カクレマショウ

やっぴBLOG

"かぐや"月に帰る。

2009-06-11 | ■環境/科学
日本の月周回衛星"かぐや"が、今日未明(3時25分)、月面に落下し、2年近くに及ぶ観測を終了しました。テレビのニュースを見ていたら、"かぐや"の落下の瞬間(通信が途絶えた瞬間)を確認した宇宙航空研究開発機構(JAXA)の職員が思わず歓声を上げていましたが、あれは、「ほぼ狙いどおりの場所に落下させることができた」からだそうです。つまり、今後、月に着陸させるための技術的な成果が得られたということです。

"かぐや"が打ち上げられたのは、2007年9月14日のことでした。月の周りをぐるぐると回りながら、この小さな衛星は月の起源や組成に関する貴重なデータを送り続け、アポロ計画以来となる月の本格的な探査に大きな貢献を果たしました。

また、"かぐや"は、私たちが初めて見る月の表面の鮮明な映像も届けてくれました。2007年11月に見ることができた、ハイビジョンによる「地球の入りと出」の映像は、息を呑むような光景でした。

今回、落下する直前には、低高度(10~30km)からの映像も届けてくれました。





前回の映像は高度100kmからでしたので、やっぱり「近く」で見ると迫力がちがいます。遠くからでは決して見ることのできない、地形の起伏がはっきりと見てとれます。高さどのくらいだろう、鋭く切り立った崖や巨大なクレーター、大小の山々など、たとえば人間をあの光景の中に置いてみたらと想像してみるのも楽しい。

それにしても、月の表情をこれだけ鮮明に見せられると、「何もない」ことに改めて気づかされます。映像自体がモノクロの世界だということもあるのでしょうが、あの殺風景な月の映像を見たあとで、地球の映像を見ると、地球ってなんて美しい星なんだろうと思います。生命の息吹一つ感じることのできない月に比べたら、本当に「生命の星」だなあという感じがします。60億以上の人間の命と、それこそ数え切れないほどの生き物たちの命が息づいている地球。宇宙全体から見たら、地球自体が一つの「生命」なのかもしれませんが、宇宙も一つ一つの生き物の命も、どこかできっとつながっているのです。私たち一つ一つの命のエネルギーが宇宙を動かし、そして、宇宙の持つ果てしないパワーが私たちの命を生かしてくれている。

月の世界から、いろいろなことを教えてくれた"かぐや"に感謝と祈りを込めて。

 

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