日比谷へ（3/8）

３月８日、日比谷から霞ヶ関にかけて反原発統一行動があるという。13：00、日比谷野音で集会後デモ、そして15：30からは国会前で抗議行動という予定である。以前に書いたが、その日はNHKの囲碁トーナメント準決勝を観ようと思っていた。そのため、番組が終わってから、国会前行動に参加しようと考えていたわけである。
ところが某日、Ｒ社Ｍ社長から電話。８日は雑誌『NoNukesVoice』のビラをまくので、手伝ってくれないかとのこと。小生がアンカーマンをやっている雑誌であるから、断るわけにはいかない。11：30、弁護士会館前集合と指示があり、いそいそと出かけることにする。
しかし、朝から小雨がパラついている。天気予報では昼くらいにはやむでしょうとのことであったから、傘を持たずに出かけることにする。傘をさしながらビラを配れるわけがない。ところで便利になったもので、最近、〓〓をYouTubeにアップしてくれている人がいる。わざわざ録画しなくても、〓〓は観れるのだから、とてもありがたい。そうはいえども次週は決勝戦であるから、家でテレビにかぶりつきになることだろう。
弁護士会館前に関係者が落ち合ってから、まずは松本楼で昼食兼、雨上がりを待つことになる。みんなしてカレーを食べているうちに、雨も上がってきたようだ。そこで野音前にぞろぞろと移動。集会の始まる前から、ビラを配り始める。ビラがコート紙に４Ｃで印刷されているので、すべりやすい。めくるのに苦労する。
ビラの受け取りはいい。街頭で配るのと比較すれば雲泥の差である。受け取り率30％という感じだろうか。特に、すでに何枚もビラを受け取っている人は、こちらのビラもすぐに受け取ってくれる。何枚も持っている上に、こちらのビラも滑り込ませる。ビラを見て、「この雑誌買いましたよ」という人がいたのにはビックリ。この雑誌もようやく浸透してきたのかなあと思わなくもない。
Ｙさんと遭遇したのであいさつしたら、「おおっ、腹巻君。ちょうどいい。これを渡しておこう」と「３・21集団的自衛権法制化阻止」というデモのビラをもらう。直々に渡されてしまったら、３・21もデモに行かなければならない。確かその翌日もなんかのデモがあるはずだから、２日続けてのデモということになるのかな。
１時間ほどビラを配ったのだろうか。そのうち、ビラを持っている左手が痛くなってきた。一度左手のビラが全部なくなったところで休憩にする。トイレと一服タイムだ。もどってきたら、ビラはほとんど配り終えてしまったようだ。2000枚を用意して、６人がかりで１時間ほどで配り終えてしまうのだから、かなり効率がよかったと思う。
ちょうどデモが出発することになる。我々は、たんぽぽ舎の後ろにくっついて、経産省前のテントひろばに向かうことになる。途中、警官が「この信号はそちらには渡れません」なんて、つまらない規制をかけている。無視して渡っても強引に止めようとはしないので、彼らも本気ではないのだろう。どうして、そういうくだらないことをするのかねえ？
テントひろばでデモ隊に声援を送り、我々も一番最後の部隊のケツにくっついて首相官邸前へと坂を登っていくことになる。そのまま歩いて、自民党本部ビル前で一応流れ解散。そのまま国会正門前にもどり、抗議行動という流れである。しかし、腰が痛くなってきた。
最初は議事堂に向かって右側に陣取っていたので、公園の中に入って腰を下ろして一服。菅直人が演説している声がスピーカーから聞こえてくる。「私が首相だったときでも、こんなにいい加減なことはしませんでしたよ」と自虐ネタで訴えているから、吹き出してしまった。そこでＨさんに遭遇。胃がんで胃を切除してからまだ半年ほどである。「お体、大丈夫ですか？」とたずねると、「さすがに坂を速く歩けと言われるとつらいけど、あとは問題ないよ」と相変わらず飄々とした返事。
その後、左側に移動。こちらは工事が行われていて、以前ほど見通しがいいわけではない。しかし、工夫してこじんまりとしたステージを作り、アピールの場を演出している。数人がアピールしたあと、小熊英二氏のアピールが始まった。要は、
「原発事故後、確実に日本の雰囲気は変わった。今後、原発の再稼動があったとしても、それを発電事業の中核に位置付けられるほどのものではない。したがって、これから再稼動があったとしても、それで終わりじゃないのだから、落ち着いて粘り強く抗議し続けよう」
という主旨のことを言いたかったようであるけれど、再稼動を認めるかのような話でもあり、ブーイングに包まれる。そりゃそうだろう。こういう抗議行動の場で短い時間内にややこしい論理をひねくり回しても、聴衆の心に届くわけがない。
国会前抗議行動が終わり、我々は新橋に出て、Ｍ社長のおごりでご馳走をモリモリ食べ、酒をガバガバ飲むことになる。ついつい、食いすぎてしまった。帰りの地下鉄の中で爆睡することになる。どうもご馳走様でした。