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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

潘越雲(パン・ユエユン)/情字這條路

2007年07月09日 00時52分28秒 | 台湾のあれこれ
 パン・ユエユンは台湾ポップスのパイオニアです。私は台湾ポップスの情報を体系的にもっている人ではないので、ひっょとすると間違いがあるかもしれませんが、パン・ユエユン、特にこの作品はその後台湾のミュージックに面々とつながる、ウェストコーストAOR、日本のニューミュージックあたりのモダさシンクロした、大陸的な大らかさを感じさせるサウンド、情緒連綿たる旋律、既視感を誘うような懐かしいムードなどなどをミックスした、いわゆる台湾ポップスの走りということになるようです。また、このアルバムはそれまでの暗黙了解だった演歌は台湾語、ポップス系は北京語というパターンを破って、台湾語で歌ったポップスということでも、台湾の音楽シーンではマイルストーンであったようです。まぁ、今聴くとまだまだ十分に演歌の残滓を感じさせる音楽ではありますが、おそらく88年当時としては、かなり斬新なものであったんでしょう。

 さて、このアルバム、とにかくパン・ユエユンの深いヴァィブレーションを感じさせる歌声に魅了されます。彼女の声は音域はクラシックでいったらアルト系で、女性としてはやや低目のものですが、角張ってはいないものの、芯の強さを感じさせ、情念的でも叫ぶ訳ではないが十分に情感を感じさせるという、とてもシックで気品のあるものです。曲はどれも懐かしさを誘うよい、人なつっこい心の琴線に触れてくるようなもので、どれも秀逸という他はありません。プロデュースはその後ロック・レーベルで数々のスターをバック・アップすることになるジョナサン・リーで、彼の初期のお仕事としても貴重な記録でしょう。後半はかなり日本のニューミュージック的なアレンジに接近した音楽になるのは彼のセンスなんでしょうね。好きな曲は、なんといっても、外国人が喜びそうな中華風味をモダンかつエキゾチックに展開した5曲目、聴いていて陶酔しちゃいます。まぁ、このアルバムはどの曲もなかなかですが。
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台北@ Google Earth

2007年06月19日 12時46分45秒 | 台湾のあれこれ
 Google Earthという、いかにもGoogleが考えそうな情報メディアって、正直いうといったい何に使うのかよくわからないところもあるのだが、たまにヒマな時にぼんやりと世界各地を見たりできるのは楽しく、今日は台北の街をのぞいてみた。私はこのブログに「台湾」というエントリーを作っているくらいの台湾好きで、以前はあまりに頻繁に赴くものだから、かの地に娘でもいるんだろ....などと冗談をいわれていたくらいなのだが、なんだかんだでもう7年も行ってないので、懐かしくのぞいてみたというところだ。

 さて、Google Earthだが、台北あたりだと解像度はかなり高く、台北駅や三越などけっこう見覚えのあるところが散見できる。私が台湾によくいっていた頃は、台北駅の地下鉄を開通させるためなのか、周囲をさかんに工事していて、高度成長期のニッポンよろしく、やたらと猥雑な活気があったものだが(しかもちょいと歩くと日本統治していたころの赤煉瓦の建物なんてもあったりするんだな)、さすがに7年もたつとそのあたりはすっかり完成して、掘り起こしていたところも、いまでは小綺麗なステーションみたい風情になっているだろう....と思って、さっき何気なく探してみたら、けっこうまだ工事してところが写っていた。

 写真の右中央あたりに見える四角い屋根が台北駅だが、その下に碁盤の目のようになってなっているエリアが少しあるけれど、これなどたぶん工事中で地下を作っているところだと思う。しかし、まだ工事やってるとは到底思えないので、このGoogle Earthで使っている写真はけっこう古い(ものもある)ということになるんだろうか?。ちなみに台北駅の左下に長い影を作っている建物あるが、これは台北三越のはずだ。この三越の裏にあるCDショップなども良く行ったものだったが....。ともあれ写真など見ていても、埒があかないのはわかりきったことだ。今年の夏はこそはぜひぜひ台湾いきたいものだ。
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趙詠華(シンディ・チャオ) /問心無愧(精選輯)

