風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

トロさんの詫び状

2006年09月13日 | 出版
短パンTシャツというセクシールックで眠るには昨夜は寒すぎたようだ。やっとこさ人肌恋しい季節の到来か。ブルブル震えながら急いで着替え、朝飯抜きで家を飛び出す。今日は製本屋さんから『うたうぬりえ帖9月・10月』の配本残が届くと思い違いをし、早めに出社したものの、一向に搬入される気配のない倉庫に一人佇む。間抜けなマタンゴも届くのが明日だということにようやく気づき、ひどく落胆するのだった。
今日はうれしはずかしトロさんとの打ち合わせの日。編集者としての第一歩だ。原稿という名のお土産をいだたき、無事会社に戻るのが今日の最大任務。ところが朝からドギマギ緊張しすぎて、お決まりの腹下しを決め込む。腹巻オヤジは『うたうぬりえ帖』著者のあきやまみみこさんとの打ち合わせがあるため、ルンルン気分で12時には会社を出る。
トロさんとの打ち合わせは15時からなので、それまで『うたうぬりえ帖11月・12月』の編集作業に取り掛かる。が、打ち合わせでしどろもどろになるのではないかという恐れから、まったく作業に身が入らない。これでは時間のムダなので、打ち合わせに使えそうなネタ探しにしばしネットサーフィンの旅に出る。
14時には会社を出て、トロさんの事務所がある西荻に向かうため中央線に乗る。待ち合わせの時間より10分早く到着したので、玄関前で3分ほど足踏みや深呼吸をして時間を潰す。
挨拶代わりの世間話の中で「やけど」と言いたいのになぜか「日焼け」と言ってしまう不思議なトラップにかかり、恐れていたしどろもどろになってしまう。それほど緊張していた。
トロさんからお土産の代わりに「反省文」と書かれた封筒が渡される。おそるおそる中を開けると、腹巻オヤジ宛ての侘び文が筆ペンで書かれていて、最後に母印がしっかり捺印されていた。ひょえ~ 思わず肩の力が抜け、オホホと笑いの声を上げてしまった。
これまでの原稿の遅延をひたすらお詫びし、今月末までに取材の終わっているところの原稿は必ず仕上げるという内容。
大人のぬりえの話題で、「風塵社がボーボーに生えた雑草を一本一本摘み取りやっと作り上げたケモノ道に、大手版元がパワーショベルでアスファルトの道路を築いた。ところが、すっかり整備された道をいまだに杖をついて必死に歩き続けているのが風塵社だよ」という例えがトロさんから飛び出し、思わず吹き出す。まさにこれから『うたうぬりえ帖』新シリーズを12ヵ月分刊行しようとしているわたしたちへの激励のコトバだ。
会社にもどってオヤジに打ち合わせの内容を報告すると、「うむ、大儀であった。ようやっと北尾先生も反省なされよったか。こいでわしらも大船に乗った気持ちで進められるでごわす」と上機嫌に言ったあと、ひたすらネットの囲碁ゲームに没頭していた。

画像は、トロさん直筆の反省文。迫力があります。


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