陽春桜のある場所から見えるさくらのかたまり。中山川の河川敷に植えられた「さくらふれあい公園」です。
この時期、わたしは公園のそばの旧道を通って国道へ出ます。いつも横目でサクラを見ながら。
その花がどんどんきれいになっていくので、車で通るだけでは我慢できなくなりました。そこでウマオを誘って見に行きました。道横にある駐車場から下に降りる道があって、右側はまだつぼみが多い木が植えられていて、左側は満開でした。
ソメイヨシノとはちょっと違った感じのするサクラです。一昨年の記事でそれに触れています。
でも、ばあちゃんと二人だけで、走り回る相手もいないウマオはすぐに飽きて、「志河川ダムに行きたい」と言い出しました。ここからは車で10分もかからないし、兄ちゃんは遊びに行って家にはいないし、わたしも時間の余裕があったしで、賛成。
ダムのそばにサクラの木が何本か植えられていたはず。
そうそう、あのあたり。藤棚やベンチもあって,ゆっくりできるようになっています。(以下後日撮影した写真が混じっています。この日はうまく撮れなかったので、松山へ行く途中寄り道してきました。)
ダムの上を通ってぐるっと回ろうとしたとき,ウマオがのんびりと「ハチが・・・」と言いました。「うん、ハチねえ。」とわたしは生返事。というのは向こう側から軽四トラックが来て、どういう意図でどう走りたいのかわたしには分からなかったからです。「くるならさっさと来て。」と心の中でいらっとしながらとりあえず道の広いところに止めて相手が通れるようにしたのですが・・・
日本ミツバチの分蜂が早くも始まっていました。
そこへ先ほどのトラックのおじさんがやってきて(あれ?行ってしまったんじゃぁ?)
「何しに来たん?」と話しかけてきました。
「そこのハチ、あれを見ようと思って。」
するとおじさんは、
「今友達に電話して巣箱を持って来てもらいよるけん。」
ああ、見つけたハチを見張ってたのか。それで狭いダムの上で動こうとしなかったんだ、と納得しました。本当はわたしが停めた場所に車を停めたかったのね。でもわたしが先に停めたから少し離れた駐車場に車を置いてきたみたいです。
大丈夫、わたしたち捕らないから。実はウマオに、網持ってきたらよかったね、と言っていたのですが、そんなことはおくびにも見せず、「はい、見るだけよ。」と言いました。(ああ、うちにまだ捕獲用の網があったんだけどなあ)
ハチはぶんぶん飛び回っていましたが、車から降りてハチを見つつ
ダムの景色を見つつ、
遠くの景色を見つつ
密かに、巣箱が届くのを待ちました。だってどうやって箱に入れるのか見てみたいじゃないですか。
なかなか来ないねえ、もう帰ろうか、と車へ移動しようとしたとき
「あ、なんか・・・・なんかのうんち踏んだ。」
みるとその辺り一帯ふんだらけ。ええ~フンは橋の手すりの下から道路の端っこにいたるまで左右両方ともずらっと落ちていました。わたしが踏まなかったのが奇跡みたい。
ええ~~ けしからん。これは毎日散歩に来ている犬かもしれない。誰も歩かない草藪ならともかく、車も走る、玉に見物客も来る道なのに~
怒りは収まりませんが、とりあえず靴を洗わなければ。
幸い、さっきダムのトイレに床掃除用の蛇口が設置されているのを見つけていました。それをお借りして徹底的に靴裏を洗って、やっと車に乗り込みました。
やれやれ、山の中といえども道の端っこには気をつけなければ。
そのままダムの上を通って対岸の山道に出ました。やがて分かれ道に来ました。左側は舗装された比較的広い道、前方は狭くて草ぼうぼうの道。
「どちらへ行く?」
「こっち」
ウマオが指さしたのは草ぼうぼうの道でした。
「下まで降りれるんかなあ?」
「じいちゃんと来たことある。」
ウマオの抜群の方向感覚を信じて、草ぼうぼうの道に踏み込みました。車1台がやっと通れる細い道。右側は山が迫り、左側は木で覆われていますが実は深い谷。対向車が来たらどこまでバックすればいいんだろう?
けれど、その道は、椿のトンネルがあったり
カーブを回った先にいきなり大きなサクラの木が出てきたり
多分歩いたらもっと楽しい道だったでしょう。路肩が崩れそうなところはコーンが置いてあり、それが普通車だと通れないくらい狭かったりで、車で走るにはスリルのある道でした。
「ウマちゃん、この道、どこに出るん?」
「ローソンの近く。」
やがていきなり集落が現れ、道なりに行くとコンビニの裏に出ました。
「さすがじゃね。」
帰ってからいろいろ報告をすると,ウマオ母は、
「下見て歩かんかね。」
と、ウマオを怒りつけていました。
その母、仕事帰りにこっそりと見に行ったらしく、ハチの巣箱が置いてあってハチが中に入っていたそうです。なんだ、捕まえるのじゃなくて、入ってくれるのを待つだけだったのか。