2007年06月09日 18時16分53秒 | 台湾のあれこれ
 これも1990年代の終わり頃、台湾で山のように購入してきたCDの一枚である。趙詠華〈シンディ・チャオ〉は1999年にデビュウした台湾の女性シンガーで、台湾ポップスの最大手である滾石唱片(ロック・レコード)でも、かなり売れていた人なのではないかと思う。このアルバムは1994年の発売されたもので、サブタイには精選と入っているし、ジャケを明けるとリマスターなどという言葉も出てくるから、おそらくベスト盤なのだろう。つまり1988年のデビュウから90年代前半までフォロウしている作品集ということで、つまりは台湾ポップスが一番台湾ポップスらしかった成熟期の作品ということになるはずだ。なのでここで聴ける曲も基本的には、ゆったりとした起伏の中、素朴な情感が素直に歌われるという台湾ポップスの王道をいく作品ばかりで、実に心地良い。

 趙詠華のボーカルは、やや地味だが、おっとりとしたしとやかな歌唱が印象的なのに加え、この時期台湾ポップスのひとつの側面であったリゾート・ミュージック的なAOR的なセンスが(蘇慧倫の「就要愛了[口馬]」などもその典型)、彼女の音楽には随所に現れるので、そのあたりが合わさって、人気絶頂だった頃の今井美樹と共通するような感触もある。ただ、デビュー直後の頃とおぼしき作品は、滾石唱片という台湾の大レーベルにあって、他の大スターと同等には制作費がかけられなかったのか、カラオケみたいな打ち込みシンセ主体のアンサンブルで音楽をつくってしまっているところもあって、そういう部分はさすがに今聴くとやや古くさい感じがなくもない。
 ちなみにこの趙詠華も現在ではもう40歳。日本の少女漫画を原作にして、台湾で大ヒットした「イタズラなKiss」というドラマでは、過保護な母親を演じて、本邦でも「入江君のおかさん」ということでけっこう有名らしい、むむむ。
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許茹芸(ヴァレン・スー)/眞愛無敵

2007年05月29日 20時53分40秒 | 台湾のあれこれ
 このアルバムは1999年に訪台した時に、台北の西門街(日本でいったら原宿か新宿に相当する)にあるタワーレコードで、確か台湾の王道ポップスの大型新人みたいノリで、かなり大々的にディスプレイされていたのをみて購入してきたものだ。実は新人ではなくて、1999年の時点で既に中堅になりかけていたくらいのポジションだったらしい人なのだが、台湾にいくと私は台湾ポップスのCDを山のように買ってきてしまうので、とにかく目立っていたことだけは間違いない。実際に聴いてみると、ちょっと舌足らずだが、とてもナチュラルな声質を持った人で、しかもバラード路線を全面に出した正統派の台湾ポップスだったから、これはけっこういけるかも....と思ったものだったが、あの時期、この手の台湾ポップスでは、むしろ周の方が気に入ってしまったし、良さそうだとは思いつつ、あれこれと沢山買い込んだせいでちと興味が拡散したせいもあって、もうずいぶん長いこと放置していた。

 で、久しぶり聴いてみたのだけれど、やはりいい。今となっては「ひとむかし前の台湾ポップス」ではあるけれど、人なつこくて、素直に上昇していくような旋律、ピアノをベースにしたウェストコーストAOR風のバックサウンドなど、まさに台湾ポップスらしさ満載である。許茹芸は前述のとおりとてもナチュラルでチャーミングな声をしていて、ある意味ファンタジックと形容したくなるようなところもあってこれもまたいい。4曲目など聴いていても涙が出てくるくらいに、心のきん線にふれまくりな歌と旋律で、こういう曲を聴くにつけ、私と台湾ポップスとは相性が抜群に合っているのだなぁと思ってしまう。
 そんな訳で久しぶりに聴いた許茹芸とても良かった。このアルバムが出たのが1999年だからもう8年もたっていている訳だけど、その間に台湾ポップスは大きく変容した訳で、現在も人気シンガーとして活躍中の彼女は、今いったいどんな音楽をやっているのだろうか。
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華西街の蛇

