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さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

【読書録】指揮者、この瞬間(とき)―夢はいつもファンタスティック

2012-03-12 23:51:06 | 読書録
松尾 葉子 (著) /樹立社

もし今年JAOフェスに応募すれば、松尾葉子さんの指揮の下、演奏する体験をつめるはずなのであるが、あいにく9月の職場合唱団のメンデルスゾーン「エリヤ」本番と近く、大事な練習と重なってしまうので、今回はあきらめた。しかし、折角の機会なので、松尾さんの本を読むことにしたのである。

松尾葉子さんは、1982年ブザンソン国際指揮者コンクールで女性として史上初、小澤征爾についで日本人二人目の優勝を飾った方だ。ちなみに、松尾さんの次に優勝した日本人は佐渡裕さんだ。

私は残念ながら、プロオケを女性指揮者が指揮をしているシーンを生で見たのは1回だけしかない。それは、20年位前にディズニーのイベントで、ファンタジアの映像と生のオーケストラを合わせるという演奏会。曲が変わるごとに指揮者が代わり、確か禿山の一夜を振られたのが女性指揮者だった。その方が何という名前の方だったかは忘れてしまった。とにかく当時はディズニーが嫌いだったし、音楽活動もしてなかったし、その演奏会も成り行きで行ったものなので、そもそも興味が無かったのである。ただそのイベントはそれなりに注目を集めていたイベントだっただけに、第一線で活躍する女性指揮者の方はちゃんといらっしゃるんだな・・・というのがその時の印象。だが、映画に合わせて振らなければならないという変なイベントだったため、その方の音楽的な個性を感じることは出来なかった。

今、思うに、その女性指揮者はやはり松尾葉子さんだったんじゃないのかな?と思う。色々サイト検索してみたら、1991年のディズニー映画祭について書かれたサイトに、

○ファンタジア シネマ・ライブ
開場:東京ベイNKホール
日付:6/6(19時15分開演)

CAST/
指揮:手塚幸紀/竹本泰蔵/松尾葉子/佐渡裕/小松崎孝輔
演奏:新日本フィルハーモニー交響楽団
コーラス:コール・ファンタジア
コーラス指揮:辻正行
メゾ・ソプラノ:郡愛子
スペシャルゲスト:ミッキーマウスとその仲間たち
案内役:中村吉右衛門

という記事を見つけたからである。確かに入社4年目だったから91年で、冒頭に中村吉右衛門さんが登場したのもはっきり覚えてるし、ホールもそんなような名前だったから、たぶんこのイベントだろう。

前置きが長くなったが、このブログを書いているうちに、昔初めて見た女性指揮者が松尾さんだったことが分かったので、つい書いてしまったのである。

で、本題のこの本に入るが、この本を読むと、いかに松尾さんが単に指揮者としてでなく、プロデューサーとして、新しい芸術を作ろうとしてきたかが、伝わってくる。能舞台でのオペラ公演・・・最初、えぇぇ~?っと思ったけど、読んでるうちに、いいんじゃない?と思うようになった。人形浄瑠璃の手法を取り入れて、義太夫の語りに合わせ、人形の動きを歌手が真似る「文楽様式による【異説・カルメン情話】」なんて面白そう。最近、いろんなオペラをDVDで見ているが、同じ作品でも演出が違うとだいぶ印象が異なることを肌で感じている。虚飾を極力廃した超シンプルで現代風な演出があるなら、一方で和風の演出があってもおかしくはない。今度自分もカルメン(抜粋)の合唱に出る予定だけど、松尾さんはどんな風にやったのだろうと、イメージが膨らむ。DVDとかないのかなぁ。是非観てみたいものだ。

松尾さんは絵もお上手で、この本の中でも作品が紹介されている。観ていて、あぁと思った。こんなに色彩豊かで、美術と音楽が融合した世界を持っている方だからこそ、斬新な表現ができるんだ・・・と。読めば読むほど今回JAOに参加できないのが悲しいが、是非いずれかの機会に、松尾さんの創られる世界に生で触れてみたいものである。
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