風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

また対話篇(続続)

2013年09月14日 | 出版
「韓国の人は好きだなあ。彼らはわかりやすいもん」
「それにすぐムキになったり、熱くなるんだよね」
「そう、そう」
「この前さあ、国連のパン・ギムンが日本の歴史認識について発言していたじゃん。よくあんなこと言うなあと思ったよ」
「歴史認識うんぬんは正しいけれど、国連の事務総長でしょ。あくまでもすべての国にイーブンな立場を取らないとまずいとは思うね」
「そうだよ」
「だからさあ、パン・ギムンは日本にも正しく突っ込むように、イラクに大量破壊兵器がなかったことをアメリカに突っ込まないといけないし、そもそも韓国のパクおばちゃんのオヤジのチョンヒは元日本軍中尉だって言ってやらなきゃ、イーブン性を保てないでしょ」
「えっ、そうなの」
「そうそう。中尉だったか大尉だったか忘れちゃったけど、日本の陸軍士官学校を出ているわけ。でも、だから韓国人は付き合いやすいでしょ。あんまり、表裏がないし」
「そうだねえ」
「中国人って、やっぱりソフィスティケートされているからさあ、本音がどこにあるのかよく見えないところがあるじゃん」
「それはあるかもしれない」
「でも、韓国人と日本人って文化に共通性があるのかなあ、単純だし、酔っ払って話していることが本音なんだろうなあって安心して思えるじゃん」
「そうだね」
「昔、なにかの本で読んだ話なんだけど、日本人がアメちゃんとビジネスの交渉をしているとき、その場では相互に厳しいことを言うじゃない」
「うん」
「ところがさあ、そこで結論が出なくて、とにかく親交を深めましょうよと席を替えて飲みにいくと、日本人は酔っ払って、会社の内情から上司の悪口からなんでもしゃべり始めちゃって、アメちゃんはシメシメと思っていたんだって」
「そりゃそうだよね」
「日本人はこちらが腹を割れば相手も腹を割ってくれると思い込んでいる文化だけど、それは韓国人までには通用しても、他の文化だとこちらがやられちゃうだけなんじゃないの。だから韓国の人とは安心して付き合えるような感じはするね」
「そうかもしれないけれど、あの熱さは息苦しいよ」
「それは人にもよるんじゃないの」
「最近さあ、南米にはまってるんだよ。ところで腹巻君は何飲むの?」
「わし、ジャック・ダニエルのシングル」
「なんでバーボンなんか飲むわけ」
「いや、キース・リチャーズが愛飲しているっていうからさあ。N君はどうする?」
「今、テキーラが好きなんだよ」
と、そこでN氏はオーダーを取りにきたお店のおねーちゃんに質問を始める。
「青臭い風味のがあってそれがほしいんだけど、わかる?」
「いやあ、どれなんでしょう」
「その名前を忘れちゃったんだけど、飲むと青臭い感じがするので、これはどういう感じがするの?」
と、おねーちゃんにしつこくたずねている。おねーちゃんもバイトなんだろうし、どうせわからないだろうと小生が見かねて、「まあ、いいじゃん。適当に選ぼうよ」と言うけれど、昔からこの男は意外にガンコな奴なのである。ようやく「じゃあ、これ」と、なんか適当に選んだけど、N氏も酔っ払ってきたようだ。
「こういう味覚とかね、エロスとかをね、言葉としてしっかり表現しなくちゃいけないんだよ」
「ええ、そんなの面倒じゃん」
「腹巻君は何を言っているんだ。言葉を扱う商売をしているわけでしょ。そういう人が言葉をぞんざいに扱っちゃダメだろ」
「まあ、わかったよ」
N氏とは学生時代からの付き合いだから、話していると、どうしても学生っぽくなってしまうのはしょうがないだろう。
「そういえば、腹巻君は中国はくわしいの?」
「別にくわしくなんかないけど、そもそもあそこのアホ大学に行った一つの理由は東洋史学科に入るつもりだったんだよ」
「そうなの。それでなんでそっちに行かなかったの?」
「いやあ、教養課程のときに東洋史の講義を聞いたら、あまりにつまんなくてがっかりして、その気持ちがなくなっちゃっただけ。だから、第二外国語も中国語だったんだけど、途中で中国語を学習する意味が自分になくなっちゃったから、やる気もなくて初級も落としちゃった」
「中国史ってそんなに面白いの?」
「ウーン。とにかく規模が大きいからねえ」
「それだけに、戦乱とか飢饉とかも激しいし、人々は大変だったんじゃないかなあ」
「どうなんだろうねえ。その時代時代で全然ちがうし、政治的動乱と民衆の生活がどの程度連動していたのかはよくわからないし。黒色火薬ってあるじゃない」
「中国で発明されたんだっけ」
「そう。その材料の木炭はわかるよね」
「うん」
「でも、細かく砕いた木炭に火をつけても派手に燃えるだけで爆発にはならなくて、そこに硝石というのが必要なんだよ」
「何それ?」
「硝酸カリウムになるのかな。だから、化学式はKClじゃない、なんだろう。ともかくさあ、中国ではそれをアンモニアの尿酸が発酵したものから抽出していたんだよ。つまり、ションベンする穴の周りの土を掘り出して、それを黒色火薬の原料にしていたわけ。どうして、そんなこと気がついたんだろうって不思議に思わない?」
「なにか偶然があったわけ?」
「それは知らない。そのくらい人々が必死にならなければならない必然性があったのか、民衆がいろんなことに目配りできる余裕があったのか、それもわからないんだけど、中国ってすごいなあと思ったんだよね。ずっとはまっている囲碁も中国製だしね」
「そうだよね」

最新の画像もっと見る

コメントを投稿