2007年05月11日 23時01分57秒 | 台湾のあれこれ
 台湾の激安ツアーに参加すると、旅行会社からあてがわれるホテルは、大体麒麟ホテルであったりする場合が多かった。このホテルは龍山寺という台北でも有名なお寺の近くにあり、この寺は日本でいったらちょうど浅草寺みたいな感じだから、麒麟ホテルは上野か両国といったポジションである。なにしろそういうロケーションだから、龍山寺にはよくいったものだが、龍山寺といってもお参りする訳ではなく、実はその近くにある華西街という屋台街に行ったということになる。ここはその昔は大歓楽街だったそうだが、現台湾総統の陳氏が台北市長在任時にクリーン作戦みたいなことをして、すっかりと普通の観光夜市になってしまったらしい。往事の雰囲気は、寂れきった反対側のメインストリートの奥深くを探索すると味わえたりするのだが、とにかく現在の華西街は観光夜市である。

 さて、この写真はその華西街の一コマである。単なる人だかりにしかみえないが(いや、単なる人だかりですが....)、これは華西街の真ん中あたりを歩いていると必ずぶちあたる光景で、みんなが何をみているのかというというと、蛇をさばいているのを観光客が怖い物みたさで眺めているのである。この店は蛇のスープだとか、血、あと胆汁なんかを飲ませるたり食させる店で、メインストリートにこの種の店が確か2つか3つくらいあったように思う。こうした店では、食材となる蛇をさばく様を実演でショーの如く見せるこのが名物になっていて、華西街といったらこれがトレードマークという人もいるくらいに有名らしい。、
 ちなみにその「蛇をさばくショー」はたいてい撮影禁止で、こんな蛇のへの字も写っていない、人だかりを撮っただけも写真だが、怖そうなオッサンに怒鳴らられつつ、決死の覚悟でとった一枚である。
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肉乾

2007年04月25日 12時25分26秒 | 台湾のあれこれ
 肉乾は台湾の名物である。お土産屋さんなどに行けば、まずは見ないところはないという代物だ。日本だと外国人向けのおみやげとなるような食品と、日本人が日常的で食べるものは微妙に一致しないと思うのだが、これは台北のいたるところにあるコンビニにも大抵置いてある(おみやげ用は箱、コンビニでは袋という違いはあるし、中身はほとんど同じなのにおそろしく値段が違ったりするが-笑)。例えば、ささきいかのようなものは、おそらく日本人にとっては非常にポピュラーな日常食ではあるが、外国人向けの「日本の顔」として、通用しているかといえば、そうでもないでもないと思う。ところが、これは台湾人の日常食でありながら、おみやげ品としても立派に流通しているのが凄い。

 さて「肉乾」だが、これは私の購入した範囲では「猪肉乾」と「牛肉乾」の2種類がある。肉乾という字面から大体想像はつくと思うが、要するに「味付け干し肉」のことで、気取っていえば、「ポークジャーキー」とか「ビーフジャーキー」ということになるだろうか。ちなみに、お土産屋さんよっては「肉の佃煮」と紹介するところもある。味の方だが、腸詰めなどと同じようなおおらかな甘さと、多少エキゾチックな野趣を感じさせる辛みが奇妙に入り混じった独特な味付けである。食感はジャーキーのような堅さはなく、ごくごく柔らかいのもユニークなところだろう。加えていえば、こういうつまみ系のものは大抵そうだが、とにかく「後を引く」、「クセになる」味で、酒のつまみなどにすると、一袋くらいあっという間に平らげてしまったりする逸品だ。
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高勝美(カオ・シェンメイ) /我是不是[イ尓]最疼愛的人(DVD)

2007年04月24日 00時14分34秒 | 台湾のあれこれ
 先月レビュウした高勝美のDVDですが、残り2枚が届きました。先ほどそのうちの一枚を視聴しましたが、先月の「親密愛人」の方は20代前半くらいしか思えない、ほとんどあどけないといいたいくらいの姿を撮影したものがメインとなってしましたが、こちらはもう少し後年のソースが主体のようです。相変わらず欧米らしいスケールの大きな自然風景だとかエキゾチックな町並みをバックにぶらぶら歩いているところを映した映像に、曲と歌詞のテロップが流れるというお気軽なMTV集です(口パクしている曲すら数曲しかない-笑)。今回の映像で印象に残ったのは、90年代前半くらいと思われる長い髪を切って、ボプみたい髪型で唇をばっちり隈取った頃ですかね。これはなかなか素敵でした。

