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デヴィッド・ヘイゼルタイン・トリオ/ワルツ・フォー・デビー

2007年03月05日 00時28分51秒 | JAZZ-Piano Trio
 ヴィーナス・レーベルでビル・チャーラップと並ぶ看板ピアニスト、デビッド・ヘイゼルタインの同レーベル第1作。ヴィーナス・レーベルは海外のマイナー・ジャズ・レーベルの中堅アーティストをよく引っ張ってきますが、ヘイゼルタインもそうでシャープナインというレーベルで活躍しているところをつれてきたようです。もっとも、彼の場合、どうやらシャープナインだけではなく他のレーベルからも様々なフォーマットによる作品を出しているようで、非常に多作、しかも内容もかなりバラエティに富んでいるため、逆に個性が拡散してしまい、そのあたりで逆に損しているような気もします。

 このアルバムでは、ビル・エヴァンスが作った曲に焦点をあて、ヴィーナス・レーベルらしい、ハードパップ~モード期のジャズをモデルにした演奏スタイルをとっています(ベースはジョージ・ムラーツ、ドラムスがビリー・ドラモンドというあたりで大体音楽が見えてくる人も多いでしょうが-笑)。ヘイゼルタインもその意向を汲んでか、オーソドックスでスタンダードなスタイルを守りつつ、今時のジャズ・ピアニストらしいリズムのシャープさ、様々なスタイルを縦横に駆使する秀才らしさを発揮しているという感じです。また演奏時間も7分,8分にも及ぶ比較的長い曲も多く、そこではピル・エヴァンス・トリオ的なインタープレイもほどよく取り入れ(ただし、ビル・エヴァンス的な陰影のようなものはあまりないです)、よどみないインプロビゼーションを繰り出しているあたりは、なかなかのものです。

 曲としては、タイトル曲にもなっている「ワルツ・フォー・デビー」がまずは素晴らしい出来です。このエレガントなパラードを妙にあっけらかんと演奏しているところに違和感を覚える向きもあろうかとは思いますが、そのピアノの小気味よさ、トリオ全体がきっちりとまとまって進んでいく、ある種の爽快感のようなものは、ヘイゼルタインらしい魅力なんだろうと思います。また4曲目の「ショー・タイム・チューン」もほ同様な美点ある演奏。一方7曲目の「ファィンカレロ」では、モード風な演奏を展開して、この人の器用さを感じさせますし、8曲目の「ザ・トゥー・ロンリー・ピープル」のしっとりとしたムードもなかなかです。という訳で、実はこのアルバムけっこうな愛聴盤です。このアルバムの何曲かと、彼の参加したワン・フォー・オールの曲を併せた作った自家製コンピレーションは、ここ数年車やiPodの常連となってます。

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