透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

今朝の野鳥観察

2014-10-16 | D キミの名は?


撮影日141016

 朝、出勤前のわずかな時間、自宅の窓からカメラを手持ちで野鳥を上手く撮ろうなどという考えがそもそも甘いような気がします。でも、そういうゆとり(?)のひと時を持つことに意義があると思うわけで・・・。朝風呂に入って、食事を済ませて、朝焼けや野鳥を観察するってどうですか? いいでしょう(と自己満足)。

今朝も早くから柿の木で何羽ものヒヨドリが実を啄ばんでいました。7時過ぎにそっと窓を開けて(音に敏感なのか、いっせいに飛び立ってしまうこともあります)カメラを向けました。葉や枝で顔が隠れてしまったり、素早い動きでぶれてしまったりと、なかなか上手く撮れません。15枚くらい撮った中から今朝の1枚を選びました。



 


― 塩尻市洗馬の火の見櫓

2014-10-13 | A 火の見櫓っておもしろい


(再)塩尻市洗馬太田

 この火の見櫓を取り上げるのは2回目。火の見櫓巡りを始めてまもなくして載せたが、その時は遠景写真だけだった。

3角櫓に6角屋根、円形見張り台とオーソドックスな組合せの火の見櫓。



屋根下に半鐘は既になく、替わりにモーターサイレンが設置されている。これはよくあるケース。屋根に蕨手が辛うじてひとつ残っている。梯子が見張り台の床面で終わっているから昇降に苦労すると思う。なぜ踊り場のように床上まで伸ばさなかったのだろう。見張り台の下がすっきりしているが、ブレースが入っていない。



櫓上部のブレースに平鋼(フラットバー)を使っている。東信方面でよくあるタイプ。運搬・建て方時に修正を要するほど歪まない、という判断からか。円形の踊り場、横架材(水平材)に半鐘が吊り下げてある。以前は見張り台に吊り下げてあったのかもしれない。



下方のブレースには丸鋼を使っている。リング式ターンバックルは本来の使い方をしているかどうか、観察してこなかった・・・。梯子に雑草が伸びているのは昇り降りしていない証拠。この火の見櫓も撤去されてしまうのだろうか・・・。


 


― 火の見櫓って美しい

2014-10-13 | A 火の見櫓っておもしろい



 前々稿で塩尻市宗賀の火の見櫓を取り上げました。消防詰所とともに最近撤去されてしまった火の見櫓です。すぐ近くに見張り台から上の部分を移設・保存することになっているようで、コンクリート基礎をつくるところでした。屋根を地上レベルで観察できるようになりました。

この屋根各部のバランスの良さ、プロポーションの美しさ、これはもう芸術です。方形屋根の下り棟(稜線)のカーブの美しいこと。職人の優れた美的センスに脱帽です。

 

この蕨手を見ていて対数螺旋ではないか、と思いました。 

既に何回も書きました。火の見櫓のある美しい風景を見るのもいいですが、各部のディテールを観察するのも楽しいです。

*****

火の見櫓観察のポイント(改訂141013)を載せておきます。

1 火の見櫓の立地、環境

10 周辺の環境、地形
11 立地(例:公民館の敷地、神社の境内、道路の辻、道路またぎのものもある)
12 観察時の季節や天候、時間帯(例:桜の開花時期、紅葉の季節、降雪時、降雨時など、
   朝焼け時、夕焼け時など)
13 消防詰所(屯所)や消防倉庫の有無、火の見櫓との位置関係やデザイン
14 その他

2 火の見櫓の全体の様子 

20 形式:柱型(1本柱)、梯子型(2本柱)、控え柱の有無、
       櫓型(3本柱、4本柱 その他の型)
21 櫓の高さ、脚の長さ、脚間長さ
22 プロポーション:上方への絞り方(櫓が描く曲線の様子) 総高/脚間長さ、逓減率
23 屋根と見張り台の形、大きさ及びバランス
24 色 (防錆塗装のシルバー、赤や青、緑、その他の色)
25 損傷の有無 発錆状況など
26 その他

3 火の見櫓を構成する各部の様子

300 屋根の有無 屋根の形(平面形と立体形)
301 屋根の飾り(避雷針と飾り、蕨手、その他)
302 半鐘の有無 半鐘の設置位置、形(梵鐘形(表面の様子)、双盤・ドラ形、板木) 
303 半鐘用の小屋根の有無 形
304 見張り台の有無 見張り台の形、床の構成、手すりのデザイン
305 踊り場の有無 踊り場の形、床の構成、手すりのデザイン
306 櫓の平面形(3角形、4角形、その他)と立体形
307 櫓の構成部材(鋼材:等辺山形鋼、鋼管、平鋼、丸鋼、その他 木材、石、コンクリート、
    その他 他用途のものの転用)、
308 櫓の構成部材の寸法、接合方法(鋼材:ボルト、リベット、溶接)、
    ブレース(筋かい)の材料(丸鋼、山形鋼、平鋼、その他)と構成  
309 梯子の設置の仕方(櫓の内部、外部、櫓の横架材利用)
310 梯子の構成部材 手すりの有無など
311 脚部のデザイン 単脚、複合脚(トラスの組み方やアーチの有無 カーブの様子)
312 基礎:独立基礎、一体型(塊状)基礎、その他
313 消防信号表示板の有無、材質(鋼板、木板、デザイン 
314 銘版の有無と記載内容(製造所名、製造年、寄贈者名など)
315 付加されているもの(スピーカー、モーターサイレン、アンテナ、照明、赤色灯、ウインチ、
    ソーラーパネル、ホース掛けなど)の有無 
316 その他

