2日は午前中に台北の原宿?西門町の探索からスタート。まだ若者が大挙して繰り出す前の閑散とした西門町をぶらぶらと歩きながら、そのまま台北駅方向に歩き、台北三越の裏にある光南大批發というCDショップへと向かう。この店は私が台湾に赴くと必ず大量にCDを買い込む店なのだが、同じ目的でかつてよく通った士林夜市の烏龍院(昨夜いったら店が廃墟のようになっていたのが悲しかったな)や西門町のタワーレコードが既にない現在、最後の頼りともいえるショップである。7年振りに行く同店だったが、雰囲気はほとんど変わらないものの、かつてずらりと並んでいた日本アーティストの海賊盤(ベスト盤の類)は跡形もなく一掃されていたのは驚いた。映画の海賊CDも同様である。前からそういう話しは聞いていたが、本当に全くない。日本の人気アーティストに一銭もギャランティの入らない海賊盤がところ狭しと並んでいるのにかつて苦々しく思ったかと思えば、全くなければないでちょっと寂しいと思うのだから、人間とは勝手なものである。
さて、午後は今回の台湾ツアーの個人的には目玉というか、ハイライトと勝手に決めていた基隆へと向かう。基隆は日本的でいったら小田原と横須賀が一緒になったような、比較的大きめの街なのだが、私はかつてここに一度だけ来たことがあり(確か最初に訪台した時だったと思う)、メインストリートにずらりと密集する屋台街の壮観ともいえる風景に圧倒されたことがあったのだが、以来、いつかこの屋台街が本格的に賑わう夜に訪れてみたいと思っていたのだった。それが今回、私のリクエストで実現したという訳だった。 基隆へ台北から電車で4,50分くらいにあるが、近代的でモダンな台北駅に対して、基隆駅はいかにも日本統治時代の古き良き駅舎の雰囲気を残していて(まぁ、台中駅ほどそのまんまという風情ではないのだが)、降り立つだけで懐かしい雰囲気になるし、駅を降りたらすぐに海があって潮の香りがするのも雰囲気がいい。駅を降りたら海があって潮の香りがするなら淡水はもっとロマンチックで観光地っぽい雰囲気もあるが、こちらは横須賀的なハードボイルドさがいいとでもいったらいいか。
ともあれ、すでに夕刻も近く海沿い歩道を歩いていく、見覚えのあるマックが見えてきた。記憶によればあの巨大な屋台街をその奥なはずだ。これまでのろのろ歩いてきた歩調がいきなり早くなった自分でもわかった(笑)。はたしてそこは昔みたとおりの巨大な屋台街だった。記憶によればもうすこし壮大な屋台街だったようが、きっと年月の流れが記憶をデフォルメしていたのだろう。それにしたって、やはりこれは凄い。とくに提灯がずらりと並ぶメインの飲食店街は私がきた時のままで、ここの名物だったはずの天ぷら(薩摩揚げ)やカレーライスも私の記憶通りの場所にあったのはうれしくなってしまった(ちなみに海賊盤CDはこの屋台街にもなかった....というかCDやDVDショップそのものが昔に比べるとない)。規模でいったら当然士林夜市の方が凄いだろうけれど、個人的にはこちらに方が正統派、というか昔ながら屋台街という気がしてしまう。ここをぶらぶらとど真ん中にある神社の前で夕食をぱくつきながら、今度はぜひここに一泊してこのあたりを思う存分に歩きたいと思ったほどだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます