さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

【100分de名著】大岡昇平/野火

2017-08-29 23:23:56 | 読書録
なかなかテレビを見る習慣がない私。大河ドラマだけは一生懸命見続けているが、題名のない音楽会は最近見なくなっちゃったし・・・。

そんな中で最近「100分de名著」という番組がEテレにあることを知った。毎週25分×4回シリーズで毎月100分で名著を紹介していくコーナーである。

8月は大岡昇平の野火。ちょっといいなと思って見始め、4回全部見ることが出来た。

私はあまり小説を読まない人間なので、大岡昇平さんの作品は「レイテ戦記」など題名やどんな作品かはうすうす知っていて、若い頃から読もうとは思っていたのであるが、読み通す自信がなく、今まで来てしまった。それを解説付きでダイジェストをやってくれるなら、まずはそれを見てみようと思ったのだ。

大岡さん自身がフィリピンのミンドロ島サンホセに暗号手として軍務についていたが、マラリアにかかり、舞台から病兵として放置され、山中で気を失っているうちに米兵に見つかって捕虜とされ、レイテ島の病院、および収容所にいるなかで終戦を迎え、日本への帰国がかなったという経歴の持ち主。ご自身の経験だけでなく、レイテ島で戦った数少ない友軍兵士の生き残りの証言を拾い、「野火」や「レイテ戦記」「俘虜紀」などを書いたのである。

96%以上の日本兵が無くなったレイテ島。生き残った者として、そこで何が起こったかを伝えようと筆をとった大岡さん。「野火」では人間は極限状態でどうなってしまうのかを、田村というインテリな一等兵の口から語られるのだ。

悪だくみをして生き残ろうとするもの、人肉食など、人間の醜い姿が描かれ、一方で宗教的な幻想・・一種のハイ状態で見えるものも語られる。たぶん解説付きじゃなかったら、自分は読み通せないんじゃないかと思う。

現代国語が一番の苦手科目だった私。一週間に一回、もう一度国語の授業を受ける気分で、この番組を見ながらテキストを熟読し、私の乏しい読解力の向上と、名著に関わる見識のなさの払拭を図っていけたらなぁと思う。
コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 無事帰還しました! 植物も... | トップ | 余った鶏の皮でおつまみ »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
映画もいいですよ (リンデ)
2017-09-01 16:49:17
 「野火」は、この夏のCS放送の映画特集で、新旧両方の「野火」を見ました。やはり戦争を体験している市川崑監督の「野火」に軍配はあがりますね。
 直視するには覚悟がいりますが、やはり見なければならない1本だと思います。
返信する

読書録」カテゴリの最新記事