゃれたスーツを着こなした若手起業家と資金豊富な大企業のセレブなたまり場、といった感じもします。札幌以外の「地方」も視野に入れ、北海道という地域に根ざしたビズカフェになった時が真価のみせどころではないでしょうか。北海道の持つ豊かな「素材」をどう発信していくのか。そのへんの戦略はビズカフェも十分錬っているのだと思いますが。

これから、青森にもビズカフェをという声が出てくるかもしれませんが、もちろん札幌ビズカフェをそっくり真似することはできません。札幌という「大都市」とは置かれている状況があまりにも違いすぎます。あくまでも「青森県」に見合った「大人のたまり場」の姿をデザインしていくことが必要ですね。

 

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