
“UNSTOPPABLE”
2010年/米/99分
【監督】 トニー・スコット
【脚本】 マーク・ボンバック
【出演】 デンゼル・ワシントン/フランク・バーンズ クリス・パイン/ウィル・コルソン ロザリオ・ドーソン/コニー・フーバー
(C)2010TWENTIETHCENTURYFOX
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時間つぶしに見たのですが、確かに時間つぶしにはもってこいの映画でした。余計なことを考えずに、ひたすらスクリーン上で起こっている出来事に身を委ねていればいいから。
それにしても、これが実話(2001年5月にオハイオ州で発生した貨物列車暴走事故)に基づく話というところが恐ろしい。大量の化学薬品とディーゼル燃料を搭載した全長800mもの貨物列車が無人のまま時速100kmで暴走しちゃうんです。なぜか単線なので、同じ線路には社会見学の小学生が乗った列車や、別の貨物列車もうじゃうじゃ走っている。さあ、いったい誰がどうやってこの列車を止めることができるのか!?

暴走の原因は、やる気のない鉄道会社の作業員の単純なミス。貨物列車とはいえ、時には人の命を左右する公共交通に携わる人間しては、あまりにも無責任な行動でした。結果的に暴走列車を止めることになるフランク(デンゼル・ワシントン)とウィル(クリス・パイン)にしても、乗車中に私用の携帯電話を普通にかけているし、日本だったらとても許されないような勤務ぶりには驚きました。

この映画、「現場」で超人的な働きをするフランクとウィルに常に焦点が当てられるパニック・アクションには違いないのですが、一方で、「現場」にいない鉄道会社の幹部や操車場の管制官たちの駆け引きも面白い。何しろ事故の第一報を受けた幹部がまず発するのは「株が下がっていないか?」なのですから、彼らの仕事の力点がどこに置かれているかは推して知るべし。彼らは、フランクとウィルの奮闘ぶりを無視し、安易に列車を故意に脱線させるという方法を取る。一方、操車場長のコニー(ロザリオ・ドーソン)は、フランクとウィルとは面識がないのですが、二人の計画に賛同し、全面的にバックアップする。命令を聞けなければクビだ!と上司に脅されても、彼らは、今は列車を止めることだけしか頭にない。
フランクとウィルは、その日初めて同じ列車に乗車したコンビ。リストラが決まったベテラン機関士と「コネ」で入ってきたと噂される新人。決してウマは合わなかったのに、二人は危機に際して、お互いに協力し合い、それぞれの持ち味を発揮する。それぞれが抱える家庭の問題もさりげなく挿入されつつ、物語は大団円へと収束していきます。
危機の時こそ、きっと人間の真価が見えるのだと思います。パニックに陥りそうなところをいかに自制しして、自分の立場を踏まえた対応や行動ができるか。危機はいつやってくるかわからないので、そのための備えは、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)で培っていくしかないし、もっと言えば、その人自身の「生き方」が反映されるんだろうなと改めて思いました。

フランクのセリフに、“Never too late !!” (決して遅すぎることはない)というのがありました。最後まであきらめない姿勢も、フランク自身が生きる過程で培ってきた資質なのでしょうね。それにしても、役作りなのか、ちょっとふっくらとしたデンゼル・ワシントンは、こういう映画でもさすがの貫禄ぶり。やはりかっこいい。
無人の暴走列車が爆走するシーンは、ちょっとおおげさなBGMと相まって、ものすごい迫力です(聞けば、CGは使っていないとのこと)。人の手を離れた「マシン」がいかに恐ろしい存在か、スピルバーグの「激突!」に出てくる大型トレーラー(こっちは無人ではないのですが)の不気味さを思い起こさせました。あ~、こわかった!!
2010年/米/99分
【監督】 トニー・スコット
【脚本】 マーク・ボンバック
【出演】 デンゼル・ワシントン/フランク・バーンズ クリス・パイン/ウィル・コルソン ロザリオ・ドーソン/コニー・フーバー
(C)2010TWENTIETHCENTURYFOX
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時間つぶしに見たのですが、確かに時間つぶしにはもってこいの映画でした。余計なことを考えずに、ひたすらスクリーン上で起こっている出来事に身を委ねていればいいから。
それにしても、これが実話(2001年5月にオハイオ州で発生した貨物列車暴走事故)に基づく話というところが恐ろしい。大量の化学薬品とディーゼル燃料を搭載した全長800mもの貨物列車が無人のまま時速100kmで暴走しちゃうんです。なぜか単線なので、同じ線路には社会見学の小学生が乗った列車や、別の貨物列車もうじゃうじゃ走っている。さあ、いったい誰がどうやってこの列車を止めることができるのか!?

暴走の原因は、やる気のない鉄道会社の作業員の単純なミス。貨物列車とはいえ、時には人の命を左右する公共交通に携わる人間しては、あまりにも無責任な行動でした。結果的に暴走列車を止めることになるフランク(デンゼル・ワシントン)とウィル(クリス・パイン)にしても、乗車中に私用の携帯電話を普通にかけているし、日本だったらとても許されないような勤務ぶりには驚きました。

この映画、「現場」で超人的な働きをするフランクとウィルに常に焦点が当てられるパニック・アクションには違いないのですが、一方で、「現場」にいない鉄道会社の幹部や操車場の管制官たちの駆け引きも面白い。何しろ事故の第一報を受けた幹部がまず発するのは「株が下がっていないか?」なのですから、彼らの仕事の力点がどこに置かれているかは推して知るべし。彼らは、フランクとウィルの奮闘ぶりを無視し、安易に列車を故意に脱線させるという方法を取る。一方、操車場長のコニー(ロザリオ・ドーソン)は、フランクとウィルとは面識がないのですが、二人の計画に賛同し、全面的にバックアップする。命令を聞けなければクビだ!と上司に脅されても、彼らは、今は列車を止めることだけしか頭にない。
フランクとウィルは、その日初めて同じ列車に乗車したコンビ。リストラが決まったベテラン機関士と「コネ」で入ってきたと噂される新人。決してウマは合わなかったのに、二人は危機に際して、お互いに協力し合い、それぞれの持ち味を発揮する。それぞれが抱える家庭の問題もさりげなく挿入されつつ、物語は大団円へと収束していきます。
危機の時こそ、きっと人間の真価が見えるのだと思います。パニックに陥りそうなところをいかに自制しして、自分の立場を踏まえた対応や行動ができるか。危機はいつやってくるかわからないので、そのための備えは、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)で培っていくしかないし、もっと言えば、その人自身の「生き方」が反映されるんだろうなと改めて思いました。

フランクのセリフに、“Never too late !!” (決して遅すぎることはない)というのがありました。最後まであきらめない姿勢も、フランク自身が生きる過程で培ってきた資質なのでしょうね。それにしても、役作りなのか、ちょっとふっくらとしたデンゼル・ワシントンは、こういう映画でもさすがの貫禄ぶり。やはりかっこいい。
無人の暴走列車が爆走するシーンは、ちょっとおおげさなBGMと相まって、ものすごい迫力です(聞けば、CGは使っていないとのこと)。人の手を離れた「マシン」がいかに恐ろしい存在か、スピルバーグの「激突!」に出てくる大型トレーラー(こっちは無人ではないのですが)の不気味さを思い起こさせました。あ~、こわかった!!
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