自動車のEV化の流れだが、ここにきて、急にとん挫してきている。政府がクリーンエネルギーへの政策に乗って、どこの国も、特にEUは積極的にEV化の流れを作ったのである。だが、消費者がこの波に乗ってくれないのである。思ったほどにEV車が売れず、EV化が進まないのである。その理由には初期コストの高さや航続距離への懸念、充電時間の長さ、充電ステーションの不足などが挙げられている。それに、現在のシステムでは電気をつくるためには膨大な化石燃料を燃やす必要があり、CO2の削減に効果があるのかと言う疑問も残る。猛暑などで、節電や大停電が起これば、車も動かなくなるのだ。そのような中で、各社はハイブリッド車(HV車)に再び目を向けている。あくまでEV車への移行過度期との位置づけだが、どこもHV車の売れ行きは好調である。さて、私の疑問なのだが、これまでガソリンの需要削減策には、常に頑強に抵抗してきたアメリカを中心とする石油メジャーだが、車のEV化には大きな抵抗を示していない。メジャー自体が力を失っているか、抵抗策が見いだせていないのか分からないが、戦後、強大な経済支配を行ってきたメジャーの黄昏を見る思いである。
(くちなし亭、2023.08.26)
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