4 その他 

41 観察者の主観的な印象、観察者個人の関心について
42 地元住民の関わり方
43 その他


 


509 上田市手塚の火の見櫓

2014-10-12 | A 火の見櫓っておもしろい

 「火の見櫓っておもしろい」で取り上げた火の見櫓は既に500基を超えている。長野県内には2,000基くらい火の見櫓があるだろうと推測しているから、まだまだ先は長い。

残念なことに火の見櫓は次第に解体・撤去されている。観察する前に撤去されてしまうものもあるだろう・・・。前稿では解体された塩尻市宗賀の火の見櫓を取り上げた。中央西線が火の見櫓のすぐ近くを通っていて、以前電車とのツーショットを撮った火の見櫓だ。今日(12日)、スケッチをしようと出かけて、無くなってしまっていたので驚いた。これが火の見櫓の現実だ。

*****

 
509 撮影日141011



11日に上田市の別所温泉まで出かけたが、途中、手塚地区でこの火の見櫓を見つけた。「東信スタイル」ではない。立ち姿はあまり美しくない。間延びした横架材、それ故ブレースが縦長に過ぎる。ゆがんだ見張り台。安易な方法で取り付けられたスピーカー。いやいや、こうして立っているだけで良しとしなくては・・・。


 


― 消えゆく火の見櫓

2014-10-12 | A 火の見櫓っておもしろい


在りし日の火の見櫓

塩尻市宗賀の火の見櫓と消防団詰所が解体・撤去されていた。 



道路を挟んで反対側の土地に見張り台から上だけが遺されていた。型枠が施工され、基礎コンクリートを打設する段取りになっていた。

火の見櫓に替わって消火ホース乾燥柱が立っていた。柱のてっぺんはモーターサイレンだろう。

塩尻市はもはや不要となった火の見櫓を撤去する方針なのだろう。旧塩尻駅前の大正末期に建てられた火の見櫓も撤去された。

火の見櫓が1基、また1基と消えていく・・・。




 


508 上田市手塚の火の見櫓

2014-10-12 | A 火の見櫓っておもしろい


508

 細身の櫓、上方と下方で変わるブレースの仕様、そしてカンガルーポケット(櫓の一面外側にバルコニーのように付けられた踊り場に名付けた)、東信方面の火の見櫓はこのような特徴を備えている。これを東信スタイルと呼ぼうかな。櫓は直線的に逓減していて末広がりではないが、これはこれでデザイン的にまとまっている。

反りの強い方形屋根、4隅にはくるくると巻いた蕨手。同様のくるくるりんちょな飾りがてっぺんの避雷針にも付いている。上段のカンガルーポケットの2段下に目立たないが踊り場があって、櫓内の梯子を切り替えている。全身発錆しているのが気になる。



半鐘の大きさと比べると見張り台の4本の柱で囲まれているスペース内は狭いことが分かる。消防団員は柱の外側に立って半鐘を叩いている(いた)だろう。

カンガルーポケットの手すりに消火ホースを掛ける太いフックが付いている。電線が張りめぐらされているのは仕方がないか・・・。


 


秋の朝 1012

2014-10-12 | E 朝焼けの詩


撮影日時 141012 05:57AM 

■ 朝晩冷え込むようになった。今朝6時に温度計をみると外気温は6℃だった。

10月も半ば。夜明けが遅くなり、朝焼けする時間も遅くなってきた。今朝は東の空を絹雲(巻雲)が覆っていた。6時前にオレンジ色に染まった。およそ10分後には雲は白に戻っていた。




 


― 火の見櫓のある風景

2014-10-11 | A 火の見櫓っておもしろい



■ 訳あって火の見櫓のある風景のスケッチをしている(理由を明かすのもスケッチをアップするのも来年になりそう)。三才山でロケハンをしたが、どうも絵にならない・・・。それで三才山トンネルを抜けて上田市の別所温泉まで行くことにした。


(再)

別所温泉駅の隣、八木沢駅近くの火の見櫓を再訪した。まあなんとか絵になるだろうと判断した。で、別所線の八木沢駅舎のコンクリート基礎に腰掛けて描いた。油性ペンで下描きをするのに1時間半、水彩絵の具で色付けするのに1時間かかった。

