三月の歌舞伎座 第三部は 玉三郎三昧です。
平家滅亡の後の 末裔狩りで 平重衡との子、壽王丸の命を奪われた新中納言の局は 尼となり亡き子を弔って居ます。 傍らにその髑髏を置いていることから 髑髏尼と呼ばれるようになる。
この寺の鐘守は 死んだ母親に 自分の顔は見てはいけないと言われたほどの醜い男だった。生まれて初めて 水盤に自分の顔を映して己の醜さに絶望するが 意を決して髑髏尼に恋心を打ち明ける。
髑髏尼に拒絶され あやまって殺してしまい 自身も死ぬ。
素顔が全く分からない鐘守は せりふも聴きやすくいったい誰が演じているのかと思ったら 何と三田寛子(敢えて芝翫とは言わない)の次男の福之助さんでした。60年前は勘三郎さんが演じられたそう。25才の福之助さんは大健闘です。 醜男の顔をはっきり創りだせば 生涯の当たり役となりそうです。
もう一つの演目は 『廓文章 吉田屋』
勘当され紙衣(かみこ 紙の着物)姿で 一年ぶりに恋仲だった遊女に逢いに来た若旦那。 なかなか現れない花魁に拗ねる若旦那。一年も会えなかったので恋煩いをしたと告げる花魁との 丁々発止の恋の駆け引きが延々と綴られます。
小さな炬燵が有効的に使われています。
最後は勘当が解け 花魁の身請け金をもった番頭が現れめでたしめでたし。
二人の仲を元に戻そうとする太鼓持ちの役で 三田寛子の三男、歌之助が登場。好演です。
尚、長男の橋之助は IHI劇場の ファイナルファンタジーにワッカ役で出演中。 若者に大うけだそうです。楽しいだろうなあ三田寛子さん。
3月24日観 by 風呼