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9月27日の朝日新聞が、ロシアにおける高速増殖炉の開発状況について特集記事を掲載していました、
この記事を目にしてGGI、正直びっくりしました、、自らの不勉強ぶりをというよりはアホさ加減を思い知らされました。原発なんかもうたくさんと考えている人たちの多くは、GGIも含めて、高速増殖炉の技術は、ナトリウム漏れなど様々な難点があるため、原発技術の先進国である米国も英国もフランスもドイツも、結局は開発をあきらめてしまった、今や世界では高速増殖炉の開発は軍事用を除いてほとんど行われていないと思い込んでいました。ところがどっこいであります、そうではなかったのです、ロシアでは高速増殖炉の開発が続けらえているとは聞いていましたが、ここまでとは思いもよりませんでした
トラブル続きの「もんじゅ」に関するニュースでみなさんもご承知のように、日本では高速増殖炉計画は頓挫を来たしておりますが、ロシアでは着々と進められており、近い将来、開発段階を終えて商用炉を建設することも視野に入っているというのがこの記事の内容でありました、日本のことにばっかり気を取られていたGGIはノーテンキでありました
この記事によれば高速増殖炉開発の基礎を成す「原型炉」であるところの高速炉(高速中性子により核分裂を行わせる原子炉)であるロシアのBN600という原子炉(出力60万キロワット]は、世界でただ一つ本格的な発電を続けている高速炉とのことです。1980年代に完成し、2001年以後の稼働率は78%超で安定した運転を続けているとされています。
そして今、BN600の後継炉BN800(出力88万キロワット)が建設中であり、来年度からの発電を目指して工事は最終段階に入っているとのことです。この原子炉はMOX燃料(ウランとプルトニウムの混合燃料)を使用した本格的に燃料を増殖させる高速増殖炉であり、実用化に向けて最終的な検証を行うための「実証炉」と称される原子炉です。この実証炉が3年間順調に稼働すれば、商用モデルである高速増殖炉BN1200が建設される予定であり、その建設用地はすでに確保されているとのことです。
この記事によれば、ロシアの狙いはいち早く高速増殖炉の実用化に道筋をつけて優位にたつことであり、核燃料にとぼしい新興国に高速増殖炉を輸出することも視野に入れているとされています。
ちなみに、試運転中にトラブル続きで頓挫している日本の「もんじゅ」(出力28万キロワット)は「原型炉」とされる実験段階の原子炉ですが、インド、中国、韓国がそれぞれ出力50万~60万キロワットの原型炉を建設中だとされています
チェルノブイリの大事故を起こしておきながら、一方で、いったん事故を起こせばプルトニウムなどを外部に撒きしらし、通常の原子炉における事故を大きく上回る悲惨な状況となりかねない高速増殖炉の開発を推進するロシア・・・ロシアよ、もういいかげんにせんかい!とGGIは言いたくなるのでありますが、GGIのゴマメの歯ぎしりをプーチンが聞くはずもありませぬ・・・
この朝日の記事では、まことに残念なことに、肝心な点について、すなわち日本の原発問題への影響について、まともな言及が行われていません。それどころかこの記事では、高速増殖炉推進を明言してきた宮崎慶次・阪大名誉教授の「プルトニウムを増やす高速増殖炉開発をどうするか、政府は真正面から議論してほしい」という本音をカモフラージュしたあいまいな見解を紹介してお茶を濁しており、朝日新聞が得意とするあいまい主義をいかんなく発揮しております。
しかしながら、GGIが考えますところ、、ロシアが高速増殖炉の本格運転に成功したならば、いまは福島原発事故の影響で下火になっており頓挫している高速増殖炉計画が、核燃料サイクル計画が、息を吹き返すのではないかと懸念されると言うべきでありませう
いまは静かにしているものの、「もんじゅ」計画推進を願う「専門家」たちがまだまだ日本のあちこちに少なからずいるのです。たとえば、湖国の原子力防災関係の審議機関で委員を務めている福井大学国際原子力工学研究所の某教授も「もんじゅ」推進派の一人であります
よろしければ写真をクリックしてご覧くださいませ。ロシアの高速増殖炉開発の状況を伝える朝日新聞の記事です
グッドナイト・グッドラック!