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DEODATO / Deodato 2

2005年09月23日 23時23分17秒 | Jobim+Bossa
 「ツァラトゥストラはかく語りき」の大ヒットを受けて、間髪なくリリースされたデオダートの第2弾。なにしろ、あれに匹敵するアイデア賞モノなクラシックな素材などそうそうあるワケないのだが、この第2作ではムーディー・ブルースの「サテンの夜」やラベルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」といった素材を扱いつつ序盤~中盤は割と地味目に進行、オーラスでガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」で一気にハイライトに上りつめるという感じである。よくも悪しくも、この曲が登場するまで、リスナーは発散するのを待たされているというアルバムだったと思う。

 その分、「ラプソディー・イン・ブルー」の爽快感は格別だ。基本的にはかの曲の後半のモチーフを引用し、ファンキーなリズムにのって各種ソロを鏤めたデオダート節というか、CTI調なんだけど、やはり「ラプソディー・イン・ブルー」という素材のメインのところでなく、後半の印象的なモチーフをあえてメインにもってきた意外性はさすがであった。まぁ、今聴くとデオダートのエレピのソロは、手癖でだけで引き延ばしているようなところもあるし、繰り返しがちとしつこいような気もするが、今聴いた場合、けっこうそのあたりの「濃い」部分が新鮮かもしれない。思うにこの種のCTIサウンドってのは、80年代前半からの10年くらいが一番、古びて聴こえた時期だったように思う。90年代序盤くらいからは、フレーズ・サンプリング等を使用したヒップ・ホップ系音楽の素材源として注目されたのをきっかけに、不思議なくらい音楽的鮮度を甦らせてしまったのは、時代の妙と呼ぶべきか。

 あと、このアルバムで特筆すべきは「亡き王女のためのパヴァーヌ」だ。薄く流れるストリングスとエレピの絡みだけで全編が構成された正攻法でラベルの名曲の料理したものだけど、この曲の退廃感のようなものをブルース的な情感に翻訳した部分など秀逸、ロマンティックなムードと共に素晴らしい仕上がりだ。
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