空想力を持とう。

台風一過である。空気が澄んで、墨田区にある我が家から、遠く秩父連山、武甲山がはっきり見える。さて、昨日は大荒れであった。台風15号の通過で、東京は再び、帰宅難民で溢れた。JRをはじめ、鉄道各社が風の被害を恐れ、鉄道の運行を見合わせたからである。ただ、3月11日と違い、自宅まで歩いて帰ろうと言う人は少なかったようだ。それは、原因が台風なので、3～4時間もすれば、通過する。それに何よりも、雨と風で、歩くことも困難であったことが理由である。東京がこれほどに風に弱いとは思わなかった。最も激しいときには、街路樹がなぎ倒されて、人々の手から離れた破れ傘が宙を舞った。風で倒れて歩けなくなった人もいたし、その中には、学校帰りの子供達もいた。台風は地震とは違うのである。事前に、いつ頃来るかも分かっている。風速が２５ｍ/sを越えれば、JRは止まる。だから、昨夜、長蛇の列をなして、雨風の激しい中、タクシーを待っていた人たちは、「こうなるかも知れない。」という空想力に欠けていたのである。

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