 それにしても、これは前回もそうでしたが、15曲も入っているのに、なにしろ自分が知ってる曲が出てこない、出てこない(笑)。聴き覚えのある曲が2,3曲くらいかな。さすがに膨大なレコーディングをしている人だけはあります(アルバム25枚として、概算300曲はレコーディングしてますから)。演歌からモダン歌謡まで、例のちょっとしゃくり上げるような歌い振りで、なんでも「高勝美ワールド」にしちゃうのはさすがですが、このところオークションや某ショップで彼女のCDもけっこう買い込んでいるので(現在10枚ほど所持、これは台湾ポップスとしては蘇慧倫につぐ枚数です)、映像観てニタニタしているのもいいですが、音楽単体ももうすこし聴き込んで、彼女のレパートリー覚えなくちゃいけない気がしてきました。

 ちなみに彼女の音楽、80年代~90年代前半くらいまでは、かなりバジェットな制作だったのか、けっこう打ち込みが多いです。ほんとベーシック・トラックはSC88で作ってそのまま、あと多少に生音かぶせた程度で一丁上がりみたいなのも多くて、これがなんともチープな趣があって逆に場末の台湾風景を思い出させたりしてとてもいいです。 
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蘇慧倫(ターシー・スー)/甜蜜心事

2007年03月30日 23時45分03秒 | 台湾のあれこれ
 2002年に中国本土で出たらしい蘇慧倫のベスト盤で、先日の高勝美のDVDなどと同時に購入したものだ。政治的に対立しているはず台湾の音楽が中国で出ているのはいささか奇異な感じもするが、常用語は同じ北京語ではあることだし、貿易という点ではもはやボーダレスの両国だから実はあまり不思議でもないのかもしれない。また、音楽の内容としては台湾ポップスの方が本土のそれと比べて、圧倒的に垢抜けているはずだから、ちょうど台湾でJ-popが受けるような感じで、売れていることも考えられる。

 そういえば、かれこれ7,8年前ことになるが、ほろよい気分でとあるスナックに入ったところ、そこでバイトしていた女のコが中国の青島だかからきたとかいう留学生で、あれこれ話ていたところ、何故だか蘇慧倫の話になったことがあった。店の片隅でお互いに彼女の歌をハミングで歌っては、「おぉ、あの歌知ってるのか」ってな感じで、演歌のカラオケが流れる店の片隅で、アホみたいに盛り上がったりしていたが(笑)、その時はどうして大陸の人が台湾の歌を知っているんだろうと、けっこう不思議に思ったものだけれど、こういうCDをみると、実は普通に流通していたがわかったりする訳だ

 さて、このベスト盤の内容だが、収められた曲は全部13曲で、2002年までの彼女のほぼ全活動歴をフォローしている。構成は最新曲に始まり、曲を追う毎に次第にレトロスペクティブしてき、最後で再び最新作にもどるというようなものになっていて、これがなかなかいい。私は彼女の大ファンなので、ベスト盤はいろいろもっているが、台湾本土で作られたベスト盤は選曲や構成のセンスは納得しがたいものが多いが、こちらは途中いかにもチャイナっぽい「哭過的天空」が出てきたり、あまりヒップな仕上がりの作品は注意深く回避した選曲が、自分の趣味にかなり近いのか、安心して聴いていられるのである。また、レギュラー・アルバムに入っていない「天下大乱」が聴けるのもうれしいところだ。

 ちなみにこのアルバムはHDCDでエンコーディングされている。HDCDというのは「High Definition Compatible Digital」の略で、従来のCDフォーマットと互換性を保ちつつ音質を上げる手法である。10年前くらいにけっこうはやったりしたのだが、ここ数年、SACDやDVD-Aという次世代メディアが出てきたおかげで、影の薄くなってきているのだが、中国では現在でも誇らしげにHDCDというクレジットがジャケを飾っていること多いが、何か理由でもあるんだろうか。ちなみに押しの強い台湾盤の音質に比べると、こちらは明らかに繊細さが勝った音質に仕上げられていて、いささか演出くさいところもあるが、確かにHDCDの4ビット分拡張された情報が効いていると思わせる音ではある。 
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高勝美(カオ・シェンメイ) /蝶児蝶児満天飛

