さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

歴史秘話ヒストリア「古関裕而」を見て

2020-11-03 23:39:43 | 映画・番組等、各種鑑賞録

ずっと忙しかったので、9月25日放映分のこれが、今日やっと見れた。

ちょっと事情があって、話題の朝ドラを見てない私だが、このヒストリアは脚色もなにもないので、絶対見なくっちゃと思って見た。

後半は泣きっぱなしだった。

売れない作曲家でクビ寸前だった古関さん。でも六甲おろしで一躍売れっ子作曲家になった。作曲のために球場に何度も足を運んだ。

現場に行かずに書く作曲かもいるが、古関さんは、ちゃんと足を運び、何かを感じ取って作曲されている。

古関さんは、戦争で、士気を鼓舞するための歌も、依頼に応じて作曲しているが、これは戦後古関さんを苦しめたようである。

だが、古関さんの作曲した「露営の歌」・・勝ってくるぞと勇ましく・・・を口ずさむ、元日本兵の高齢の男性の表情を見て、この歌がこの人の心を支えたんだなぁということが分かった。

またパイロット養成のための訓練を受けていた予科練生のために作った歌、「若鷲の歌(予科練の歌)」・・・若い血潮の予科練の 七つボタンは桜に錨・・・を歌った別の方は、泣きながらこの歌を歌った。実は若者たちを勇気づけるために作曲を依頼され、古関さんは長調の曲と短調の曲2曲を用意して行った。事前に予科練の様子を見学していた古関さんは、若者から何かを感じ取り短調の曲を進めたが、上層部の意見は長調の曲だった。だが予科練生たちに選ばせたら圧倒的に短調の曲に人気が集まり、短調に決定。予科練を卒業したら戦場が待っている。そして特攻隊として散るのである。そういう悲壮感を持つ若者たちの心に短調の曲が共鳴したのである。先に特攻が決まった仲間を送り出す時にも歌われた歌。長調の歌なんて歌えないよ・・とその人は言う。

なので古関さんの作った歌は、実際の兵士の心に寄り添う歌だったからこそ、皆に支持されたのだろう。

戦後作曲された、夏の高校野球大会のための名曲「栄冠は君に輝く」は、優勝したチームだけでなく、「君に輝く」だからみんなを応援する歌だということで、広く愛されている。今年はコロナ禍で、戦後初めて高校野球大会は行われなかったが、その開会式の予定日、全国各地で「栄冠は君に輝く」が演奏されている様子を見て、涙が出た。古関さんはみんなの心をつなぐ歌を作曲したんだなぁと。

生涯で5000もの曲を作曲したと言われる古関さんは机を3つ使い、それぞれに楽譜を置いて、ぐるぐる回りながら、複数の曲を同時に作曲したそうだ。そんな方法もあるんだなぁと感嘆した。


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