UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

かつて湖国では、ある町が核のゴミの最終処分場候補地に手を挙げようとしたというトンデモない騒ぎがありました・・

2020-10-13 00:13:03 | 日記
10月9日の新聞に、核のゴミの処分場すなわち原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場をめぐり、北海道の積丹半島にある寿都町が10月8日に国による候補地選定へ応募することを表明したと報じられていました。これは最終処分場建設のための第一段階である「文献調査」に応じるものであり、文献調査に応じた自治体には2年間で最大20億円が交付されることになっています。

次いで翌日の新聞で、10月9日に、寿都町の近くに位置している神恵内村も文献調査を受け入れることを表明したと報じられました。

寿都町は人口2900人、神恵内村は人口820人、いずれも財政状態が苦しく将来に向けて、調査に応募することにより得られる交付金に期待しての応募でありませう。

この二つの自治体による応募、果たして住民の十分な合意を得たうえでのことかは甚だ疑問であり、このため今後住民の反対が強まり混乱を来たすのではないかとGGIは憂慮しております。と申しますのは、かつて同じようなこと、つまり財政状態が苦しい小さな町がこの文献調査に応募しようとしたため大騒ぎになるという出来事がわが湖国であったからです。

えっ!そんなことがあったのかと思われる方もおられるかもしれませんがフェイクなんかではありませぬ。当時それほど全国的なニュースにはならなかったようなのでご存知のない方も多いかもしれません。湖国にお住いの方はご存知のはずの事件ですが、もうお忘れかもしれません。

湖国の最北端、琵琶湖の北にある余呉湖で知られる余呉町という町でのことです。いまから十年以上前の2006年のことです。GGIもこの誘致騒ぎがあったときは少し関わりましたのである程度記憶しています。正確なことを思いだすにはわが庵の家探しを行えばよいのでありますが、そのときの資料や新聞記事が出てくるはずではあるもの無事見つかるとは限りません。そこで手抜きで、ネットさんで探しましたら、大メディアの記事は見つかりませんでしたが、「四国新聞」の当時の記事が見つかりましたので以下に記事の全文を紹介しておきます。

最終処分場誘致を断念/滋賀・余呉町、原発ごみ 
2006/12/06 17:29 四国新聞

 原発の使用済み核燃料を再処理して出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場について、滋賀県余呉町の畑野佐久郎町長は6日記者会見し、町民の理解を得られなかったため誘致を断念すると表明した。
 畑野町長は9月、資料で処分場の適否を判断する「文献調査」に応募する意向を表明。調査で交付される国の交付金で、厳しい町の財政状況を救いたいとして町内で住民説明会を10回以上開催。町民から安全面に不安の声が上がっていた。
 最終処分場は原子力発電環境整備機構が2002年から公募。応募した自治体はまだない。
(http://www.shikoku-np.co.jp/national/science_environmental/print.aspx?id=20061206000293 )

実は余呉町長の独断による最終処分場の誘致騒動、初めてではありませんでした。前年2005年の秋にもすでに若干の騒動があったのです。2005年中秋の某日のことであったと思うのですが、知り合いの新聞記者から「GGIよ、タイヘンだあ、余呉町が最終処分場の誘致を考えているようだぞ・・・・」。これは文字通り想定外、青天のヘキレキでありました。

GGI、最終処分場問題はとても厄介であり、核廃棄物がすでに大量に存在しているために避けて通れない問題であるため関心は持っていたのですが、わが湖国で最終処分場問題が浮上するとは考えてもみませんでした。夕方になって、この記者さんから「知事が絶対に認めることはできないと即座に一喝したので、この問題、沙汰やみになった」との電話があり、GGIは胸をなでおろしました。たった一日でケリが付いたのです。当時の知事、国松善治氏は自民党をバックとする保守系の政治家ですが、その速やかな判断はまっとうであったと言ってよいでありませう・・・