2007年03月20日 00時07分14秒 | 台湾のあれこれ
 という訳で、私が最初に購入した高勝美のアルバム「蝶児蝶児満天飛」であります。95年だったか最初に訪台した時は、蘇慧倫、萬芳などと一緒にカセット・テープで購入してきた訳ですが、当時このアルバムは新譜で、ショップではけっこう賑々しくディスプレイされいたような記憶がありますが、ともあれ帰国して聴いたところ、初めて体験する中華ポップス的エキゾチックさ+AOR的聴きやすさみたいなところが心地よかったし、彼女の尾崎亜美を思わせる声(当時は何故かそう思った)も気に入ったので、次に訪台した時にCDで購入したという次第です。

 このアルバムは94年の作ですが、今調べてみたら彼女は85年のデビュウで、当初、北京語のスタンダードなどを歌いまくって、まずは大陸各方面で人気者となり、その後、台湾へ逆輸入された経緯があるようで(TVドラマの主題曲の女王でもあったらしい)、このアルバムが出るまでの9年間で最低でも25枚のアルバムを出しているみたいです。80年代など年3枚のペースで出して、まさに歌いまくり状態で、ちょうど昭和40年代の歌謡曲を思わせるヴァイタリティがあって凄過ぎです。先ほどのDVDでは、この80年代の曲らしきものも何曲が聴けましたが、既に歌のうまさはや個性はその頃から出来上がっていて、演歌風なものから、ジョナサン・リーの曲まで「何を歌っても高勝美」みたいなところはあったことを伺わせます。

 ただ、その後の彼女アルバムを数枚追いかけた感触としては、このアルバムは彼女の作品の中でも、もっとも非演歌色が強いというか、当時のバラード主体のAOR風な音楽が主流だった、台湾の王道ポップス色が強い仕上がりだったことに気がついたりもします。8曲目など男性ボーカルとのデュエットで、もろに西海岸風な感じでこの人。一方、1曲目「蝶児蝶児満天飛」は実は桑田佳祐の「花咲く旅路」のカバーで、パロディなのか絵に描いたような中華ポップなのが楽しいし、6曲目なども中華ポップ+テクノみたいな仕上がりでおもしろい。こういうのもなんなくこなすあたり、まさに美空ひばり並にバーサタイルさがあるんじゃないですかね。
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高勝美(カオ・シェンメイ) /親密愛人(DVD)

2007年03月19日 23時03分02秒 | 台湾のあれこれ
 台湾でVCDというメディアがカラオケ兼用のミュージック・ビデオという位置付けで普及していたことは以前に書いたことありますが、案の定、現在はかつての位置づけはそのまま、メディアはほとんどDVDにリプレースされているようです。このディスクは高勝美のベスト盤を兼ねたクリップ集ですが、おそらく台湾製ではなく、中国本土で制作されたもののようで、通販で購入しましたが価格は1,200円と安すぎ、台湾盤ならこの倍はするでしょう。どうやら最近は台湾のアーティストが中国本土でもかなりセールスされているらしく、こういうアーティストのディスクが中国本土経由で入手できるようになっている訳ですね(まさか海賊盤じゃないだろうな-笑)。

 高勝美のアルバムは最初に訪台した10年前からぼちぼちと購入していますが、こうして「動く高勝美」を観たのは多分初めてじゃないですかね。大昔、パソ通で高勝美のルックスについて聞いてみたら、美人だという人とあれはジャケの写りがいいだけで実は微妙(笑)という人にけっこう分かれていましたが、これを観るかぎり、ちょっとエキゾチックなところはあるものの、目鼻だちのくっきりとしたキュートな美人さんとしか思えません。
 彼女の音楽はJ-Pop的なモダンなところも多少はあるものの、基本的には演歌というジャンルの分類されるようなにものだと思いますが、映像の演出の方ほとんど一昔前のチープな日本製演歌のカラオケのそれで、髪の長い彼女がアメリカみたいなところで、いろいろな衣装着て、ぶらぶら歩いているようなところに歌詞のテロップが流れるだけみたいなものが多いですが、おそらく彼女が「美人」なので、それをせールポイントにすべく、カメラはなめるように彼女の顔を全身を撮っていて、事実それだけでもけっこう絵になっている感じ。

