風塵社的業務日誌

日本で下から258番目に大きな出版社の日常業務案内(風塵社非公認ブログ)

日本が負けた日に

2014年06月26日 | 出版
最近おもしろくもないことばかりが続き、仕事もうまく捗ってくれない。2週間前には終っているはずの作業がまだ終わらず、ただただ息苦しい。このあとの予定も入っているので、この2週間分の遅れをどこかで取り戻さないとしょうがない。そこまではわかりきっているのだけれど、その前提となる作業を早く、高い質で終えないとしょうがないのだ。まいったなあ。
5月までべらぼうに忙しく、緊張も続いていたから、6月は少しダウナーに陥るのかなあと予測していたところ、予測とは別の形のダウナー状態である。難工事にぶつかり、少しキーボードを叩いてはため息をついてソファに寝転がる。再びキーボードを叩いては、ネットで囲碁をやって負け、またまたソファに寝転がる。ずっと、その繰り返しなのだ。
これじゃあ作業が進むわけもないのであるけれど、しかし、キーボードを叩いていれば仕事になるわけでもない。とにかく、考えないことにはどうしようもない。そこが一番難しいわけで、考えても、考えてもなかなかいい形にはなってくれないのである。そこでいやになって、ソファに寝転がることになるのだ。
その息苦しい合間の某日、日本―コロンビア戦がある。朝の5:00からである。やはり、その時間には起きられず、後半から見始めた。日本の選手も一生懸命にやっているのはわかるけれど、すべての動きが無駄に見えてしまう。やはり世界の壁は高いということなのだ。
そういえば、最近の小学校ではガキども同士の身体接触を禁止しているとKNさんから聞いたことがあった。なんでも、文京区の小学校でKNさんのお子さんがふざけて友だちを押したら、お父さんが学校まで呼びつけられたということである。「なんやそりゃ」と酒を飲みながら話を聞きつつ思ったものである。
サッカーなんて身体接触の連続のようなゲームであるのだから、ガキのうちから他者と体をぶつけ合うことで体の使い方を覚えるしか強くなる方法はないだろう。その昔ジーコも嘆いていたけれど、日本人は体が弱くなっている。そもそも体がさほど大きくないうえ、中南米のようなはしっこさも身に付けられないとすれば、サッカーが強くなるわけがない。
その日本―コロンビア戦の前日、某氏と電話で話す。「日本が早く負ければいいのに」と某氏は言う。「どうして?」とたずねたら、「はしゃいでいる日本人にムカつく」げな。いいね。そのとおり。小生の周りは、小生も含めてヒネた連中ばっかりなのだけれど、それはそれで正しい姿勢だろう。
弊社はサッカーミュージアムの近くにあるものだから、弊社の面している通りはサッカー通りと名付けられている。そのネーミングはいささかうっとうしいのではあるけれど、会社の場所を説明するには便利だという面は否定できない。そこで、そのサッカーミュージアムにはザッケローニと日本代表の写真を入れた大きな幕が掲げられている。日本が敗退した現在、その垂れ幕を見上げていると、白々しさしか漂ってこない。煽り文句というものがいかに薄っぺらなものなのかがよくわかる。おかげでこちらは勉強になったので、日本代表には感謝しておこう。
そういえば、以前、旧友のN氏と酒を飲んでいて、「今度のワールドカップは日本どうなると思う?」とたずねられ、「別に上がってほしいという意味じゃないけれど、一次リーグくらいは勝ちあがれるんじゃないの」と答えたことがあった。「エッー、腹巻君は本当にそう思うの?」「うん。だって、コロンビアには勝てるわけないけれど、コートジボワールとギリシャなら勝機はありそうじゃん」「そうかなあ。ぼくは無理だと思うなあ」ということで、ここはN氏の見方のほうが正しかったと、素直に認めるしかないだろう。
ダウナー状態から抜け出るには、体を動かして汗をかくしかないと、小生は勝手に思っている。そこで、コロンビア戦のあともジョギングで会社に向かうことにする。途中、池袋で凄惨な交通事故があった現場でも見ようかと思ったけれど、小生のランニングルートから外れてしまうのでやめることにした。池袋の飲み屋街を走っていると、黄色いユニフォームを着たコロンビア人がはしゃいでいる。10人ほどのグループに2回遭遇した。
コロンビアの人には申し訳ないけれど、池袋だけでもこんなにコロンビアの人がいたんだというのが正直な実感である。もちろん、池袋界隈にたくさん住んでいるのではなく、広く散在して暮らしている人たちが、サッカーの応援ということで池袋のどこかに集まったのであろうと想像するのであるけれど、それでも、明るく賑やかにコロンビア人であることを高らかに宣言している姿を見ていると、ああ、こんなにコロンビア人が日本にいたんだと思ってしまった。
サッカーのレベルならば、日本なんてコロンビアに及びもつかない。しかし、在日コロンビア人にしてみれば、日本での生活なんて息苦しいだけだろう。お金を稼ぐために抑圧された日々を送っていることじゃないかと想像する。それが敵国日本ではしゃげる日が来たのであるから、翌朝まで酒を飲んで騒いでも許されるだろう。

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