さぶりんブログ

音楽が大好きなさぶりんが、自作イラストや怪しい楽器、本や映画の感想、花と電車の追っかけ記録などをランダムに載せています。

【DVD鑑賞録】ヴェルディ/歌劇 《イル・トロヴァトーレ》

2012-04-29 23:20:14 | オペラ・バレエ鑑賞
=============================================================
指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
演出:ヘルベルト・フォン・カラヤン
演奏:ウィーン国立歌劇場管弦楽団&合唱団
出演:マンリーコ…プラシド・ドミンゴ(テノール)
レオノーラ…ライナ・カバイヴァンスカ(ソプラノ)
ルーナ伯爵…ピエロ・カップッチッリ(バリトン)
アズチェーナ…フィオレンツァ・コッソット(メゾ・ソプラノ)
フェランド…ヨセ・ファン・ダム(バス)
収録場所:ウィーン国立歌劇場 《1978年収録》
収録時間:約2時間31分(1枚組)
=============================================================

このオペラは初めて見るが、有名な《アンヴィル・コーラス》だけではなく、他にも知ってる曲があったなぁ。

マンリーコ(テノール)による「火刑台の恐ろしい炎が《見よ、恐ろしき炎を》」は、子供の頃から、パヴァロッティの歌を集めたカセットテープで聴いていたのだ。末尾に男声合唱も入り、やたら勇ましい曲だが、な~るほど、こういう場面で使われてるのか!

火刑に処せられる母を助けるために出陣するマンリーコ。兵たちも「あなたのために戦います!」とか威勢よく武器を掲げ、最後にマンリーコが高らかにHigh-Cを出して第3幕が閉じる。う~ん、若いドミンゴ・・ルックスも声も素晴らしいけれど、この歌に関して言えば、私が聴きなれているパヴァロッティの方が、高音の鋭さが際立っていてしっくりくるんだけど。

でも役者としてのドミンゴは素晴らしい。今年ドミンゴの出ているオペラを沢山見たけれど、ちゃんと演じ分けていて、役にハマッている。この作品でもマンリーコは英雄でも豪傑でもなく、運命に翻弄される悲劇の人。そういう青い部分もよく表現されていると思った。

で、3幕末尾で威勢よく飛び出したはいいんだけど、戦うシーンはなく、4幕冒頭ではいきなりつかまっていて、もう処刑されることになっている。マンリーコの恋人であるレオノーラは、マンリーコを処刑しようとするルーナ伯爵に、マンリーコの命乞いのために、自分の身を捧げようと決心する。その時に歌われるルーナ伯爵とレオノーラの二重唱「ご覧下さい 私の苦い涙を」と「助かった! ああ神様」は、どうも聴き覚えがあるなと思って聴いていたら、このブログを始めた頃についていた声楽の師匠が、NHKのラジオや、ご自身のリサイタルで歌っておられた曲だった。「ご覧下さい 私の苦い涙を」と「助かった! ああ神様」の間で、レオノーラは指輪に仕込んだ毒を飲むのだが、レオノーラ役のライナ・カバイヴァンスカは、「助かった! ああ神様」をややゆっくりとしたテンポで息を潜めながら歌っていて、確かに毒を飲んだ後の歌い方としては納得のいくものがあると思う。

さて毒を飲んだレオノーラ。マンリーコは事情を知らず、敵に身を売った彼女をなじる。自分は死ぬことが分かっているのに、助けようとした相手になじられるってどんな気持ちだろう。ここの部分は聴いていて気が気じゃない。ベストなのはマンリーコが事態を理解した上で逃げることだが、マンリーコは理解もしないし逃げもしないのだから。毒が回り始めてフラフラになったレオノーラを見て初めてマンリーコが事態を理解するが、同時にルーナ伯爵にも気づかれてしまい、レオノーラは死に、マンリーコも速攻で断頭台へ。