 あと、けっこう昔のソースが多いようで、とにかく彼女が若くてどうみても20代です。ひょっとすると80年代のものが主体なのかもしれませんね(知らない曲ばかりだったし)。調べてみたら彼女は66年生まれとありますから、私が最初に台湾で購入した「蝶児蝶児満天飛」の次点で、もう30代だったはず、事実、ここに収録された「蝶児蝶児満天飛」の映像でようやく私のイメージする高勝美のルックスに追いつきます。映像的にもこの曲は、外国人の喜びそうな中国趣味はあるし、まぁまぁ立派なMTVになっていて、見応えありました。それにしてもこの映像版ベスト、他に2枚も出てるんですよね。こんな美人だと思わず他の観たくなってきちゃいました。
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江美(チャン・メイ・チイ)/第二眼美女

2007年03月13日 00時00分57秒 | 台湾のあれこれ
 デビュウ作と同じ年に発表された第2作。1曲目はアコギ2本にシンプルなバッキングで歌われるバラード。デビュウ作の冒頭はギター・ロック調サウンドで、いかにも台湾ニュー・ウェイブという感じでしたから、変化をつけたというところでしょう。もっとも前作でも半数の曲はこうしたバラードだった訳で、パラード歌いとしても素晴らしくナチュラルなチャーミングさを見せています。一方、2曲目の方は逆にギター・ロック・サウンド+ストリング・シンセといった感じのサウンドですが、ミディアム・テンポでけっこうしっとり歌い上げているあたり、曲が良いせいもありますが、既にある種の気品するら感じさせます。さすがだ、チャン・メイ・チイ!。

 アルバムは大体今の2曲のスタイルふたつの柱として、エレクトリックとアコスティック、ロックとバラードの狭間を行きつ戻りつ、アルバムにそれぞれの曲が配置されているという感じですが、前述の2曲に期せずして現れているように、全体としては両者の落差をあんまりくっきりと分けずに、ギター・サウンドにはアコギが入り、バラードというよりミディアム・テンポの曲が多いという感じで、ふたつの要素をチャン・メイ・チイというキャラクターに自ら引き寄せているという感じもします。それだけに変化に富んだ前作に比べると多少渋いところもありますが、まぁ、こういうのはとりもなおさず自分の音楽をものにしてきたということに他ならず、このあたりはむしろ好意的に受け取るべきでしょうね。

 その他、気がついた曲をひろっておくと、4曲目はアコギとエレクトリック・ギターのアンサンブルにレゾナンスの効いたシンセが絡むアシッドなサウンドでダークにひっぱりつつザビで一気にメロディックに展開するあたりが印象的。6曲目もアシッドなテクノ・サウンドにのってシャンソン風にメロディックな旋律を歌ういかにもニューーウェイブな曲(ハワード・デヴォードのマガジンを思い出したぞ-笑)。8曲目は1曲目のフル・レングス、オーケストラ・ミックス・ヴァージョン、これぞ思わず涙腺がゆるむ台湾バラード。10曲目はアルバム中もっともテクノ色が濃厚なサウンドなんですが、彼女のボーカルは意外にパッショネイト、オーラスのバラードは大陸的な大らかさにウェストコースト的なウォームな感覚がミックスしたムードが、オーソドックスな台湾バラードで聴いていてほっとする作品です。
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排骨飯 @リトルチャイナ 豊

2007年03月07日 17時47分58秒 | 台湾のあれこれ
 昨年6月に書いた「台湾の食い物 #1.2」で排骨飯を取り上げたけれど、私は今でもこれが大好きでよく食べる。とはいっても、もう5年以上台湾には行っていなので、もちろん国内の台湾料理店での話だ。実は本日も千葉県の東金市にあるリトルチャイナ豊という台湾料理み店でこれを食べてきたところだ。私は仕事の関係上、月に一度や二度に東金市に赴かなくてはならないのだが、昼飯はたいていここで、しかも食べるのは排骨飯なのである。

