中国という国が建前はともかく、本音のところでは共産党の1党独裁国家であることは間違いない。1党独裁国家が、北朝鮮のように、独裁者による独裁国家と異なることは分かるが、党の基本理念なりが、すべてに渡って優先されることは事実が示しているようである。それで建前上は宗教の自由はあるのだが、沿岸部の浙江省では、キリスト教教会の屋根に取り付けられた十字架を強制撤去したり、撤去に抗議する信徒を相次ぎ拘束したりするなど抑圧を強めているそうだ。驚くことは、中国におけるキリスト教徒は1億人以上もいるのだそうだ。政府が十字架など、表面に露わになる宗教的なものに神経質になっているのは、たぶん、宗教をつながりにして、反政府活動が行われることを心配しているのだろう。中国では新疆ウイグル自治区でのイスラム教徒弾圧が有名である。チベットでのラマ教徒弾圧も記憶に新しい。そのほか、中国各地の古くからの宗教に対する圧力は強いと思われる。いつの時代にも、人間は心の安寧を求める。社会が不安になればなるほど、人々は神にすがる。だから、政府は社会が不安定だと感じると、宗教弾圧に走る。中国からの小さなニュースが社会の状況を教える。今、中国の上海でG20の会議が開かれ、世界経済危機について、話合われている。(2016.2.27)