風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

新刊刊行間近

2013年04月10日 | 出版
先日はあちこちで入学式があったようだ。もちろん、小生にはなんの関係もない話であり、関心もないのだけれど、せっかく学校に入ったのだから(進んだのだから)、充実した日を一日でも多くすごしてもらいたいものだと新入生には期待しておこう。そこで、とある大学の脇を通ったら、校門に日の丸なんか出していやがる。ウワッ気持ち悪いと思ったら、それも入学式だから掲揚しているようだ。その大学の新入生には、おそらく不幸が襲いかかることだろう。
現在、タイトなスケジュールの中でかなり厳しい制作進行を複数続けているところであるが、ようやく弊社の久しぶりの新刊が刊行できそうだ。しかし、今月末から連休などというふざけたものがあり、どうしても制作が遅くなってしまう。ところで、「昭和の日」ってなんなんだろうね。昭和時代における大敗北と他国への迷惑を、国民総出で反省でもする日なのだろうか。くだらない旗日は廃止し、日帝本国人の労働強化を促進し、GNPの向上を目指したほうがお国のためだろ。
とはいえ、しょせん小生は非国民。西片に行っては怒られ、大手町に行っては怒られ、京橋に行っては怒られしていると、さすがにいやになってくる。その西片に行かなければならないというある日、旧友のN氏が電話をかけてくる。「今から東京に行くので昼飯でも食べない?」「ああ、いいよ」ということでお茶の水のリンガーハットに二人で入る。
「こっちはまったくの門外漢で全然知らないんだけれど、Oさんって刑事訴訟法で有名なの?」とN氏にたずねてみる。
「ああ、超有名なんじゃないかな。O先生がどうしたの?」「いや、この前ある弁護士さんに話をうかがったら、その方はTH大の出身でそのOさんのお弟子さんなんだよね。ところが、こっちはその世界を全然知らないから、なんだか申し訳ないなあと思って」「それはしょうがないじゃん」
そのOさんという学校の先生は検察批判の急先鋒のようなかただったらしい。それで思い出したけれど、高校の時同級生にKというのがいた。小生も彼も一浪していて、ようやく学校に受かったことが決まったある日、ばったりKと出くわした。当然、お前どこ行くの?という話にお互いなる。
KはTH大の法学部に受かったと言う。「ああ、よかったねえ。法学部に行ってどうするの?」と重ねて聞いたら、「検察官になりたい」とのたまった。その答えに、一瞬、エッ!と感じたが、彼の親父が警察官だったことを思い出した。小生とちがって彼はおとなしいタイプだったけれど、そういう正義心を内心に秘めていたんだと思った。
ところがしかし、進んだ先の学校が検察批判では、彼もあてがはずれたと思ったことだろう。それ以来会ったことがないけれど、彼は彼なりに不本意な学生生活を送ったのかなあと、ついつい想像してしまう。行った先の思想傾向なんて高校生が知るわけないんだから、それはしょうがない。しかし、当時はバブルだったから、Kも普通にやっていれば、そこそこの企業に就職もできたし、公務員にもなれたことだろう。まさかC核派に入ったなんてことはあるまい(それはそれで面白いけれど)。
小生は反秩序派なので、法学部という選択肢は最初からなかったけれど、ここのところA法律事務所にお世話になりっぱなしだ。それはそもそもN氏が悪いのである。そこで、A法律事務所の本をまた作ることになった。題して『エンディングノート あなたへ』。最初、手作り感を前面に出したいというのがA法律事務所の意向であったが、「それは本書の性格に合わないでしょう」と意見し、あきやまみみこ大先生にデザインをお願いすることにする。
そうしたら、みみはんの仕事が早い早い。よっぽどほかに仕事がないのじゃないかと疑念を抱くくらいに早い。こちとら、他の仕事の兼ね合いもあるので、一つだけ突出して進行してしまうと、それについていくのが精一杯なのだ。そこで、いろいろとご意見をたまわり、苦労して作ったオビのコピーが以下。
「楽しみながら書き入れるだけで/スラスラ完成する遺言作成ノート/“いざ”という時、大切なかたに伝える一冊を/弁護士が監修」
裏面は、A法律事務所Tさんが考えたものをちょこちょこいじってみた。
「悲しみのなみだを/感動のなみだに変える、「あなた」へのプレゼント」
ウーム、オビ文を見ているだけで、またベストセラーの予感がしてきてしまった。
5月下旬刊行、本体価格1600円

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