昨日の深夜、午前2時を少しまわったころ、何やら表通りのほうで物音がしているようなので庭に出てみました
八重葎ガーデンが面している大通りの向こうに火の玉のような眩い物体が二つ浮んでいます、どうやら小型のUFOのようです、何をしているのだろうとしばらく眺めておりましたら、やがてそのうちの一つが通りを横切ってわがガーデンの中に入り込んできました
ここでお手数ですが写真をクリックしてご覧くださいませ、わがガーデンに無断で入り込んだUFOクンです
いったいわが庭で何をするもりだろうと思っておりますと、GGIの電話のベルがなりました、GGIが神さまとの交信に使っているNTT(脳内テレパシーテレフォン)です
「夜分に失礼、GGIか?こちらは神さまだ」
「誰かと思ったら神さまですか、こんな夜更けに何の御用ですか」
「実は今日、神の国の寿命審査委員会において、今夜《お迎え》する者をコンピューターで無作為に選びだしたとろこ、GGIにあたってしまった、そこで、迎えのUFOを派遣したので、それに乗ってできれば天にまで昇ってきなさい」
「神さま、いくら神さまだからといって、GGIの寿命を勝手に決めてもらっては困りますね、こちらの都合もあるのですから」
「GGIよ、都合と言うものはだれでもあるのだ、人間だけではなく、オケラにもアメンボにも、神さまにも都合はあるのだ、GGIは無事大過なく前期高齢者になるまで生きてきたのだから、このへんが潮時だ、細かいことはUFOのパイロットと話を決めなさい、いまパイロットと電話をかわるから話しなさい」
テレパシー電波が乱れているのかしばらく雑音がしていましたが、やがて声が聞こえてきました
「ハ~イ!GGIさんですか、はじめまして、私はいま八重葎庵ガーデンでホバリングしておりますUFOのパイロットを務めている火星人です、私がGGIさんを安全に天の国までお送りしますので、どうか安心してご搭乗ください」
「あのなあ、ご搭乗もヘチマもないのや、さっき神さまにオレがお迎えはまだ早いと断ったのを君も知ってるやろ!
「存じ上げております、でもこのUFO、なかなかの乗り心地ですし、あっというまに天の国まで行きますので、一度お乗りになったらどうでございますか」
「そんなインチキな手には乗らん、一度お乗りになってしもうたら二度と地上に戻ることができないシカケになっているんやろ」
「そんなことはございません、そんなにGGIさんがこのUFOにお乗りになるのがお嫌なら、こういたしましょう、一度とりあえず火星まで来ていただいて、火星でしばらくお過ごしになってから、地上に戻るか天へと昇っていくか、お決めになってはいかがですか?地上に戻りたいをお思いになられた場合は私が責任をもってGGIさんを地球までお送りいたします、ご安心ください」
「ほんまかぁ?」
「ほんとうです、信じてください、それに物価も安定しているし、格差も小さいし、原発なんてやっかいなものもありません、セーフティネットも充実していますから、火星での暮らしはたいへん安全で快適ですので、GGIさんは火星での生活をたいへんお気に入りになるかもしれません、その場合はずっと火星にご滞在なさってもかまいません、GGIさん、どうするか、どうかよくお考えください」
「それに・・・・」
「それに何や?
「それにはっきり申し上げれますと、なにもわざわざ天国にまでいかなくても、酒はうまいしネエちゃんはきれいですし・・・」
「そうなのか・・・どうしようかなあ・・・じゃあ、天国はともかく、一度火星に行ってみるかなあ」
「GGIさん、ぜひそうなさってください!」
そのとき、どこからか大きな声が響いてきました
「これで夜間工事終了、夜間照明のスイッチを切って速やかに撤収し、全車線で車が通れるようにしてください」
お迎えのUFOは闇に消えました
グッドナイト・グッドラック!