UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

コロナのおかげで命を永らえた人もいるのです・・・・

2021-05-23 18:42:57 | 日記
4月22日の日本経済新聞(デジタル版)が「ロンドン=共同」として以下のような見出しの記事を掲載していました。

『死刑執行、世界で483件 10年で最少、背景にコロナ』

国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルが4月21日に世界の死刑に関する年次報告書を発表し、2020年には18の国で少なくとも483件の死刑執行が確認されたが、前年よりは執行件数は26%減っており、過去十年で最も少なかったとしていることを伝えるニュースです。

なお、アムネスティのサイトを見てみますと、死刑執行件数が最も多かった2015年からは70%減ったとされています。また、死刑判決件数も、昨年全世界で1477件であったが、前年より36%減ったとされています。

(ただし、毎年数千件と推測される中国、それにベトナム、北朝鮮、戦乱が続くシリアは死刑に関する数字を一切公表していないため、これらの国における執行件数は上記のアムネスティが示した数字には含まれていません)

このように死刑執行件数が減少していたことの背景には、新型コロナウイルスの感染拡大による死刑執行の停止や延期、執行に関する司法手続の遅れがあるとされています。死刑判決件数が大きく減っているのも裁判や司法手続きの遅れなど、おそらくコロナの影響による同様の事情によるものではないかと思われます。

日本の場合も、コロナ禍以前は、法務省は死刑制度は絶対に止めないぞという強き意思を国民に示すために、頑なに少なくとも1年に1回は死刑を執行することを、そして望ましくは年に複数回、複数の死刑執行を、事実上の方針として実行してきましたが、2019年12月以降、ほぼ1年半にわたり死刑を執行していません。今後も少なくともコロナ禍の終息が見とおせるようになるまでは執行しないのではないかと思われます。

しかしながら、法務省は死刑が執行されない空白期間が長引くことは好ましくないと考えているのではないかと思われますから、今後については何とも確かなことは申し上げかねます。空白期間が長引けば長引くほど死刑執行停止への動きを促しかねないと法務省は懸念しているのではないか・・・というのがGGIの推測です。

かようなしだいで、コロナ禍は悪いことばかりではないなどと申しますとお叱りを受けそうですが、コロナ禍のお蔭で死刑執行を停止されたり延期されることにより、また死刑判決を免れることにより、命を永らえることができた人たちがいたことは確かです。

日本弁護士連合会は、2020年に京都で国連犯罪防止刑事司法会議が予定されていましたので、この機会に日本の死刑制度が俎上に載せられることを願って、「2020年には死刑廃止を!」とする決議を行っていました。しかし、コロナ禍のためこの国連の会議は中止、今年の春になってオンラインでの会議に変更されて実施されたのですが、日本の死刑制度が議論されることはなく、このため残念ながらこの国際会議を機会に日本の死刑制度が廃止に向けて何か具体的に動きだすことは期待できません・・・

けれども、世界はこのコロナ禍のなかでも死刑廃止に向けて確実に動いているのです。昨年は、たとえばチャドと米国のコロラド州が全面的に死刑を廃止しており、カザフスタンは国際法が求める死刑の廃止を公約、バルバドスは死刑を廃止する法改正を行っています。その結果今年4月の時点では、世界の144の国が法律上あるいは事実上(注参照)、死刑を廃止するに至っています

(注:「事実上の死刑廃止」というのは、法制度として死刑は存在しているけれども、実際には長期にわたり死刑が執行されておらず、事実上死刑廃止が定着していることを意味しています。たとえばお隣の韓国では、死刑判決を下された経験がある金大中氏が大統領に就任した際に(1998年)死刑執行の停止を宣言して以来、今日にいたるまで死刑は執行されていません)。

現在いわゆる先進国のなかで死刑制度が依然として残っているのは米国と日本だけであるため、今後は死刑に関する米国と日本の動きが注目されるのですが、実は米国の現状と日本の現状は大きく異なっています。

50の州がある米国ではすでに多くの州で死刑を法律上あるいは事実上を廃止しており、コロナ禍のなかの昨年3月25日にコロラド州が死刑を廃止しており、死刑を廃止した22番目の州となりました。また今年の3月25日には、テキサス州についで二番目に死刑執行件数が多かった南部のヴァージニア州が死刑を廃止しています。南部の州で死刑制度が廃止されるのは初めてのことであり、ノーサム知事は、人種的格差の歴史がある「死の装置」を止めるためのものだと説明したとされています(BBC:3月25日)。

米国ではトランプ大統領(当時)が17年間年間停止されていた連邦レベルでの死刑を復活させるという暴挙とも言うべき動きを見せ、退任前の半年の間に次々に10名もの死刑囚に対して死刑を執行してしまいました。けれどもそ、バイデン現大統領は選挙中に連邦裁判所レベルでの死刑制度を廃止し、州裁判所レベルでの死刑廃止に対して中止のも働きかけを行うことを公約に掲げており、このため連邦レベルでは、すでに死刑廃止に向けた複数の法案が議会の審議を待っているという段階に至っています。

このように米国ではいずれ死刑が廃止される可能性は一段と大きくなっています。米国で死刑が廃止される日はそう遠くないでありませう・・・

一方、日本における状況はどうかと申しますと、コロナ禍で死刑執行は一時停止されているものの、死刑廃止に向けての動きは、少なくとも国政レベルではほとんどないと言っても差支えありません。このままでは先進国の中で日本は唯一の死刑制度存置国となるのは目に見えています・・・・そうなると、日本はもう「先進国」だと胸を張っているわけにはいかず、国際社会で孤立するしかないでありませう・・・

そのような事態に陥っても日本は頑として死刑制度を維持しようとするのではないか・・・

かようなしだいで、死刑廃止を願って、お念仏を唱えているだけではいけないのですが

なもあみだぶ・なもあみだぶ・なもあみだぶ・・・・

今日の写真は本文と関係ありません。コロナ禍のために閑散としている、いやコロナでなくても閑散としてる、JR湖都駅前の様子を駅ビル2階のお店から撮ったものです。よろしければクリックしてご覧くださいませ

グッドナイト・グッドラック!
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