昨日の日記に「鳥獣戯画」の一場面、カエル君が相撲でウサギ君を見事に投げ飛ばして大勝利、勝利したご本人と応援のカエル君たちの勝利に酔いしれた浮かれぶりはなにか異様である、この勝利の影に何か疑惑が潜んでいるのではないかと記しました
この疑惑を解く鍵は、ウサギ君が投げ飛ばされている場面が描かれている絵の右側に描かれている絵のなかに存在しております、右側の絵は、ウサギ君が投げ飛ばされる前の場面、すなわちカエル君とウサギ君が四つに組んでいる場面を描いたものです
今夜の写真はこの四つに組んでいる場面が描かれている絵を撮ったものです、よろしければ、クリックしてご覧くださいませ
この絵を見ますと、カエル君は右脚をウサギ君の左脚にからませて、外掛けで倒そうとしているようでありますが無理な体制です、このままではウサギ君にやられてしまいそうであります
そして四つに組んで頑張っているウサギ君を二匹のウサギ君が応援しております、右側のウサギ君はいかにも楽しそうな表情であり「がんばれ!」と叫んでいる声まで聞こえてきそうであります、
しかしながら、左側のウサギ君は喜んでなんかおりません、カエル君のほうを指さして何か抗議しているかのようであります、何を言っているのか、GGIが耳を澄まして聞きましたところ、この応援のウサギ君の抗議は以下のようなものでありました
「こら!カエル君、そんなことしたらアカン、ウサギ君の耳なんかに噛みついたらあかん、そんな汚い手を使ったら反則や、噛むの、やめろ!」
しかし時すでに遅しでありました、ウサギ君が噛まれた痛みに耐えかねて身をのけぞらせた瞬間、カエル君にここぞとばかり、ものの見事に投げ飛ばされてしまっておりました
GGIがみますところ、このカエル君による耳噛み行為、偶発的なものではなく故意によるものであります、計画的なものです、カエル君たちは立会の前、謀議を行い、陰謀を企てていたのです
「おい、おまえ、あのウサギ野郎に勝つ自信あるのか、強そうやでぇ」
「そやなあ、あいつらウサギの野郎どもは毎日野山を駆けまわり、足腰鍛えているけど、オレたちカエルは、水の中でぶらぶら平泳ぎしているだけやからなあ、そやから、まともに勝負したら、勝てそうもない、なんかええ手はないか?」
「う~ん、逸の城みたいに、肩透かしというみっともない手もなんやしなあ・・・おなじ勝つといっても、できればカッコよく投げ飛ばした堂々と勝ちたいよなあ・・・そうや!ちょっとした奥の手を使ったらどうや、まあ奇襲作戦というところや」
「どんな作戦や、奇襲やといっても必ず勝利に結びつく作戦やないとあかんぞ」
「大丈夫や、大丈夫、成功間違いなし、あのなあ、まず、四つに組んでウサギを安心させて、ウサギ野郎が攻勢に出ようとした瞬間に、いきなりあのヤロウの耳を思いっきりガブリとやるわけや、ウサギ野郎が痛さに耐えかねて身をのけぞらせた瞬間、大きく踏み込んで投げを打つのや、派手に投げ飛ばしてやるや」
「そんなことしたら違反とちがうか、大相撲だって相手のちょんまげをつかんだら負けになるやないか」
「大丈夫、この試合、行司がいるわけでないし、それにウサギ野郎の耳をガブリとやるのは一瞬のことやから誰も気がつかん、ばれるはずがない」
かようなしだいで、カエル君達は自分たちが企てた陰謀を実行に移し、ものの見事に成功したのでありました、あまりにもうまくいきましたので、うまくいきすぎましたので、おかしくて笑いが停まらず、異様に有頂天になり狂わんばかりに勝利に酔いしれているのであります
そこで正義の人GGI、有頂天になっているカエル君たちに言ってやりました
「ただいまのウサギ君とカエル君の一番、行司差し違えにより、ウサギ君の勝ちといたします」
「オッサン、いきなり出てきて、何を言うんや、何百年も経ってから行司差し違えなんて言われても納得できんぞ!」
「では、ただいまの一番を皆さんにご説明いたします、カエル君はウサギ君を投げ飛ばす前にウサギ君の耳をガブリと噛んでおりました、これはお相撲さんのちょんまげをつかむ行為と同じであり、故意であれ偶然であれ反則行為であります、そのうえ、この一番における噛みっぷりからしまして、あきらかに故意によるものと判断されます、したがって極めて悪質な違反行為であり、よってウサギ君の勝ちといたします」
「なに言うてるんや、ガブッとなんか噛んでないぞ、偶然軽く噛んだだけや、ただの甘噛みやないか、甘噛み、愛情のしるしやないか、それが反則やなんてデタラメ言うな」
「カエル君の異議申立ては却下いたします、応援していたカエル君たちの異様な喜びよう、浮かれぶりからして、甘噛みなんかという優しいものではなく、敵意に満ち満ちた噛みっぷりであったことは明らかです」
グッドナイト・グッドラック!