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ピカソ・マニマニア

ピカソの91年を 詩にしました。
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遅れてきた 青春

2021-04-03 12:47:32 | 詩作

 

80才の ちかこさん

 

油絵を 描き始めて

20年

 

ジャズヴォーカルに

挑戦して 10年

 

ちょっとした手術も

経験したけれど

 

細っそりした

小柄な体躯に似合わず

エネルギッシュです

 

最近は ちょっと年下の

読書友達もでき

彼女に読んでもらうべく

エッセー風の 感想文にも挑戦

 

これが なかなか

身に合っていて

 

絵もまずは言葉からと

脳みそが フル回転

 

隠居生活のような

この一年を 有効に

希望に満ちて過ごしました

 

頑張って生きてきた

若いころに無かった経験

 

遅れてきたけど

遅すぎない

青春真っ只中です

 

 

 

     by   風呼       

 

 

 

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お先にどうぞ

2021-03-07 18:36:10 | 詩作

 

六人兄妹

五番目三女

二才違いの弟は 病弱

 

4才の頃

飼い犬が 六匹子供を産んだ

 

兄妹で一匹ずつ

抱いた

 

弟が一番で

後は強いもの順

 

私が抱いたのは 最後

目の上に 白い眉がある

売れ残り

 

てのひらで小さく鳴いた

可愛かった

 

 

お先にどうぞ

 

この世の中

強いものが勝ち

 

お先にどうぞ

 

優しさからではなく

自分を守るため

 

お先にどうぞ

 

最後に幸せになればいい

 

幸せになる

絶対

 

 

      by   風呼      

 

 

 

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帰らない月

2021-01-12 09:51:39 | 詩作

 

真夜中の

天空最頂点

 

スタイリッシュな

丸(えん)の反射

 

こぼれた陽光を全身で掬い取る

鏡だ

 

満月は

 

群青の闇に

冴えわたる

栄え

 

やがて

夜が白んでいき

 

再びの 賞賛を

 

月はまだ

ぼんやりと 空を透かして

西の山頂にいるのです

 

 

 

     by  風呼      

 

 

 

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漢字に近い ひらがな読み 

2020-12-27 12:24:22 | 詩作

 

町 は

 

まち と 読むのでしょうか

ちょう と 読むのでしょうか

 

来年 小学生のりゅうくんの

初めての年賀状は

宛先も ひらがな

 

お母さんは悩みます

 

まち の方が

漢字に近い読み方ね

 

まち と書きましましょう

 

 

 

    by   風呼       

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くまさんの ぐい吞み

2020-11-01 16:15:06 | 詩作

 

ちょっと大きめですが

掌に ぴったり収まります

 

釉薬を使ってないので

指に すべりません

 

 

毎日

晩酌の分だけ買っていく

 

くまさんが

拵えたのですから

 

 

 

    by   風呼       

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大江戸地下事情

2020-10-20 00:17:43 | 詩作

 2003年4月の作です。

 

   大江戸地下事情

 

横文字の大型テーマパークに押されて

都心の遊園地は大ピンチ

窮余の策が  温泉の併設で

掘った掘った、その深さ1600メートル

ついに掘り当て

この5月から営業するという

 

昭和14年に地下鉄銀座線が開通した時は

エスカレーターもなかったので

階段で降りていける程の深さだった

 

昭和37年から続々と

 営団地下鉄が7路線

 都営地下鉄が4路線

全246駅が入り込んで出来た

 (2002年12月現在)

 

同じ駅名でも新しい路線ほど深くなり

例えば六本木駅では

昭和39年開通の日比谷線の駅より

一番新しい平成12年の大江戸線の方が

二倍以上深い

 

大江戸線はどの駅も深い

ホームにたどり着くまで

延々エスカレーターに乗る

 

それに伴った地下道も縦横高低で

一駅つながっているのはしょっちゅうだ

 

ああもう大江戸の地下は

骨粗鬆状態 !

 

古より

大遷都は400年ごとに行われている

首都の寿命が400年だとしたら

そろそろお江戸もおしまいかしら

 

 

 

40メートル下までしか土地の所有権はないからって 住宅の下を許可なく掘られるなんて知らなかった。

せめて 川とか道の下にしてほしい。

 

 

   by   風呼     

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風呂かっぱ

2020-08-16 16:28:04 | 詩作

 

お風呂で 何だか

音がしたら

 

見に行った方がいいよ

 

チャポン !

 

ちょっとだけ蓋を

あけてみて

 

ちゃぽん !