このオペラのソリストは、音楽的にはどれも主役級の扱い。このDVDでは、

マンリーコ…プラシド・ドミンゴ(テノール)
レオノーラ…ライナ・カバイヴァンスカ(ソプラノ)
ルーナ伯爵…ピエロ・カップッチッリ(バリトン)
アズチェーナ…フィオレンツァ・コッソット(メゾ・ソプラノ)
フェランド…ヨセ・ファン・ダム(バス)

という配役であるが、私が一番存在感があると思ったのは、マンリーコをわが子の代わりに育てたジプシーの老女・アズチェーナを演じたコッソット。

コッソットは、自分が持っているカヴァレリア・ルスティカーナのCDのサントゥッツァ役を歌っているので、その歌唱力は認識はしていたのだが、実際にDVDで彼女の歌っている姿を見たら、強烈だわ。若いドミンゴの輝かしい声も、彼女の声の前では気弱な息子になってしまう。マンリーコはアズチェーナのことを母親と信じており、アズチェーナはマンリーコが本当は殺すはずだった敵の息子であることを忘れていないという、複雑な人間関係を表現する配役としては、これがバッチリなのだろう。

なお、このDVDは指揮も演出もヘルベルト・フォン・カラヤン。カラヤンの振っている姿をちゃんと見たのは恥ずかしながら初めて。拍手に迎えられて登場して、四方に挨拶をしたらいきなり振りはじめるんだね。職場合唱団の指揮者の先生が、「いつかそんな風に振ってみたい」と練習中にぼやいておられたので、我々もいつ振り始められてもいいようにしておかねければ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4月28日(土)のつぶやき

2012-04-29 02:39:00 | twitterよりおまとめ投稿
12:12 from Twitter for iPhone
トランペット教室でリップスラーの後にやっている基礎練の音型が、今日からこれに。ドソドミドソドミから半音ずつ下がって行く。 yfrog.com/ob2cetrfj

12:19 from Twitter for iPhone
二週間ぶりにペットに触ったが、やはり全然ダメ。アーバンの輝く雪のテーマ、もっと一音一音綺麗に鳴るように吹けなくちゃ。6月の発表会でバリエーション幾つまで行けることやら。その後へリングを吹いたら途中でバテた。

13:34 from Twitter for iPhone
指揮練。シューマンの子供の情景11曲目の「こわいぞ」の復習。ゆっくりした曲調から、急に速くなるところがうまく振れない。一度完全に手を止めたあと、鋭いブレスと共に次のテンポと同じ速さで腕を引き上げるようアドバイスをもらったら、ちゃんとテンポの切り替えがうまくいくようになった。

13:55 from Twitter for iPhone
引続き指揮練。子供の情景12曲目の「眠る子供」を波打ち運動で振る。中間部の転調したところが、身体が痺れるほど好き。甘い薫りを嗅ぐようなブレスを心がける。ピア二ストに向かって振るだけでなく、いつか自分でも弾きたい。最近ちょっとした心境の変化で、再び鍵盤に触ってみたくなっている。

15:46 from Twitter for iPhone
モーツァルトのヴァイオリン・ソナタKV378 暗譜チャレンジ開始。6月頭に発表会があるので4月末までに暗譜出来ているのが目標だったが、怪我でテンションが落ちて、ややビハインド。手首の痛みはかなり和らいできたので、まぁ何とか取り返せるだろう。

21:55 from Twitter for iPhone
夜はオケ練。マーラーの巨人、2楽章と3楽章。3楽章の後半に、弱音器をつけた1stヴァイオリンが二部に分かれて弾く癒し系の音楽がある。どっかで聴いたことあるような懐かしい感じがする。そうだ、赤とんぼ! 夕焼けこやけの赤とんぼの、出だしに似ているよ!

22:05 from Twitter for iPhone
今頃気づいたんだけど、夕焼けこやけのあかとんぼと、シャボン玉とんだの歌って、出だしが似てるよね。

by ysaburin on Twitter

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする