ジョアン・ジルベルトとスタン・ゲッツの共演による名盤の続編である。今回は正編の翌年に行った64年にカーネギー・ホールでのライブという趣向だが、正確にいえば共演盤というのとは少々違っていて、旧A面にはスタン・ゲッツ・カルテット、同じくB面にはジョアン・ジルベルトのパフォーマンスが収められていた。おまけにこの両者はメンバー的にも一切だぶっていないため、同じステージには確かに立ったかもしれないけれど、共演とは決していえず、当時のファンはけっこう肩すかしを食ったのではないだろうか。ところが、CD時代になって、恒例の未発表トラックが追加となり、なんとその5曲は二人が共演しているだけでなく、アストラッド・ジルベルトまで参加しているトラックまで含まれて、ようやくタイトルの「ゲッツ/ジルベルト#2」というタイトルに相応しいた内容になったといういわくつきのアルバムでもある。
さて、内容をざっとみていこう前述の通り、前半の4曲はスタン・ゲッツ・カルテットによる演奏。同時期の「ゲッツ・オー・ゴー・ゴー」と同じくピアノの替わりにゲイリー・バートンのヴァイブを入れているのが特徴で、バートンのひんやりしたヴァイブの音色とモダンなフレージングがイメージを固めているようなところもある。音楽的にはボサノバとかラテンというよりは、ごくごくまっとうなジャズという感じで、64年のスタン・ゲッツとはいっても、どちらかといえばボサノバに染まる前のクール・ジャズの頃の音楽に近い感じがする。比較的ホットに盛り上がるのは「スタンズ・ブルース」くらいのもので、これも盛り上がっているのは、むしろゲイリー・バートンの方といってもいいくらいであり、ゲッツの方は意外にもおとなしい。ゲッツのパートを締めるのは「ヒアズ・ザット・レイニー・デイ」で、この曲は個人的にウェス・モンゴメリーがボサノバにアレンジして演奏しているのが印象深いので、同じヴァーブということもあり、ボサノバ風味でやるのかと思ったら、ジョー・ハントのブラッシュワークを決める渋いバラード風な演奏なのであった。
中盤はジョアン・ジルベルト・トリオ(ギター、ベース、パーカス)による演奏で、「ゲッツ/ジルベルト」にあったようなゲッツに尻を叩かれているようなところがない、いつもジルベルトらしい粋なくらい淡々とした例の音楽になっている。後半は「ビン・ボン」「メディテーション」「鵞鳥のサンバ」といったお馴染みの曲が登場するが、どれも素晴らしいパフォーマンスで(ギターのグルーブ感も最高だ)、こういうのを聴くと、私は無性に「夏が来たなぁ」とか思ったりしてしまう。
CDになって追加された5曲は前述のとおり、まさに「ゲッツ/ジルベルト#2」的な内容で、アストラッド・ジルベルトが「ゲッツ・オー・ゴー・ゴー」でも歌った「春の如く」からスタート、ジョアン・ジルベルトももちろんいいのだが、やはり彼女の声が出てくるとふっと空気がかわる。「オンリー・トラスト・ユア・ハート」、「コルコヴァード」と出て、いよいよ「イパネマの娘」も登場するという趣向だ(アストラッドのボーカルが少々走り気味なのはカーネギー・ホールで緊張しているせいか?)。ゲッツのサックスはそれほどあばれずに軽くバックで流しているくらいのバランスもいいし、ヒット曲連打なのも楽しめる。という訳で、まさにこの5曲があるからこそ、前半、中盤の断絶が生きるのだと思う。それにしても、どうしてこんな貴重なパフォーマンスを当時カットしたのだろう?。私は知る由もないが、やはりアナログ時代の構成は画龍点睛に欠くとしかいいようがないものだったと思う。
さて、内容をざっとみていこう前述の通り、前半の4曲はスタン・ゲッツ・カルテットによる演奏。同時期の「ゲッツ・オー・ゴー・ゴー」と同じくピアノの替わりにゲイリー・バートンのヴァイブを入れているのが特徴で、バートンのひんやりしたヴァイブの音色とモダンなフレージングがイメージを固めているようなところもある。音楽的にはボサノバとかラテンというよりは、ごくごくまっとうなジャズという感じで、64年のスタン・ゲッツとはいっても、どちらかといえばボサノバに染まる前のクール・ジャズの頃の音楽に近い感じがする。比較的ホットに盛り上がるのは「スタンズ・ブルース」くらいのもので、これも盛り上がっているのは、むしろゲイリー・バートンの方といってもいいくらいであり、ゲッツの方は意外にもおとなしい。ゲッツのパートを締めるのは「ヒアズ・ザット・レイニー・デイ」で、この曲は個人的にウェス・モンゴメリーがボサノバにアレンジして演奏しているのが印象深いので、同じヴァーブということもあり、ボサノバ風味でやるのかと思ったら、ジョー・ハントのブラッシュワークを決める渋いバラード風な演奏なのであった。
中盤はジョアン・ジルベルト・トリオ(ギター、ベース、パーカス)による演奏で、「ゲッツ/ジルベルト」にあったようなゲッツに尻を叩かれているようなところがない、いつもジルベルトらしい粋なくらい淡々とした例の音楽になっている。後半は「ビン・ボン」「メディテーション」「鵞鳥のサンバ」といったお馴染みの曲が登場するが、どれも素晴らしいパフォーマンスで(ギターのグルーブ感も最高だ)、こういうのを聴くと、私は無性に「夏が来たなぁ」とか思ったりしてしまう。
CDになって追加された5曲は前述のとおり、まさに「ゲッツ/ジルベルト#2」的な内容で、アストラッド・ジルベルトが「ゲッツ・オー・ゴー・ゴー」でも歌った「春の如く」からスタート、ジョアン・ジルベルトももちろんいいのだが、やはり彼女の声が出てくるとふっと空気がかわる。「オンリー・トラスト・ユア・ハート」、「コルコヴァード」と出て、いよいよ「イパネマの娘」も登場するという趣向だ(アストラッドのボーカルが少々走り気味なのはカーネギー・ホールで緊張しているせいか?)。ゲッツのサックスはそれほどあばれずに軽くバックで流しているくらいのバランスもいいし、ヒット曲連打なのも楽しめる。という訳で、まさにこの5曲があるからこそ、前半、中盤の断絶が生きるのだと思う。それにしても、どうしてこんな貴重なパフォーマンスを当時カットしたのだろう?。私は知る由もないが、やはりアナログ時代の構成は画龍点睛に欠くとしかいいようがないものだったと思う。
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