風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

同志に告ぐ

2013年04月15日 | 出版
金曜日夜、三崎町Kさんのところへ行く。事務的な件と「そろそろ本を書きましょう」と言うのが目的のではあるが、ただ単に酒を飲みに行っただけという話もある。
そこでKさん曰く、「また壱岐の麦焼酎をもらっちゃっんだけど、ぼくはこれ飲めなくて、腹巻さん飲みます?」。「じゃあ、なんだったら、持って帰りますよ」と言いつつ、出された日本酒を飲み始める。これがまた、四合瓶が二本も三本もあるんだな。
うだうだ飲んで酔っ払ってしまい、焼酎を持ち帰ることなんてすっかり忘れてしまった。またそのうちお邪魔して飲むことにしよう。Kさんもこの四月に少しいいことがあったらしい。しかし、「そうは言っても、ぼくたちはスタートが遅いから、生涯賃金という面では普通のサラリーマンとそんなに変わらないですよ」
まあ、そうなんだろう。それでも慶事は慶事なので、「おめでとうございます」と言って酒を飲んだように思うけれど、しかし、本当に言ったのかなあ。書きながら、段々不安になってきた。小生は、酔っ払い始めるとなんだかよく分からなくなる人間なので、しょうがない。
その翌日、当然酒が残っていて、朝早くからは起きられない。9:00ころ起床し、「ひつじのショーン」を観て、ちんたら出社する。まずは512Pくらいになりそうな本をやっつけないといけない。第2章が300Pくらいになりそうで、その校正だけでもつらく、涙があふれそうになった。
しかも、元データをOCRで取り込んでいるので、思いもかけない誤植がどうしても出てしまう。しかし、昔に比べれば読み込みの精度がかなり上がっていてびっくりしてしまう。それでも、「剛士」(人名)という字が「剛土」になっていたりするから、気が抜けない。
そのつらい校正がようやく終わったので、そのゲラを直し、わずかばかりの画像もハメハメし、ついでに小見出しも入れておいてやる。作業が終わればすでに17:00。関係各位に作業の終わった部分を送信しておく。
腹が減ったので、お茶の水に晩飯を食べにいく。もどったら、同志Nから、「腹巻クン、お疲れちゃんちゃんこ」なるふざけた返信が届いていた。そのうち、同志Nには厳しい自己総括を求めることにしよう。真冬の榛名山で真っ裸で薪の上に正座でもしてもらおうか。
しかし、仕事はそれで終わらない。ある本の組版も続けて終わらせないといけないのだ。しばし仮眠してから、作業開始。22:00、80%くらいできたかなあというところで疲れた。帰ることにする。
最近、弊社が事務所をおいている建物の2Fにどこかの会社が入った。弊社が入居する前から空き家だったから、大家さんにしてみれば喜ばしいことだろう。ところがその会社も、夜は遅いし、土日も出勤しているようだ。その日、小生が帰ろうとした時も、まだ働いていたので、きっと働き者ばかりが集まっている会社なのだろう。
翌日の日曜日、9:00くらいに出社。あまりに忙しいとジョギング出社しようなんて気力がわかない。とにかく、前日の続きを終わらせ校正作業に入る。途中、集中が切れて眠くなるとしばし寝ることにする。可愛い女性(仮にRさんとでもしておこうか)と明るい草原で大人の楽しみでもしようかという夢を見ていると(ウソです)、電話が鳴る。日曜なのにウッセーなあと思いつつ電話に出ると、高名(一部で)な映画監督のAさんである。ドスの利いた声でしゃべり始める。
「おい、腹巻。原稿の締切、明日までって言ってたよな」
「そうですよ」
「しかもお前は、何かエピソード的なことを書けって言っただろ」
「はい、そうです」
「エピソード的っていうのはだなあ、保安の問題があるからこっちもいろいろ考えなければいけないのはお前もわかっているだろ」
「ええ、それはわかりますよ」
「それでなあ、いつまで待てるんだ」
「だから、明日までですよ」
「だから、保安上の問題があるんだから、もう少し考えろよ」
「ああ、いいっすよ。火曜日の朝まで待ちますよ」
「わかった。じゃあ、それで送るからいいな」
「はい。お待ちしてます」
何が保安だ、同志A。要するにもう一日待ってくれということだろ、コラッ!ところが、かくいう小生も、他の仕事もあるから、同志Aが少しくらい遅れてもそんなに足を引っ張っているわけでもないのだ。しかし、それを同志Aに伝えたら、原稿の到着がいつになるのかわからないのでやめておく。
せっかく楽しい夢を見てたのに、まあ、いいやと起き出し、校正作業に入ることにしよう。その前にメールでもチェックしようかとパソコンを見れば、同志Yからメールが届いている。「遅くなりました。さえない文章ですが、時間切れですね。添付します。よろしく」げな。ウン?なんやそりゃと添付されているWORDファイルを開けてバババッと斜め読み。おいおい、尻切れトンボでオチもなにもないぞ。即座に同志Yに電話を入れる。
「ああ、腹巻ですけど、まだ待ちますから、続きお願いしますよ」
「エー、どのくらい書けばいいの」
「今の倍くらい」
「そんなに書けないわよ」
「何言ってんすか。エピソードなんて腐るほどあるでしょ」
「そりゃそうだけど、書けないわよ」
「こっちは火曜の朝までならOKだから、とにかく書いて」
「しょうがないわねえ」
「はい、よろしく」
同志たちは、どうしてこんなにわがままなのか。

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