カクレマショウ

やっぴBLOG

「通り名で道案内」─なるほどこっちの方がわかりやすい、と思う。

2007-08-06 | ■社会/政治
タクシーに乗って、自分にとって初めての場所に行かなければならない時って緊張しませんか?目的地が「有名な場所」ならいいのですが、知人の家などに向かう時など、住所を告げても、「住所言われてもわかんないんだよね」と言われたことがありました。なるほど、タクシーの運転手にとっては、「道筋」は頭に入っていても、「住所」はおおまかな地名程度しかインプットされていないのですね。

タクシーに限らず、観光地でもどこでも、目的地にたどり着こうとする時、私たちにとってより大切な情報は、目的地の「住所」よりもそこに行くまでの「道筋」です。「住所」情報だけを知っていても、地図が手元になければ意味がありません。「道筋」を知っていたとすれば、たとえ地図がなくてもたどり着くことはできるかもしれない。どんな目的地でも、「道」を通っていくわけですから、正確な「道案内」があればどんな場所だって行けるはずです。

国土交通省道路局が、「通り」の名を使って「道案内」をする試みを進めているというのも、そんなふうに考えてみればごく当たり前のことなのかもしれません。たとえば、人に道を聞かれたとき、「この通りをまっすぐ行って、3つ目の信号を左に折れた通りを20mくらい行ったところ」などと答えるのはごく普通のことです。道を聞かれて、「○○1丁目の真ん中へん」などと答える人はまずいない。

国交省の試みは、「この通り」とか「左に折れた通り」のそれぞれの「通り」に、名前がついていればそれをもっとはっきり示すようにし、名前がなければ新たにつけるなどして、さらにそれぞれの通りに10mおきに番号(=位置番号)を振って、それも明示しようというものです。

たとえば、「新町通り#3」とあったら、「新町通りの起点から30m地点」を表すということになります。観光地なら、ガイドブックに住所と合わせて、通りの名称と番号も一緒に記載するようにする。「位置番号」は、起点を背にして、通りの右側なら奇数、左側なら偶数の番号を振っていくようにするので、通り名と番号を覚えていさえすれば、目的の店などはすぐに探し出せる、というわけです。

外国では、英語圏なら"○○street"、"△△avenue"など、「通り」の名前は必ずといっていいほど耳にします。これを「道路方式」の住居表示と呼び、日本の「街区方式」(○○1丁目1-1など)とは根本的に異なるものです。繰り返しになりますが、「道案内」には明らかに「道路方式」の方が便利です。日本でも、山形県東根市の一部で「道路方式」が採用されているのだそうですが、今回、長崎市、新潟市、堺市、和歌山市など全国13都市で実験的に道路方式が採用されているのだとか。市民の反応も、わかりやすくなったと好評のようです。

最近、住居表示の変更で、昔ながらの伝統的な地名が消えていく例をよく目にします。もし「通り」の名を採用することになれば、忘れ去られようとする地名が、通りの名称としてよみがえるという効果も期待できそうです。「通り」を核にしたまちづくりのような新しい取組のきっかけが生まれる可能性も大いにあります。

しかし、「社会実験」が行われている都市を見ると、新潟市以外は全部西日本の都市なのはなぜなんだろう?

 

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2 コメント

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「通り」は便利 (平井)
2007-08-07 01:41:02
ご無沙汰しております。久しぶりにコメントなど……。

「通り」の名称は重要ですね。私の勤め先は、都内でも有数の「坂」だらけの場所。「芋洗坂」「暗闇坂」「けやき坂」「饂飩坂」などなど……。饂飩坂なんて、数メートル程度の小さな坂なんですが。

通りの名前は土地の歴史・性格を物語りますよね。
先の芋洗坂や饂飩坂などもそうですが、元麻布の「テレ朝通り」や西麻布の「ビストロ通り」など(おそらくは通称ですが)、その土地の性格を如実に言い表していると思います。

こういう「通り」や「坂」の文化は残していきたい&活性化したいものですね。
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久しぶり (やっぴ)
2007-08-07 12:52:57
ヒライくん、元気でしたか。

いや、「坂」もそうですが、東京はやっぱり「通り」の名前の宝庫ですね。由緒をたどってみたくなるような名前ばかりです。私が一番好きな通りの名前は、
「言問通り」。古いものも新しいものも、それぞれに味があっていい。

では、また来てね~。
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