経済産業省は国産の天然ガスの開発を促進すると報道されている。いわゆる日本近海の海底に眠るメタンハイドレードの試験生産や試掘である。このメタンハイドレードは海底から数メートル、あるいはせいぜい数十メートルという浅いところに分布するもので、天然ガスの主成分であるメタンを大量に含んでいる。日本は石油などのエネルギー資源を外国に頼ってきた。そのような経済構造を構築してきたのである。これは、日本製品の海外への輸出とセットになったものだ。ある意味、海外の資源を購入することで、その地に日本製品を購入する外貨を落とすことで貿易量を拡大してきたのである。しかし、日本企業の多くが安い人件費を求めて、海外に生産拠点を移すと、高い輸入エネルギーだけが残ることになった。翻れば、多くの人は日本が資源小国、資源の乏しい国日本という宣伝に惑わされているのだが、それはこれまでの経済構造を維持するための方便に過ぎなかったのである。日本近海には豊富なエネルギー資源が豊かに眠っている。それを掘り出す技術も、十分にあるのだが、安いエネルギーの入る時代には、あえて、それを掘り出すこともなかったのである。しかし、ここにきて、輸入エネルギーの高騰が私たちの生活を苦しめ始めた。特に、原発事故の影響もあって、化石燃料を使わざるを得なくなるとなおさらである。だから、政府はやっと重い腰を上げ始めたのである。すでに、埋蔵の確認されている渥美半島沖に加え、日本海側の佐渡沖もこの4月から試掘を開始するようである。このようなエネルギー資源の国産化は世界に波紋を広げる。それだけが理由ではないと思うが、アメリカがさっそく動き出す。従来、FTA締結国以外には輸出を禁じていた北米産の安いシェールガスの日本への輸出を許可する方向で、動き始めた。エネルギー支配はその国の国際的な地位を高める。アメリカは長く、メジャーを通じ、石油を支配し、世界に君臨してきたのである。
Y-FP Office Japan
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