UGUG・GGIのかしこばか日記 

びわ湖畔を彷徨する独居性誇大妄想性イチャモン性前期高齢者の独白

「店をやめないで!」という署名が集まったお店・・・

2015-05-29 00:57:37 | 日記

GGIと同年配の某知人、長年JRの駅前で安売りチケットの店を営んでおりましたが、このほど諸般の事情から店をたたむことにしました

 知人は奥さんなど一家でこの店を営んでいたのですが、親切なのでとても評判のよいお店でありました

 安売りチケットというのは、その名の通り確かに安いのですが、行先によっては使い方が結構ややこしいのです、ですから知人や彼の奥さんはとくに初めてのお客さんなどには使い方を丁寧に説明します

 たとえばJRでこの駅から京都を経て大阪へと行く、切符は二枚になります、京都~大阪間は、並行して走っている私鉄との競争が激しいため、JRは特別に割り引いた切符を売っています、この切符を利用すると大阪まで一枚の切符で行くよりは大幅に安くなります、しかも昼間に利用するとさらに割り引かれる切符、昼トク(得)切符というものもJRは売っています

 ですから、説明はこんな具合になります

「はい、これがここから京都までに切符、これは京都~大阪間の昼トクの切符、それでお客さん、帰り、大阪で電車に乗るのは何時頃になりますか?」

「はっきりせんけど・・・午後5時は過ぎるかなあ」

「そうですか、あのね、昼トクの切符は午後5時までに大阪で電車に乗ってなければ無効、その場合払い戻しはしてくれません、だから午後5時過ぎになりそうなら、この昼トクではない、普通の割引切符にしておいた方が安心です」

「それなら帰りは昼トクでなく普通の割引切符にしてください」

「わかりました、それなら往復でこれとこれ、これとこれ、合計4枚、京都~大阪の割引切符、行きと帰り、間違わんようにしてくださいね」

 JR大阪よりも遠くへ行く場合は、片道だけで、京都までの切符、京都~大阪の切符、大阪以遠の切符の合計三枚、往復だと6枚、枚数が多くて間違いそうになります、ですから、このように切符の枚数が多い場合は往きと帰りにわけて入れるように、切符用の小さな袋を渡してくれます

「あの~、この三枚、改札口で全部いっしょに自動改札の機械に入れるんですか?」

「いや、最初はここから京都までの切符だけ入れてください、入れると小さな穴が開くから、それが行き用の切符ということになります、降りるときは、自動改札に入れないで改札口で三枚とも駅員さんに渡せばOKです、帰りも同じことです」

 説明の間に天気の話をはじめ様々な世間話、機械相手ではない、ていねいな対面販売のよさが知人のお店が評判が良かったことの理由でありませう

 JRの切符以外に私鉄や地下鉄などの切符、商品券や展覧会などの入場券、様々なチケット類を扱っていましたので切符を買ったついでにほかのチケットなどを求める人も少なくありません

 節約精神に富んでいるのは圧倒的に女性です、中学生や高校生の場合、近場のわずか10円か20円ほどしか安くない切符でもマメに買いに来るのは女子です、男子の生徒が買いに来ていることなんかほとんどありません

 知人はこの五月の末で店を閉めることにしたのですが、お客さんに迷惑をかけないように、同じ場所でこの仕事を引き続きしてくれる人を見つけてからの閉店です

 けれども閉店することを知ったお客さんたちが、「店を閉めないで!」という署名を集めてもってきたそうです・・・

 GGIも知人がこのお店を止めてしまうのはとても残念なのですが、やめないでなどいう署名が集まったことは、小さなお店であるとはいえ、これまで正直に良い仕事をしてきたことの、いろいろな街の人たちから親しまれてきたことの、なによりの証であり、とてもうれしく思います

 今日の写真は閉店お知らせの看板を撮ったものです、よろしければクリックしてご覧くださいませ

 グッドナイト・グッドラック!