梶井厚志/日経プレミアシリーズ
これも3年前の発売直後に買って、そのまま挫折していたやつを引っ張りだして読み終わった。
何で挫折していたのかというと、何か色々書いてるが、こねくり回して遊んでるだけじゃん・・と思ってしまったのである。
ただ、「わらしべ長者」と落語の「持参金」「百年目」「千両みかん」「はてなの茶碗」「井戸の茶碗」あたりは、確かにお金やモノの価値が絡むので、著者の経済学的視点の筆は冴えているようである。
たとえば「わらしべ長者」。一対一で、たまたま出会った、ニーズの合致した者同士が物々交換をしているから、わらしべ→みかん→反物→馬→屋敷と化けたのであり、関係者が一堂に会する市場が出来てしまったら、わらしべが屋敷に化けることはないであろうな。
「持参金」を「仮想通貨」に重ねてみるところあたりも、近年ならではの発想だな。
「はてなの茶碗」「井戸の茶碗」は題材にしている落語自体が面白いので、よしとしよう。