さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

【読書録】サクッとわかるビジネス教養・中国近現代史

2020-11-10 23:16:06 | 読書録

岡本隆司/新星出版社

中国ものが大好きな私でさえ、きな臭さを感じてこういう本に手を出しているという現実は悲しいのだが、やはり我が国含め、近隣諸国の近現代史というのは、ちゃんと学び直すに越したことはない。

この本はそういう意味で、分かりやすく流れを説明してくれているし、変に過激な表現もないので、安心して読むことが出来た。

知っていることも多かったが、この本のおかげで、私が根本的に誤解していたものを自覚することが出来た。

かの国は、昔も今も、格差社会であり「富める家は富む」社会なのだということだ。

たとえば私は科挙という制度は、身分の低い人も含め、幅広い層から人材を登用できるよい制度だと思っていたのだが、合格すれば一生安泰で、特権を持ち、懲罰や労役を逃れ、徴収した税金もほぼ私財にしていたとのこと。

優秀な者がいれば一族で金銭を援助して全力でサポートする。将来得られる見返りを考え、私財を投げ打っての投資も惜しまなかったという。無事合格して「紳士」になった者は、特権を使った手厚い援助で一族の師弟を育て、合格させる。・・まさに富める家が富んでいく構図である。こうしたことで、科挙は実力主義ではあったが、やはり家柄が非常にモノを言う世界であった。

そうした格差は今も変わらず、都市戸籍と農村戸籍の区別などで、依然家柄に縛られたままだという。

そうした格差や、格差からくる腐敗体質なども、改善していこうとする動きは過去も現在もあるのであるが、現実は厳しいようである。


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