 

こどものかっぱが

顔を出す

 

 

お風呂の電気を

つけてみて

 

はれ

 

お風呂の電気を

消してみて

 

くもり

 

ときどき シャワーの

雨も降る

 

 

保温シートが

ふとんだよ

 

かっぱ カッパ

風呂がっぱ

 

きゅうりが大好き

五さいだよ

 

 

 

      by   風呼       

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憧れのニューヨーク

2020-07-16 16:28:04 | 詩作

 

家出するなら

ニューヨークと決めていた

一ヶ月でいいから住んでみたかった

 

詩人 茨木のり子風に云えば

私の若かった頃

アメリカは遠かったので

せいぜいのパック旅行 しかも

ニューヨークは人気でいつも満席

もぐりこめなかった

 

 

家出をするならニューヨーク と

せっせと貯金した

ひと月位は滞在できる金額に達したが

あいにくと

現在のニューヨークはコロナ禍で

惨憺たるありさま

 

コロナ禍が休息しても

私のニューヨークは 後遺症に悩み

もう以前の輝きは失くしてしまっているのだろう

 

ああ 幻の ニューヨーク

 

 

私の目標は いつも準備万端になると

突然 閉ざされる

 

 

 

 

そういう運命なのよ

     by   風呼       

 

 

 

 

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透明人間  コロナウィルス狂騒譚

2020-06-13 13:32:46 | 詩作

 

二才の子供が

目をつむり

「ぼく いないよ」

 

サングラスをかけ

マスクで下あごまで覆い

キャップを深く被る

 

わたし

憧れの 透明人間

 

 

    by   風呼      

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隣の花壇

2020-06-11 13:08:27 | 詩作

 

すっかり枯れていました

隣の花壇

 

年初に腰を痛め

コルセット姿

一人暮らしの隣の奥さんは

80才代 頑張っています

 

「お花買いに行くけど   

 いる?」

 

「5,6 鉢お願いね」

 

 

これはこっち

いや そっちかな

 

二人でわいわい

こう並びました

 

 

翌朝 隣の玄関から

笑い声

 

隣の奥さん 立ち話

あら ほんのり薄化粧              

 

コルセットは

ちゃんと隠して

 

 

 

    by  風呼       

 

 

 

 

 

 

 

 

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青い蝶

2020-04-29 15:27:26 | 詩作

         ( 一枚の絵に )

 

   青い蝶

 

萎びた 

二本の 花

 

枯れかけた

一枚の葉っぱ

 

青い蝶は

思う

 

いま

この空間でなら

 

まだ 私は

翔ベるかも知れない

 

額縁から

飛び出せるかも知れない

 

 

” Funeral Fly ”

 

 

 

        by  風呼     

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ディーバのバラ

2020-03-02 00:01:35 | 詩作

     -- マリア・カラス に ーー

 

 

ディーバにふさわしい花なら バラ

大輪の 黄色いバラ

 

   

 

互いに 美しさを競い合い

 引き立てあう

 

 

ディーバが

本当の愛を知り

心からの笑顔が戻って

 

   

 

ピンクのバラが

お似合い

 

 

でも 本当は

ディーバが一番好きだったのは

 

   

 

真っ赤な バラ。

 

 

         by  風呼    

 

 

 

 

 

 

 

 

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優しい食卓

2019-12-31 01:51:48 | 詩作

 

ひとりの食事の時は

殆ど手抜き

 

三回は

同じものを食べる

 

餃子だったり

ロールキャベツだったり

ハンバーグだったり

 

一回目は

とても美味しい

 

だって

君の為に作るから

 

ひとりで食べる

2回目、3回目となると

美味しいんだか

美味しくないんだか

 

自分では

君の為に作る食事が

一番好き

 

美味しく食べてほしい

それだけを考えているから

 

君には

二日と同じものを出さない

 

もし同じ献立になってしまっても

ロールキャベツだったら

トマト味にするとか

 

ハンバーグだったら

ピーマンの肉詰めにするとか

 

君がいるから

美味しい食事になる

 

 

 

今年も一年、読んでくださってありがとうございます。

来年も どうぞ宜しくお願いします。

 

 

        by  風呼     

 

               

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老姉妹

2019-12-12 12:09:03 | 詩作

 

「あれ取ってくれる ?」

妹の言葉に

 

姉は

「はい ]

と それを差し出した

 

「そう、これ」

妹が取って欲しかったのは

それ だったんです

 

別々に暮らしていても

 

70年も

姉妹をしているとね

 

 

  

       by  風呼     

 

 

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小さな約束

2019-07-22 15:55:25 | 詩作

 

80才の彼女は

世が世なら

コンテッサ(伯爵夫人)

 

優雅な身のこなし

思いやりに溢れた言葉

 

正真正銘のレディで

私の憧れの ひと だった

 

その彼女が ある日

始めてという カラオケで

 

「私も一曲くらい

歌えるようになりたい 」

 

「いいですよ

何時でも お供しますよ」

 

 

約束を叶えぬまま

月日が経って

 

年賀状に

返信が来なくなり

 

風の便りに

体調が優れず

皆の前から 姿を消したと

 

何故 さっさと

お誘いしなかったか

 

私はずっと

悔いているのです。

 

 

 

      by  風呼       

 

 

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