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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

私の愛機 [10] STAX SR-Σ Pro (EarSpeaker)

2006年01月26日 17時21分15秒 | PC+AUDIO
 私が使うヘッドフォンといえば、大抵は前に書いたLambda Nova Signatureとなる訳ですが、たまにクラシックを音場感を重視して楽しみたいなどと思った時に決まって登場するのが、このSR-Σです。昨年の3月にLambda Nova Signatureのことを書いた時に、SR-ΣPROを称して「伝説的な籠型のデザインで、音が前方から聴こえる!」なども書かせてもらいましたが、まさにその通りでして、前方から音が聴こえるという、ヘッドフォンとしては常識を超えるワン・アンド・オンリーな世界を実現したのがこれなんですね。

 ただし、小さな牛乳パックはあろうかという巨大なユニットは確かに異様です。両耳くつけている様をたまに鏡で見たりすると、レトロな宇宙人でも見ているようで情けない気分になったりしますが(笑)、この異様な構造のおかげで、発声ユニットが耳の被さる形ではなく、その前方に配置できた訳です。頭のどまんなかで音像が形成されるような、いわゆる頭内定位が発生しないヘッドフォンはいろいろ試みられているようですが、おそらく構造的にもこのヘッドフォンが正解に近かったんじゃないでしょうかね。もちろん頭内定位が完全になくなる訳ではありませんし、音圧も低めですからあまりロックだのジャズだのを聴くには向きませんが、とにもかくにも前方から音が聴こえるというのは偉大です。

 間接音が豊富に収録されたクラシックのホールトーン豊かなオーケストラ物や室内楽などは、ヘッドフォンで聴くと妙な違和感を感じるものですが、SR-Σでならスピーカーにそこそこ近い雰囲気で音楽を楽しむことができます。きっとホールの空気感のようなものを構造上、上手に伝えることができるんでしょうが、夜間などスピーカーでもって大音量を鳴らせない時はほんとうに助かります。実はこれ、昨年1月にオークションで購入し、その後メンテなどもしましたから、中古とはいえ3万円くらいかけて入手したことになります。定価は確か4万近くしましたから、まぁ、安く買えた方ではないでしょうか。ともあれ、スタックス社はこれの後続を機種を目下のところ発売していないので、これからも大事に使おうと思っています。
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江美(チャン・メイ・チイ)/Melody

2006年01月26日 00時47分38秒 | 台湾のあれこれ
 チャン・メイチーの「戀人心中有一首詩」は11月に聴いて以来の愛聴盤で、iPodでならおらそくコールドプレイと並んで、2005年もっとも聴いたアルバムになろうかという作品でした。あの時「彼女のアルバム買いまくろう」と書いたとおり、実はあの直後数枚のアルバムをYesAisa.comに注文して、12月には届いていたのだけれど、なんだかんだで放置してしまっていたので、ようやくその中の一枚「Melody」というアルバムを聴いてみました。2003年の作品ですから、かなり最近の作品です。ひょっとすると「戀人心中有一首詩」の前作にあたる作品かもしれません。

 「戀人心中有一首詩」は詩の朗読を曲間に入れてコンセプチュアルなたたずまいで、音楽的にも台湾王道路線を意識したバラードなども大幅に取り入れてかなり格調高いいアルバムでしたけど、こちらはけっこう普段着な作りですかね。毎回書いているような90年代後半に台湾で勃発した台湾ニューウェイブ以降のベースにしたギター・サウンド系な音で、ボクみたいなオジサンからすると、60年代後半のフォーク・ロックみたいに聴こえる音楽。

 まぁ、サウンドのコンセプトはともかくとして、とにかくチャン・メイチーのヴォーカルが良いです。作り物めいたところが一切なくて、自然体です。今のJ-Popの女性ヴォーカリストがおしなべて、どこかひねっていたり、屈折していて、何かにつけて「演じてっるぽい」というエクスキューズがないと音楽出来ないのと比べると、彼女の無防備なまでの「ありのまま感」はかえって新鮮だったりするのですね。特に美声って訳でもないし、歌がうまい訳でもない。ところが何か深いヴァイブレーションを感じさせるんだよなぁ。そこがいいんですよね。
 
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