 この店では、排骨飯はリトルチャイナライスといっている。が、出されるものはまぎれもないパーコーハンである。前述の「台湾の食い物 #1.2」で、私は排骨飯を「基本はご飯の上に揚げた骨付き肉+塩味系のあんかけ汁がかかったご飯ってのが基本のようだが、目玉焼きがのっかっていたり、肉が唐揚げではなく、トンカツ様だったりと台湾でのヴァリエーションは凄じく自由度が高い。」と書いたけれど、この店の場合、

・あんかけ汁は中国野菜とタマネギが入ったさらさらの塩味
・肉は塩味でクリスピーなトンカツ系

といったあたりがおそらくは特徴で、台湾料理にしてはあっさり系かな....などと最初は思うのだけれど、さらさらのスープみたいなあんかけ汁も、さくさくした揚げ肉も、何回か食べ付けているうちにすっかり舌に馴染んでしまい、今やクセになってしまったというところであろうか。昼間きてもたいていは地元とおぼしき人がいるのは、それなりに定評ある店なんだろうし、店内も一昔前のログハウス風喫茶店という感じで入りやすいから、東金市まで来ることあったら一度来店してみてはどうでしょ?。

 ※ ちなみに最近ここ東金市で物騒な殺人未遂事件があって、逮捕された犯人が中華料理だか台湾料理だかの店主をやっていたらしいが、当然、この店とは全く関係がありません、念のため。
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台湾の即席麺

2007年02月24日 22時31分17秒 | 台湾のあれこれ
インスタント・ラーメンの元祖であるチキン・ラーメンの考案者であり日清食品創業者でもある安藤百福が先日(1/5)亡くなったが、チキン・ラーメンのようなどんぶりに麺を入れ、お湯を注いで3分待つというスタイルは、大分前にチキン・ラーメンが復活して成功してから、他のメーカーも「それ専用」の麺をいくつか復活させて、レトロ・スタイル、復古調とい観点で多少復活してきているようだが、現代日本のインスタント・ラーメンは、チャルメラにせよ、サッポロ一番にしたところで、基本的には鍋で麺をゆでるが前提となった作りになっているんだと思う(これらのラーメンをどんぶりにお湯を注いで食する人はまさかいまい)。

 インスタント・ラーメンの調理法がどんぶりにお湯を注ぐスタイルから、鍋でゆでるの方法に移行したのは、一体、いつ頃のことだったのか正確には覚えていなけれど、多分、昭和40年代の中盤くらいだったと思う。カップヌードルが出たから、袋入りラーメンは鍋でゆでるスタイルに変わったと思う人もいるかもしれないけれど、記憶によればカップヌードルの登場前に、一般家庭では既に袋入りラーメンを鍋にいれてキャベツだのなんだとゆでる調理法は、袋にも書かれはじめていたしすっかり広まっていたはずだ。その後、昭和40年代後半にカップヌードルが登場して、お湯を注ぐスタイルはカップ麺の方に完全移行したという順番だったと思う。以来、日本のインスタント麺は調理法で完全に棲み分けをするようになったのである。

 ところが、私の知る限り日本以外の袋ラーメンは、たいていチキン・ラーメンのようなどんぶりにお湯を注ぐスタイルを守っている。中国しかり、韓国しかり、そして台湾しかりなのである。それらの国々にはちゃんとカップ麺も存在しているが、日本のような調理法による棲み分けはあまりないようだ。私は台湾や横浜の中華街などに行く人がいると、たいていみやげ代わりに、台湾の袋ラーメンを買ってきてもらうのだが、裏の調理法を読むと、鍋でゆでてもいいが、やはりどんぶりにお湯を注ぐ調理法が書いてある。よーするに安い値段で、気軽に作ってさっさ食う....という本来の目的を最優先しているのだろう。私の台湾の袋ラーメンを多分十種類以上は食べているが、基本的にはそういうノリな味である。客観的にみたら食品としてのクウォリティは日本製とは雲泥の差があると思うが、そうしたジャンキーな味であるが故に、私のようなオッサンには昭和40年代を懐かしませたりして、妙においしかったりするのである。

 そんな訳で、つい先日台湾帰りの職場の同僚が買ってきてくれた、袋ラーメンもあと一袋になってしまった。また、誰か買ってきてくれぃ....って、今年こそ自分で台湾にいかねばなぁ。
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江美(チャン・メイ・チイ)/我愛王菲