変形切り妻の車庫から描き始める。油性ペンだから描き直しができない。橋の後方に屋根が幾つも重なっている。この辺りを描くのが難しい。道路が見えていれば遠近感を表現しやすいが・・・。太いペンで壁の目地や屋根の瓦、青い屋根の瓦棒をどう描けばよいか、まだ描法が定まらない・・・。

橋の後方の白い壁はコンクリートブロック積みだが、太い線の目地はやはり不自然な印象になった。電柱や電線は描かないことにする。

背景の木々や山の緑の重なりをどう彩色するか。色が秋らしくないが、まだ紅葉していないから仕方無い・・・。民家の壁や道路、橋の欄干の色をどうするか。

あと数枚描いて描法をつかみたい。


 


どんな建築が出現するだろう

2014-10-11 | D 新聞を読んで


14年10月11日付信濃毎日新聞朝刊1面より

 信濃毎日新聞社が松本本社を松本市の中心市街地に移転、新築するという記事が載った。場所は松本のメインストリート、本町通り沿い。記事を読み進んで、驚いた。設計を伊東豊雄さんに依頼した、とある。

伊東さんの作品にはずっと注目してきた。

「せんだいメディアテーク」の建設現場で鋼板の溶接作業を目の当たりにして、伊東さんはすけすけな、存在感の希薄な建築というわけにはいかない・・・、という現実に気がついた。で、「まつもと市民・芸術館」では当初構想していたガラスのすけすけな外皮をGRCに替えた。それから福岡だったかな、「ぐりんぐりん」の有機的な建築へ。

この変化を藤森さん流に、白から赤への変化、ということもできるだろう(過去ログ)。

東日本大震災の後、「みんなの家」の設計の過程で、建築家個人の想いいれなんてたかが知れている。みんなの願い、想いの方が説得力があるということに気がついて、ごく普通の家を創った。

私は丹下健三の作品はその造形の美しさに、磯崎新の作品はそのコンセプチャルな魅力に惹かれる。谷口吉生の作品は端正な美しさに。で、伊東豊雄の作品は建築観がストレートに反映しているところに惹かれる。

記事によると、新社屋は2016年に着工し、17年に完成の予定だという。伊東さんが信濃毎日新聞の新社屋でどんな建築を創るだろう・・・。そこにはどのような建築観が反映されるのだろう・・・。

過去ログ 


 

 


― 撤去?

2014-10-10 | A 火の見櫓っておもしろい


松本市今井にて 撮影日141010 朝7時過ぎ

 朝焼けを背景に凛と立つこの火の見櫓がとても魅力的で今までに何回か写真を撮りましたが、最近隣に防災無線柱が建てられました。火の見櫓が撤去されてしまうかもしれません・・・。


撮影日140412  


撮影日 110918


追記 191225 いまのところ撤去されず、火の見櫓と防災行政無線柱が並立している。


皆既月食

2014-10-09 | A あれこれ


撮影日時 141008 19:19


19:18

 昨晩は皆既月食でしたね。皆既月食直前の様子です。月の大半が地球の影に隠れています。

仕事帰りに駐車場で撮りました、車の屋根にコンパクトカメラを持つ手を固定して。まあ、単なる備忘記録としてはこれで充分でしょう。

下はストロボを使って露光時間を少なくして撮った写真です。満月が月齢2日くらいの月のように欠けています。

上は月全体が赤黒くなっています。このことについて検索して、地球の大気による長い波長の光(赤い光)の屈折現象による、という説明を見つけました。朝焼けや夕焼けと理屈は同じということですね。回折現象ではない、ということなのかな・・・?


 


ブックレビュー 1409

2014-10-05 | A ブックレビュー

 9月の読了本4冊。


『地方消滅 東京一極集中が招く人口急減』増田寛也/中公新書

著者の増田氏は2011年より日本創成会議の座長を務めている。このままでは896の自治体が消えるというショッキングな指摘、それを回避する有効な手立ては本当にあるのか・・・。


『からだのままに』南木佳士/文春文庫

**こころのままに、ではなく、からだのままに、なんですね。** タイトルの「からだのままに」はNHK BSの週刊ブックレビューの収録で著者にインタビューした児玉清さんのコメントから来ている。

  
『嘘と絶望の生命科学』榎木英介/文春新書

日々ピペットを握る大学院生や若手研究者を「ピペド」と呼ぶことがあるそうだ。ピペット奴隷の略称だという。予算獲得競争の激化、研究不正の続発。信じ難い生命科学研究界の実態・・・。 


『つぎはぎプラネット』星新一/新潮文庫

久しぶりのショートショート。**科学が進むにつれ、人びとの仕事は分業化してきた。専門外の知識は一切不要である。私の研究所ではそれをひきうけているのである。つまり、このように各方面でおこる科学上の難問題をひきうけ、総合的に検討し、それを解決して報酬をもらうのが仕事なのだ。**(114頁) 専門分化してしまうことの弊害、それらを統合することの必要性を1960年に指摘している。やはり星新一はすごい、するどい。 

10月、読書の秋。『日本アパッチ族』小松左京/角川文庫(昭和46年発行)に集中、集中。