ところが、余呉町長の畑野佐久郎、最終処分場の誘致をあきらめたわけではなかったのです。このあと、一年間、いろいろ研究、原子力発電環境整備機構(NUMO)に対して、文献調査に応じた場合の交付金をもっと増やせなどと交渉していたのです。そして雌伏一年、知事が国松氏から嘉田由紀子氏に交代した2006年の秋になって、余呉町長は再び最終処分場誘致をぶち上げました。昨年とは異なり、今度は用意万端、本気度はきわめて高い・・・

余呉町の隣町の議員をしている知人から知らせがあったりして、GGIも及ばずながら誘致阻止の向けて若干の協力をいたしました。高レベル放射性廃棄物はいずれ国でも地下深く埋める、いわゆる「地層処分」という方法で処分されることになっているのですが、GGIは原子力資料情報室から「地層処分」について解説されているパンフレットをたくさん入手して、知ったかぶりで、現地の人々といっしょに学習会のようなものをしました。

住民のみなさんの動きは活発であり、講演会や集会が行われ議会に押し寄せました。この小さな町の議会、大メディアが取材に大挙して押し寄せるなんて初めての経験、狭い傍聴席は押し合いへし合いでありました。

ところが、知事の反応が、前年とは異なり思わしくありません。滋賀県初の女性知事として登場した嘉田由紀子氏、「卒原発」などという新語を振り回していたのに、前知事のように誘致は絶対に認めないとはなかなか明言しないのです。

「近畿の水瓶、琵琶湖の上流にあたる地域に処分場を設けるのは適切であるとは思われません」などと生ぬるいことしか言わないのです。そこでGGIは知人たちと協力して「もっと態度を明確にしろ。誘致を絶対に認めないことを明言しろ」という要望書を出したりいたしました。

一方、住民のみなさん、誘致反対の署名運動を積極的に展開、住民の過半数以上の反対署名をあつめ、近隣の町の住民からも多数の反対署名を集め町長に突きつけました。その結果が上記の四国新聞の記事でございます。この騒動の後に行われた町長選では反対していた住民の代表者が当選したそうです。

事が終わったあと、東京からやってきた核のゴミ問題に取り組んでいる市民団体といっしょに嘉田知事を会った際、GGIは「湖国は原発密集地帯から至近距離に位置している、今後もこのようなことが起きないとは限らない、だから湖国に核関連施設を設けることは認めないということを条例で定めるか知事が宣言すべきではないか」と直接要望したのですが、この女性知事「そういうことは政策上のムニャムニャムニャ・・・」と言葉を濁してまともに答えませんでした。まことに情けなきエエ加減の知事さんでありました。

10月9日付の朝日新聞の解説記事によれば、「(NUMOが)全国で手広く応募を呼び掛けている背景には、苦い経験がある。2007年、高知県東洋町が初めて応募したものの、全国から注目が集まり、住民の反発で撤回に追い込まれた。二の舞を避けたい経産省は今回、《同時多発で批判を分散させる》(幹部)狙いで、複数の自治体が応募する環境づくりに腐心してきた。その成果が出つつあり、《80団体以上》(経産相)が関心を示しているという」とされています。80以上もの自治体が関心を示しているとは驚きですね・・・・

このような政府の手法、貧しい地方の様々地域を対象に、高額の交付金で吊ろうという手法は、ありていに申し上げれば「札束で頬を叩く」という極めて乱暴な手法であり、政治の名に値するものではありませぬ。もともと、原発の建設推進そのものが地元に様々な名目の交付金などの「札束で頬を叩く」類のものでありました。沖縄の基地問題における政府の対応も本質的には「札束で頬を叩こう」とする類のものありませう。最近問題になっている日本学術会議会員の任命問題も、その根底には「政府は学術会議に10億円の国費を費やしているのだ。だから言うことをきけ」、つまり札束の威力にひれ伏せというのが政府の考えでありませう。まったく乱暴の世の中になったものであります・・・・

今日の写真は北海道の寿都町と神恵内村が放射性廃棄物処分場の文献調査に応募したことを伝える12月9日付けの朝日新聞の記事を撮ったものです

なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・・

グッドナイト・グッドラック!
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 独居老人骨折日記(その三)... | トップ | ほんとうのこと言えば、警察... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日記」カテゴリの最新記事