2007年02月14日 00時31分21秒 | 台湾のあれこれ
 2005年の後半に聴いたチャン・メイ・チイの「戀人心中有一首詩(8th`05)」は、個人的に久々の台湾ポップスのヒットで、以来現在に至るまで、iPod(現在ではWalkmanも)の常連に君臨している訳ですが、あの直後数枚の彼女のアルバムを購入して、すぐさま「美樂地(6th`03)」は聴きましたが、以降すっかり未聴を埋めるということはご無沙汰になってしまい、約一年ぶりに、一昨年購入したアルバムを開封しているところです。今回は1999年のデビュウ作「我愛王菲」を聴いてみました。

 ひょえ~、最高としかいいようがないです。彼女が台湾ニューウェイブ躍進期の1999年に既にデビュウしたこと自体意外ですが、なにしろデビュウ作にしてこの完成した個性、従来の台湾歌謡を完全に突き抜けた、フェイス・ヤン並のユニークな存在であったことにがわかりました。なんか驚きを通り越して、「すげぇ、すげぇ」の連発しています。

 1,2曲目は前述のフェイス・ヤンと共通する80年代の英国産ギター・ロックの音をベースした音(私のようなオッサンには60年代中盤のバーズあたりのフォーク・ロックに聴こえるんですが-笑)で、そこに凛々しさと飄々と雰囲気が何故か混在して不思議とウォームが肌触りのメイチイのボーカルがのる様は素晴らしい。しかも、3曲目はななんとフリートウッド・マックの大ヒット曲「ドリームス」ではありませんか、うれしいなぁ(笑)。リズムがちょいとハウスっぽい打ち込みである意外は、かなり原曲を忠実になぞった編曲なんですが、ボーカルもスティービー・ニックスっぽくて、なるほどメイチイってこういう線でもチャーミングな人なのねぇ....と妙に納得したりして。

 一方、4,5,7,10曲目はミディアム・テンポを中心としたいかにも台湾らしいメロディを持ち、かつ彼女の誠実そうなキャラが良く伝わるバラードで、もちろんこのあたりも聴き物、これまで聴いた2枚ではむしろこういうところの個性がイケでる人というイメージでしたし、この透明感をもち、リスナーを不思議な高揚感を導くボーカルはやはり独特です。
 更に前述のロック風な音としては、6曲目のやや後ノリ・ドラムのグルーブ感にのった彼女がイキのいいボーカルを披露、8曲目は1,2曲目と共通するギター・ロック・サウンドにスペイシーなストリング・シンセが絡むあたりがミソ、9曲目はサンタエスメラルダ風のエキゾチックなディスコサウンドであれって感じかな。

 という訳で、個人的には「戀人心中有一首詩」よりインパクトあったかもです。こりゃ、iPodでヘビー・ローテーション確定です。個人的には本年初の大ヒット作かな....って、これ8年前も前の作品なのか、なんでオレはもっと早くこれを聴かなかったんだ、きっとジャケ写真のドレッドヘアのせいに違いない(笑)。
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台湾の料理 番外

2006年08月14日 23時09分20秒 | 台湾のあれこれ
 ここでページの穴埋めによく「台湾の料理」というのをやっているけれど、私的には写真だけ見ていも飢餓感が募るばかりで、精神衛生上よくないことしきりだった。ところが先週、なんと自宅から歩いて数分の場所に、台湾風居酒屋というのが出来たのだ。毎日仕事の帰りに車で店の前を通る度に、「ここでならあの腸詰めや豚の角煮が食えるに違いない」とは思っていたのだが、今日、近所に住む友人を誘って、早速来店してみた。

 案の定、台湾人らしき女性がいる店で、その人が料理を作っているようだ。そっさく、前記二品の他、切り干し大根の入ったオムレツだのを注文してみた。特段、うまい訳ではないが、紛れもなく台湾の味がしたのにはうれしくなった。久々に台湾屋台の味を満喫したというところだ。ちょうどお盆ということもあって、気分もリラックスして友人との話もはずんで、帰り道はちとちどり足だった。酒弱くなったよなぁ。
コメント
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