昨日の朝のこと、犬が激しく吠えていました。
我が家の名番犬、チャイ。 その視線の先にいたのはー
小さな小さな子猫でした。
突然に現れたこの子猫、一体どこから来たのでしょう。 おびえたようにうずくまって、かすかな声で威嚇のうなり声をあげていました。
なんだか1年ほど前にいなくなってしまったサンクによく似ています。 よく見ると目やにがいっぱいで、片方の目はつぶれかけていました。 栄養状態があまりよくないのかもしれません。
とりあえず、すいたお腹を満たしてやらねばなりません。 何もないので犬の缶詰を持って行ってみました。 けれど、えさを差し出しても身を翻して逃げてしまいます。 困りました。
チャイはなおも吠えています。 チャイは13歳のおばあさんですが、身体能力抜群、ジムソウチョウよりも高くジャンプすることができます。 狩猟本能が強く、小さな生き物でも見ようものなら鎖を引きちぎらんばかりに吠えかかっていくのです。
一方、このさわぎでなかなかえさをもらえないジムソウチョウは、お腹がすきすぎてふて寝していました。 ジムソウチョウは、子猫にはあまり関心がないみたい。
子猫の方は、しかたがないのでえさをおいたまましばらく放っておきました。
すると、えさには口を付けないままどこかへ行ってしまいました。 そして、にゃあ、にやあと助けを呼ぶかのように鳴きだしたのです。 ブログ友のねこ♪さんがUPしていた子猫とこの猫とが重なりました。
子猫はまた逃げてしまい、今度は道ばたでにゃあにゃあと・・・・
ああ、この子はまだ乳離れしてないんだと気づきました。 えさを食べる術を知らないようなのです。 そこで、ヨーグルトを薄めて砂糖を少し混ぜたものを持って行ってみました。 これがよいのかどうかは分かりませんが、うさぎが病気の時獣医さんの薦めでヨーグルトをあげて回復したことがあるので。
しかし、これにもやはり見向きもしませんでした。 この子には猫用のミルクとほ乳瓶が必要のようです。 それにしても、よってきてくれなければ何もできません。
しかたがない、弱るのを待とう。
弱って動けなくなれば捕まえて無理矢理ミルクを飲ませることもできるでしょう。 少々弱っても、ミルクを飲ませれば体力はすぐ回復するはず。 しかし、その後どうしよう。 飼ってやりたいのですが、夫は大の猫嫌い、サンクも娘が半ば強引に連れてきたものです。 最強の猫の守護神の娘は今外国に行っています。
子猫は1日中鳴いていました。 悲しそうなその声を聞きながらわたしは腹を立てていました。
野良猫の子がたった1匹で行動するはずはない、きっと誰かがうちのそばに捨てていったに違いない。まだ乳離れもしてない子猫を。 小さな子猫を親から引き離すと言うことは殺すのと同じことなのです。 飼い主は親切な人に拾われて命が助かるようにと思っていたかもしれませんが、自分でえさを取れない子猫は死ぬしかないのです。 たとえ人に拾われても、ほ乳瓶で育てなければ死んでしまいます。せめて自分でえさを取れるようになるまで家に置いてやればいいものを。
けっして捨て猫を奨励しているわけではありませんが、大きくなれば、田舎では昆虫でもかえるでもなんとか捕まえて生きていくこともできますから。
夕方、玄関先にいる子猫がついに夫に見つかってしまいました。 夫曰く
「○○さんのとこへ置いとこう。あそこはしょう(ほんとに)ねこ好きじゃけん。 野良猫にもえさをやりよるらしい。」
ずる~い
でも、それがいいかも。
大分わたしとの距離は近づきましたが、やはり逃げてしまいました。
夜ちょっと出かけて9時過ぎに帰ってきました。 子猫はまだ鳴いていました。 お腹もすいているでしょう。どんなにか不安なことでしょう。 でも明日の朝までそのままにしておくことにしました。
辛そうな鳴き声を聞きながらパソコンに向かっていると、突然、
ゴロにゃん、ゴロゴロ・・・
なんだか嬉しそうな声。 そして鳴き声はそれっきり聞こえなくなりました。
ああ、お母さんに会えたんだね。
お母さんも1日中探していたのでしょう。 夜になってあたりが静まったので子猫の鳴き声が聞こえるようになったのかもしれません。 あの目やにだらけの顔からすると野良猫だったのでしょう。 野良猫にとって決して楽ではない日々が待ってはいますが、とりあえず今は親子で幸せな気持ちでいるはずです。 よかった、よかった。