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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

マーラー交響曲第5番/バーンスタイン&NYP

2006年01月22日 23時02分56秒 | マーラー+新ウィーン
 マーラーの交響曲で一番最初に聴いたのが第5番で、その時の演奏がこのバーンスタインとニュー・ヨーク・フィルによるものでした。クラシックの名曲を指揮者やオーケストラを替えていろいろ聴き比べするのはとても楽しいことですが、やはり一番最初に聴いた時の演奏というのは、まずはその曲自体を知ること、そしてそれと平行して演奏を楽しむ訳ですから、やはり2番目以降の演奏とは別格になることが多いです。なので、一番最初の印象があまり強く、それ以降に出会った演奏がどうもしっくりこないということはままあることなのですが、それとは反対に自分がしっくりと来る演奏がどんどん更新されてしまうこともあります。このバーンスタインが振った5番はさしずめ後者の典型といったところでしょうか。

 この5番はまずバーンスタインを聴き、次にテンシュテット&LPO、カラヤン&BPO、マゼール&VPO、ショルティ&CSO等々、実にいろいろな演奏を聴きましたが、結局、アダージェットの美しさでカラヤン、第1,2楽章のダイナミックさでショルティ、第3楽章のウィーン風味でマゼール、全体の文学性みたいなところでテンシュテットといった具合にいろいろとイメージが更新されたおかけで、バーンスタインの演奏はほとんど忘れてしまったのです。夏頃書いたように第3番なんかはかなり強い印象が残っていましたが、こちらは後続の演奏にほとんどそのイメージを塗り替えられてしまったというところなんでしょう。覚えているのアダージェットで椅子のきしむ音とか同じくアダージェットのラストのところでオケの誰か咳していたとか、そういうつまんないらないことばっかり(笑)。

 そんな訳で、夏頃に購入したバーンスタインの旧マーラー全集から、とりたてて理由もないですが、久々に第5番を聴いてみました。現在聴くと、さすがにオケがとっちらかっている感じで、これ以降の精度の高い演奏に比べるとやや見劣りしちゃいますね。また、この曲の場合、大きく3部に分けた交響曲のように演奏するか、主人公が冥府から天上界へ解脱するストーリーを持った一種の交響詩のように演奏するか、かなりはっきりと分かれていると思うのですが、この演奏はその意味でちょいととどっちつかずかなというところもあります。この時期のバーンスタインならもうちょっと後者の方向でドラマチックにやっていたのかなとも思いましたが....。
 ちなみにアダージェットところでオケの誰かの咳ですが、ほとんど聞こえないくらいの音に押さえ込まれていました。高域をリダクションしたんですかね。そういえばアナログ盤はかなりハイ上がりだったですが、マスターにはどっちの音が近いのだろう?。 
 
 
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アディエマス/聖なる海の歌声(SACD)

2006年01月22日 20時59分58秒 | ROCK-POP
こちらは車で良く聴いているもの。アディエマスはカール・ジェンキンズ作曲・指揮するオーケストラ+ミリアム・ストックリーのヴォーカルという編成で作られた英国産の、まぁ、いってしまえばヒーリング・ミュージックです。しばらく前にNHKが大々的にバックアップしていたので知っている方も多いでしょう。彼らの音楽には様々なエスニック風味が鏤められていますし、歌詞は土俗的なイメージを想起させるような造語によっていますから、どこかのワールド・ミュージックと勘違いしている方も多いですが、基本的にはエンヤなどより遙かにヨーロッパ伝統の音楽理論にもとづいた紛れもない西洋音楽です。

 さて、このアディエマスの魅力ですが、ヨーロッパの教会音楽の敬虔なムード、クラシカルなオーケストラ・サウンドをベースに、その上に鏤められた雑多なエスニックな風味をのっけてテクノっぽいリズムでモダンな感じを演出したあたりだと思いますが、メインで歌うミリアム・ストックリーのヴォーカルも彼らの音楽の大きなセールスポイントです。彼女はとにかく声域が広く、テクニックも抜群、スタジオ・ミュージシャン的な匿名性が高いヴォーカルともいえますが、ある種感覚的に気持ち良い声の持ち主なのがカール・ジェンキンズの考えたこのハイブリッドな西洋音楽と抜群にマッチしていたと思います。このアルバムだと、2曲目のまるでワーグナーのような半音階で天上に上りつめていくような展開する部分など何度も聞いても素晴らしいです。

 ちなみに彼らはもう既に数枚のアルバムを出していますが、結局、このデビュウ作と2作目が一番良かったですかね。どうも、それ以降は、エスニックな素材を西洋音楽を巧く料理する技巧だけで音楽作っているみたいに感じないでもなかったですから....。あと、これを書きながら聴いたのはSACD盤で、複雑に絡みあった声とオーケストラの立体感や、エスニックなポリリズムをテクノ的再現した各種パーカスの遠近感などさすがにCDとはグレードの違う質感を味わえました。
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