ずいぶん長いこと待ちました。 洗濯物を干すときも、ハチの巣を壊さないようにそうっと、そうっと。少々不便な思いをしました。
トックリ蜂が、洗濯物を干すたこ足のちょうど物干し竿を挟むところに巣を作ったのが、今から1ヶ月以上前の6月20日です。 いつハチが出てくるんだろうと楽しみに、朝に夕に眺めておりましたが、いっこうに出てくる気配もなく・・・・・・・
しかし、
ついに巣がひび割れてきたのです。 いよいよ!
わたしは近くで写真を撮るために踏み台を持ってきました。 よっこらしょとその上に上がり、どこから撮ったら一番よく分かるだろうと見ていましたら、
突然、巣が壊れてしまいました。
え、え? わたしどこか触っただろうか? あせりました。中のハチは無事なのかしら?
よく見えませんのでとりあえず写真だけ撮っておきました。
うう~、なんだか不気味ですねえ。
裏側からも。 巣のかけらがまだ残っています。 細長い楕円形のもの、これがハチのさなぎだと思うのですが、シルエットしか見えません。
巣にひびが入ったのは、羽化したハチが出てくるためではなく、自然にそうなったのだと思います。 巣は割れてしまったけど、さなぎは羽化するだろうか、様子を見ることにしました。 それが7月12日のことです。
それから待つこと2週間、あの大雨で、残っていた巣のかけらも落ちてしまいました。 でも、楕円形のものはそのままです。 もうあきらめたほうがよさそうです。
思うに、あの楕円形のものは、それがある場所から考えて、さなぎではなくて卵だったのではないでしょうか。トックリバチは巣の上部にたった1個だけ卵を産むそうなのです。 そして孵化したハチの幼虫は、仮死状態にある青虫を食べて成長するそうなのです。
あの気持ち悪いものは青虫のミイラにちがいありません。 あれがさなぎなら青虫は食べ尽くされてしまったはず。つまり、このハチは、幼虫になることもなく死んでしまったということです。
一生懸命巣を作り、青虫を狩って卵を産んだ親バチの行為が無駄になっただけでなく、食べられることもなくただ死んでいった青虫や、一度も日の目を見ることなく死んでいったたまごや、何もかもが一体何のためだったのでしょうね。 なんだかむなしい結末でした。