風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

三崎行その1

2013年11月04日 | 出版
某日、日曜日。三連休の中日である。とくに思うところもなく、相州・三崎へ妻と行くことにした。どこか知らないところに行く時、面倒なので事前の下調べなどほとんどしたことがない。その面倒だということが最大の理由になると思うが、ネットだ雑誌だなどで事前に行く先の情報を仕入れても、そんなに面白くもないのだ。
特に、女・子ども向けの雑誌には必ず甘味どころが掲載されている。いまだ成長中の妻がそんなものを見れば、当然、甘いものを食べたいと言い出すに決まっているのであるが、さほど甘いものが好きでもない小生には迷惑な話でしかない。ほとんど事前情報なしで現地にたどり着き、そこで道に迷ったり、思いもかけないものを発見することが楽しいのだと、小生は信じきっている。
とはいえど、京急で久里浜まで行ったことはあるけれど、その先に行ったことはない。それも、ずいぶんと昔の話だ。しかも、三崎港と言っても、マグロが有名くらいの知識しかない。そもそも自宅からどのくらいの時間がかかるのかいなとネットを見れば、行こうと思っていた日が、ちょうど、港祭りにあたることを知る。しかも、「みさきまぐろきっぷ」なるお得な切符も発売されていることを知る。こうなると、前言撤回である。どこに行くにしても、最低限の下調べくらいはしておかないと損してしまう。
9:30、最寄りの地下鉄駅から副都心線に乗って横浜へ。副都心線でそのまま東急東横線に入るのは、これが初めてである。渋谷からどうなるのかなあと興味津々に窓外を見ていると、別にどうなるわけでもない。お馴染みの地下鉄の光景が続くだけである。当たり前といえば当たり前すぎて、アホらしくなってしまった。
10:20、横浜着。横浜がおそろしく近くなったものだ。しかも460円。副都心線も湘南ライナーも走っていない以前は、池袋からどうやって横浜まで行ったのだろうか。山手線で東京駅に出て、そこから東海道線に乗り換えたことだろう。それに比べたら、ずいぶんと便利になったものである。横浜駅の京急の切符売り場へ行き、駅員さんに「みさきまぐろきっぷ」の購入の仕方を教わる。パネルの「お得切符」というところをタッチすれば表示されるそうだ。そこで妻に切符を購入していただき、京急に乗り込む。
久しぶりに京急に乗ったけれど、三浦半島に向かうにつれ、地形が複雑になっていく。軍港横須賀まで線路を引く苦労をなんかの本で読んだけれど、内容はすっかり忘れてしまった。妻にそんな話をしたら、「ミニリアス式海岸だねえ」などと知ったようなことを平然としゃべる。ホンマかいな。
11:00過ぎ、終点の三崎口駅に到着。1時間半強で旧長崎村から三浦半島の突端にまで行き着いちゃうのだから、21世紀恐るべしだ。とりあえず、そこでトイレへ。オシッコが終わってから、満員のバスに無理やり乗り込む。このバス代も「まぐろきっぷ」に含まれている。
しかし、ここからが地獄であった。三崎港へと向かう道路は渋滞しており、おそらく通常ならば20分ほどの距離を1時間ほどかけて到着。満員のバスから外を見れば、お手手つないだカップルがチンタラ歩いている。こいつらの歩行速度とバスの動きがほとんど同じなのだから、時速3キロほどだったのだろうか。
ようやく三崎港に着いてみるが、どこに何があるのかなんて知るわけもない。他の観光客の向かう方向に我々も進んで見ることにする。まず入ってみたのが、市民ホールのようなところ。1Fにズラッとお店が並んでいるが、とても「おまつり」という雰囲気ではない。2Fに上がってみると、テラスではちょうど今からウクレレのミニライブを始めようというところだ。しかし小生は、ハワイアンを聴きにわざわざ三崎までやってきたのではない。
その後ろを突っ切ってあたりを見渡していると、目の前に卸売市場の大きな建物があり、そこに人の流れが続いている。そっちが会場なのだとようやく理解し、妻に「あっちに行ってみよう」と伝えたら、「今から演奏をしようというところに、あんただけ落ち着きなくあたりを見てばかりで、主催者に失礼じゃないの!」と怒り始める。「じゃあ、おまえはここで暢気にウクレレを聴くつもりなのか?」と言おうと思ったが、三浦半島に来てまで夫婦喧嘩を始めるのも大人気ない。おとなしく、ハイ、ハイと聞き流しておく。
こうして、ようやく港祭りの会場へ。多くの人で賑わっている。市場の奥には巨大な冷凍マグロが鎮座ましまして、体重当てコンテストが開かれている。1位にはマグロを進呈と出ているが、本当にマグロが当たってしまったら、かえって困ってしまうだろう。もちろん、主催者の側でさばいてくれるにはしても、あの大きな魚を全部食べるのは一苦労しそうだ。妻にどのくらい重さがあると思うかとたずねられるが、皆目見当もつかない。「500キロと言われればそうだと思うし、300キロと言われたらそんなもんなんだろうなあと思う」と答えておく。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