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卒業生が「30歳のレポート」は、キャリア教育の「評価」です。

2016-03-10 | └キャリア教育

卒業生が「30歳のレポート」って、これ良くない?

大分県立日田三隅高校の総合学科の取組です(「内外教育」2016年3月4日号より)。今年30歳を迎えた卒業生にはがきを出して、これまでの経験や現在の生活などを綴ったレポートの提出を呼びかけたところ、20人から返事が返ってきたという。そのうち3人が在校生の前で発表したのだそうです。

「夢は年齢を重ねるにつれて形を変えていく。今、夢や希望がなくても焦る必要はない」と語ったのは、いくつもの仕事を経験して、今は子育てを楽しんでいるという女性。また、地元の町で念願の縫製業を営んでいる女性は、「自分で選択して今がある。『ありがとう』や『おかげさまで』という気持ちがたくさんの仕事や人とのつながりを運んでくれた」と言う。いいこと言ってくれますよねー。あと、高校の先生をしている男性は、「もし迷った時は苦労する方を選択してください。困難や苦労は自分を成長させてくれる」と、自分の経験を踏まえて語ってくれたそうです。

この3人は、決して「有名な人」でもなければ、新聞に載るような「大きな功績」を挙げた人たちでもありません。ごくフツーの、いわゆる「一般人」です。でも、こういう人たちの言葉のほうが、「偉い人」たちよりなんだか心に響くなあ。それは高校生にとっても同じかもしれない、と思ったりするわけで。それは、「共感」の度合いなのかもしれません。圧倒的多数は、将来「一般人」として生きていくことになるのだから、共感できる度合いも大きいし、自分でも少しがんばればできるかも…と思わせてくれるんじゃなかろうか。

この取組は、今年で6回目だそうで、これまで集まったレポートは165通にのぼるのだとか。でも、提出していない(提出できない?)卒業生が多いことも事実。そりゃいろいろ事情もあるわな。ただ、彼らのレポートを読み、発表を聞いて卒業していった高校生たちの多くは、たぶん、いや、きっとレポートを書いてくれることでしょう。そうなんです。30歳の世代は「キャリア教育」を知らないけれど、今の高校生は、こうした取組を含めて、キャリア教育の洗礼を受けて社会に出ているのです。絶対に「何か」が変わっているはずです。そういう意味では、「30歳のレポート」のような取組が、いずれキャリア教育の「評価」に結びついていくのではないかと思いました。


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