風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

鰻を食べに

2013年03月11日 | 出版
ある日の朝、会社に向かうため池袋の中をジョギングで抜けていく。山の手線をまたごうと池袋大橋に差し掛かったら、なんだかいつもと雰囲気がちがっている。工事でも始まるのかなと思いながら進むと、何かの撮影のようだ。たまたま通りがかった別の人が、スタッフと思しき男性に質問している。「ドラマの撮影があるんですか?」「いや、映画なんです」「有名なタレントさんとか来てますか?」「いやあ、モニャモニャ」。
フーン映画なんだと横で聞き流し、通行禁止になっているわけでもなさそうなので、たむろしている一団の脇をぬけて橋を歩いていくことにする。すると反対側から、カメラやらマイクやらレフ板やらの集団がこちらに動いてきた。小生がそちらに進んでいくことを止める人もいないし、他にも通行人はいるようだ。邪魔にはならないのだろうと考えて、小生もその一団とすれちがうことにする。
すれちがいざまどんな人が出演しているのかなと見たけれど、小生の知らない女優さんが物憂げな表情で歩いていただけで、それほど面白いものでもなかった。そういうわけで、小生の後姿もそのうち映画に登場するのかもしれない。黒のジャージに黒のTシャツで、黄色いジョギングバッグをしょっている中年男が映ったら、それが小生だ。困ったなあ、映画デビューしちゃうのかしら。冗談はともかく、その映画がヒットすることを祈願しておこう。
会社にたどりついて、汗をふきふきしてから仕事を始めることになる。いつの間にやら、走っていると汗ばむような季節になってしまった。西日本にはPM2.5が押し寄せているし、花粉アレルギーは段々ひどくなってくるし、春はいろいろと大変な季節だ。小生の花粉症はすっかり治ったものと過信していたのに、季節本番を迎えたら、やっぱりムズムズが始まってしまった。
あ~ぁ、今月もまったく金がねえなあと、夕方ふて腐れながら酒を飲む。困ったなあ、どうしようかなあと考えつつ酒を飲んでいたら、1杯が2杯、2杯が3杯と、こちらの意思とは関係なく、酒だけはなくなっていく。どうして、こういう非科学的な現象が起きるのだろうか。不思議だ。人間、酒を飲むと体温が下がる。体温が下がると鼻水も出やすくなるし、アレルギーもひどくなる。帰りの地下鉄で鼻水が止まらなくなってしまった。
4月になって花見をしていると、夕方になって気温が下がってきたことにこういう現象がよく起きた。いい気になって外で酒なんか罰だと言われたらそれまでであるが、人間、どうしようもないことは多々あるものだ。あきらめることにしよう。
そこでとある日曜日。朝からモワッとした暑さである。天気予報では、最高気温は20度を越えると言っている。そのうえ風も強い。寝起きから小生の花粉症は大爆発だ。鼻水、くしゃみは止まらないし、目はかゆい。なんだよ、これじゃ例年と変わらないじゃないか。ヨーグルト効果はどうしたんじゃいと乳製品メーカーをドツキたくなるが、まあそんなものなのだろう。
妻にアレルギーの薬を持っているかとたずねたら、ちょうど切らしたところだと言う。クソッ、使えねえの。割と早く朝食を終わらせたので、会社にでも行って仕事しようかと一瞬考えたけれど、どうせ午後から原発反対のデモに行くつもりだったので、仕事に集中できるわけもないなと考えを改めることにする。
そうすると妻が、どうもカゼっぽいと、またまた小生の理解を超えた単語を持ち出してきた。体調が悪いのならば寝ていればいいのに、しばらくすると腹が減ってきたと言い始める。こいつは何を言いたいのだろうかと考えてみるが、しょせん、理解不能なのだろう。あきらめることにする。
新聞を読み終わり家の中の片づけの真似事を終わらせ、妻に昼飯はどうするの?と聞いたら、カロリーの高いものを食べたいというご希望だ。じゃあ、どうするのと再度聞けば、池袋で何か食べたいと言う。「何かってどんなの?」「ウーン、鰻とかかな」「しかし、池袋で鰻屋に入ったらソープ嬢のオネーチャンや、指が二本くらいない人と一緒になって、おまえビビッとったやろ」「そうなんだけど、そういう人のいないところってないかなあ」「じゃあ、デパートに入ってないか見てみる?」「じゃあ、そうしよう」ということで、東武デパートに入っていた鰻屋さんに行ってみることにする。どうせ、妻の稼ぎで鰻を食わせてもらうのだから、小生は気楽な立場だ。途中、ドラッグストアで鼻炎の薬を妻が買うので、小生もそれを飲む。今シーズン初めて鼻炎薬を飲んだことになる。
東武デパートで鰻屋さんを発見したけれど、目の錯覚じゃないかしらというようなお値段だったので、そのお店はやめることにした。結局、中華屋さんで昼飯を終え、そのまま妻と別れて会社に向かうことにする。といって、仕事をするわけではない。財布の中には300円しか入っておらず、会社の引き出しに2000円くらい置いてあったのを思い出したのだ。デモに行ってお金がかかるわけではないけれど、さすがに300円じゃ心許ないというものだ。本郷三丁目駅にはガキどもがあふれている。おそらく、東大の合格発表でもあったのだろう。

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