風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

やれやれ12月

2016年12月01日 | 出版
あ~ぁ、12月だ。先月の払いでまだ終わっていないものもあるし、すっかりいやになる。しかも、朝から雨。こちらは山猿なので、低気圧に弱い。雨降りだと起き出しても目が覚めない。会社に向かうのも億劫なので、朝食を食べてから布団にUターン。布団のなかでウツラウツラ考えていたら、某荷物は発送しないといけないし、某請求書も送っておかないとあとで面倒になるなあと思い至る。それでも10分ほど仮眠して、いやいやながら会社へと向かうことにした。まるで、夏休み明けの小学生のような気分だ。
ようやく雨もあがってきた。傘は不要なようだ。池袋へとトボトボ歩いていく途中、今年の忘年会はどうしようかなあと考える。先日Wさんに会ったときに、「12/26は空いていますか?」とたずねたら、手帳を出して確認してから「その日だけは空いてますねえ」とのこと。じゃあ、今年の弊社の忘年会は12/26にでもしようかなあ。そのまま会社に着いてみるけど、金欠病で気分が乗らない。忘年会で浮かれられる状態ではないのだ。そのままポケーとしていると、某〓〓署から電話。来週、そこにうかがうことにした。
つらい年末だなあと大脳が思い悩んでいるうちに、右手は勝手にネットでゲームを始めている。こういうのを現実逃避というのだろう。しかし、仕事も終わらせないとまずいしなあと、まずは某荷物の発送準備。そこに郵便と宅急便とが届く。どちらも某誌の朱入りゲラである。パラパラ眺めてみるとそれほどの朱の量ではない。明日の修正データの送信には間に合うことだろう。ああ、そうだった。某日の会議録のレジュメを書いて、関係各位に送らなければならないのであった。これも明日の作業ということにしよう。
外は日が差している。小生の眠気もようやく覚めてきた。荷造りを終えてから近くのY運輸に持っていき、その足で銀行へ。笑っちゃうような残高になったけど、それでも足りない。どうしたものかねえ。時間が解決するのを待つしかなさそうだ。それ以外になんの当てもない。面白くねえなあと、憮然とした気分で社にもどる。嗚呼、早くどっかの原発が爆発して、日本なんて滅びてほしい気分だ。原発再稼働、みんなで死ぬなら怖くない。特に伊方が事故を起こしたら、とんでもないことになるだろう。瀬戸内の魚は食べられなくなる。
そうした破滅願望を強烈に抱いているのに、腹が減った。そばをゆでて食べることにする。最近はその上に、山芋のすりおろしと卵を乗せることにしている。ずいぶんと豪勢な月見そばであるけれど、原価はずいぶんと安い。しかし、栄養価は高そうだ。若いころなら、この程度の量なんかでは満足できなかったけれど、歳をとるとそんなもので充分である。つまりは、年齢を重ねると食費代が節約できるということだ。それはそれでありがたい。
食べた後を片付けて、それじゃあ仕事でもしましょうかねえというところに、N氏から電話。「腹巻さんにちょっと教えてもらいことがありまして」と、これまた神妙な口調で切り出した。この口調の場合はどうでもいいような用件じゃないかと、長年の付き合いから直感する。それでも一応、「どうしたの?」と聞いてみる。
「実はねえ、ある先生が古希を迎えることになりまして、その直系のお弟子さんを中心に、じゃあ記念論文集を出そうという話になったんですね」
「よくある話だよね」
「うん。ところがね、そういうのを出版社に持ち込んだら、何部買い取ってくれとか、制作原価だけは負担してくれという話になるでしょ」
「そりゃそうだよ。そういう本って売れるわけがないもん。特に法学系は売れないからねえ」
「それでね、ある人が、そんなの自費出版みたいなものじゃないかと、反対されちゃったのね」
「その人の言う自費出版の定義がよくわからないけど、その話を受けてくれる出版社があるの?」
「まだまだ、出版社を探す前の段階」
「なんだ。N君が取りまとめるのだったら、うちでやってもいいけど、面倒そうな話だよねえ。しかも、こっちはまったくの門外漢だしね」
「そこは僕にまったく権限がないんだよね。で、その反対している人は要するにお金を出したくないんだろうだけだと思うんだけど、その自費出版というのがどういうことなのか、教えてもらえないかと思って」
案の定、どうでもいいような質問であった。そこで、小生の知っている限りで、最近の自費出版事情についてレクチャーし、しかもそれは最近始まったものではなく、ずっと昔から(江戸時代から)ある出版の形態であることを伝えておく。一番基本的な話として、編集作業が大変で制作原価が高く、しかも売れるわけもない本を出す出版社があるわけがない。もしもあるとすれば、それは著者との関係で泣く泣く赤字を覚悟した場合だけである。
小生の説明にN氏も一応は理解してくれたのかな。こちらとしては、いくつかの選択肢を提示しておいたつもりである。しかし、『なんとか先生なんとか記念論文集』なんて古色蒼然としたものが、いまだに続いているんだねえ。アカの世界はよくわからない。

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