中米カリブにあるアメリカ自治領プエルトリコが破産法の適用を申請した。プエルトリコというと、我々にはＷＢＣでの強豪国のイメージしかないが、南国の観光産業が中心の国である。この国が抱える債務は700億ドル（約7兆8000億円）から740億ドル（約8兆3000億円）と膨大である。プエルトリコでは、金利収入に連邦税、州税、地方税がかからないので、その自治体債は投資家や地方債ファンドにとって、魅力的であった。その結果、プエルトリコはカリフォルニア州、ニューヨーク州に次ぐ規模の地方債発行元になっていたのである。さらに、2008年のリーマン・ショック後の景気悪化で税収が悪化し、経済は長期低迷が続き、その穴埋めのために、さらなる高利の地方債が発行され、それがまた、プエルトリコの財政を圧迫するという悪循環に落ちいっていた。さて、これだけの規模の損失である。プエルトリコ自体はアメリカ議会の保護法に救われるとしても、投資家、投資フアンドなどは、どう折り合いがつけられるか分からない。アメリカ国民の税金が使われるのか。かつてのフアンドのように、思わぬところに組み込まれている債権になっているのか。今のところ、日本には大きな影響はないと思っているようだが、時間が経つにつれて、その損失の全容が明らかになってくるだろう。(2017.05.08)
Y-FP Office Japanのホームページ上で、「家計のキャッシュフロー表、自分で作成」コーナーを設けましたので、ご活用ください。
