UGUG・GGIのかしこばか日記 

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もう少し徴用工問題:ドイツはどのように対応しているのか?中国の徴用工に対しては?

2019-12-29 00:56:51 | 日記
これまで3回にわたり韓国徴用工問題に関する韓国最高裁の再上告審の判決内容について日記に記しましたが、これらの日記を書いていて、そういえば弁護士の宇都宮健児氏がドイツでの賠償問題に触れていたなあと思いだしました。

今年のいつであったか忘れたのですが、湖都市内で行われた某講演会で日弁連の会長も務めたことがある宇都宮健児氏がドイツにおける外国人の強制労働を対象とした賠償問題について簡単に触れていたのです。

当日配られた資料で、宇都宮氏が「ドイツでは強制労働の被害にたいして約7000億円を100カ国以上に支払っている」と記されていたのを目にしてG「100カ国」に及ぶなんてすごいなあと驚いた記憶があるのですが、あいにく資料を紛失し記憶も定かではりませんので、ネットさんに助けてもらってほんとどうか調べてみましたら、最近Business Journalというメディアのサイト(2019年11月28日)で、インタビューに答えて宇都宮氏が以下のように答えていることがわかりました。

《宇都宮:戦後補償の問題については、ドイツの取り組みを見習うべきです。00年8月、ナチス・ドイツによる強制労働被害に関してドイツの政府と企業約6400社が「記憶・責任・未来」基金を創設し、これまで約100カ国の166万人以上に対して約44億ユーロの賠償金を支払っています。同じように、日本の政府と企業が基金を創設し、元徴用工に直接的な謝罪や補償を行うという方法が望ましいです。》

先の大戦にかかわる日本が抱える賠償問題とドイツが抱える賠償問題はその歴史的社会的な背景に異なる部分が存在していることを考えますと、その対応にある程度の差異があっても当然であると考えられるものの、それにしても、強制労働の問題に対する日本政府とドイツ政府の対応に雲泥の差があることは歴然としています・・・少なくともドイツは国家として歴史に、自分たちの過去に正面から向き合っていると言ってよいでありませう。

また、宇都宮氏は中国の徴用工に対する賠償問題にも触れて以下のように述べています

《そもそも、日本企業は元徴用工に慰謝料を支払う意思があるのですから、政府はそれを阻止すべきではありません。・・・少なくとも、中国人の強制連行被害者と同等の補償を行うべきです。》

ここで宇都宮氏が「日本企業は元徴用工に慰謝料を支払う意思があるのですから」と指摘しているのは、過去に中国や韓国からの強制連行問題で、日本での訴訟において、日本鋼管(1999年:韓国徴用工1名)や不二越(2000年:韓国女性徴用工たち)、三菱マテリアル(2016年:中国徴用工たち)などが被害者への謝罪と「見舞金」の支給などに関して和解している例があることや、西松建設の例を指しているものと思われます。

西松建設の例というのは以下のようなものです。

中国の強制連行被害者が西松建設を相手におこした裁判で、日本の最高裁が2017年4月に、裁判上の個人の請求権は日中共同声明により失われたとしながらも(注参照)、「個人の実体的な請求権までは消滅していない」と判断し、日本政府や企業による被害の回復に向けて自主的解決が行われるよ勧めたため、西松建設は被害労働者らと正式に和解、謝罪し、記念碑の建立、和解金1億2800万円を183人の労働者に支払うことに同意し、実行しました。

(これらの説明は「赤旗」デジタル版の2019年9月4日付けの記事や2010年4月26日付け日経新聞デジタル版の記事や徴用工訴訟に関連したサイトに依ったものです)

注:日中国交回復に際しての日中共同声明(1972年9月、周恩来首相と田中角栄首相が署名)において、中国は日本に対する戦時賠償請求権を全面的に放棄するとされました。サンフランシスコ条約締結に際して韓国は戦勝国でないとされ、そのため日本に対する戦時賠償請求権は認められませんでしたが、中国は戦勝国として賠償請求権を認められていました。しかし、周恩来は日中国交回復に際して「もし日本に対して膨大な賠償を行うよう求めたら、日本は賠償の重みに耐えかねて、第一大戦に敗れて膨大な賠償を請求されてその負担の重さに苦しんだ末に独裁者の出現をまねき第二次大戦を引き起こしてしまったドイツのようなことになりかねない。そのような事態が将来起きることを避けるために、中国は日本に対する賠償請求権は放棄する」と言う趣旨のことを述べており、中国側は自発的に請求権を放棄しています。

まったく余談ですが、宇都宮弁護士は湖都市内の講演会で、「ドイツ、それに同盟国であったイタリアも、戦後国旗を変えています。日本は変えませんでしたが・・・」と述べていました。GGI、恥ずかしながら、これは初耳でありました

なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・

今日の写真は本文と関係ありません。冬になるとわがガーデンに現れるスズメが成る木を撮ったものです。よろしければクリックしてご覧くださいませ。草むらで遊んでいるスズメ君たちは逃げ足がはやく、少しでも人の気配がしますと、あっという間に近くにある木の枝へいっせいに逃げ去ります。おかげさまで冬にはスズメの成る木が出現いたします

グッドナイト・グッドラック!
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