日曜日、新緑の美しい山道をドライブしました。
細い曲がりくねった黒森峠の道を登り切るまで、すれ違う車が1台もありませんでした。 峠を下ると面河ダムにでます。 そこから石鎚スカイラインまでの間はもみじラインと名付けられて、道ばたにもみじがたくさん植えられているのですが、その緑のきれいだったこと。
繊細な枝が風に波打つ様は、写真ではとても伝えることはできません。 この先にある面河渓は紅葉の名所として秋はにぎわいますが、新緑の季節もすばらしく魅力的。
山道の下のほうは、そこかしこに藤の花が咲き初夏の雰囲気でしたが、かなり上がったところで山桜が咲いているのを発見。 そこはまだ春のようでした。 そしてさらに上に来ると、広葉樹の芽がでたばかりで早春の様を呈してきました。 そして仰ぎ見る遠くの山はまだ冬景色。
標高1982メートル、西日本最高峰の石鎚ならではの風景です。
瓶が森林道と出会う土小屋でスカイラインは終わります。 ここには登山者のための駐車場や食堂、売店があります。
数十台は停めることのできる駐車場は、なんと車でいっぱいでした。 ここに来るまでほとんど車に出会わなかったのが不思議なくらいでした。
駐車場付近から見た石鎚山頂(多分) どうも石鎚連峰の山々は名前と姿が一致しません。
そして、すごい偶然にびっくり! ささゆり会の先輩に会ったのです。 昨年8月以来のご無沙汰でした。 退職してからこうして山歩きを楽しんでいるとのこと。 お元気で何よりでした。そしてうれしい情報をー
「瓶が森のあけぼのつつじがすごいきれいよ~」
おお、それそれ! じつはみっちゃんさんのブログで、瓶が森林道から曙ツツジが見られると知って、それを目指してきたのでした。
「まだちょっと早いけどね・・・」
??? もう遅いんじゃないの? ブログを見たのは一週間近く前のことだから、もう花が終わっているんじゃあ・・・・・・
「木の新芽がまだ出てないけんねえ。 もうちょっと緑があったほうが花がきれいじゃろ?」
ああ、そういうこと。
瓶が森林道で見かけた白骨林。たしかに周りの木々はまだ芽吹いたばかりでした。
少し長くなりますが・・・・・・
学生時代、ゼミの仲間と石鎚~瓶が森を縦走したことがあります。 登山経験者は男子学生一人、あとは登山は初めてスポーツはからきしの、文化系軟弱女学生ばかり。たしか教官も石鎚は初めてと言っていた・・・・
面河の登山口から登って(ここは登り始めが急峻で苦しい)途中の愛大小屋で一泊。 その日の食事はお弁当2食分を持って行きました。
次の日の朝は、石鎚山頂で軽食を、土小屋まで降りてきて食堂で昼食を、という予定のはずが・・・(軟弱なわれわれのために荷物はできるだけ減らそうと言う配慮でした)
その日はスカイライン開通2日目だったのです。 あるべきはずの土小屋は取り壊され、仮設の店舗でお菓子や飲み物が売られているだけでした。
しかたなくポッキーやなにかで少々お腹を満たし瓶が森を目指しました。 ちょうど林道は建設途中で舗装はされてなかったのですが、なだらかで歩きやすかったのはうれしかったです。でも道案内の男の子が、道の様子が変わって登山道がよく分からないと言いだし・・・・・
ようやく見つけた登山道の丸太の階段を登る頃には日暮れは近づくし、お腹は空くし、足は動かないで、疲労は極限に達していました。 折悪しくあたりは1メートル先も見えないほどの濃い霧。まるで雲の中に分け入っていくようで
「天国への階段じゃねえ。」
と言いながら、なんとか宿泊予定の白石小屋にたどり着いたのでした。
今思えばなんと無謀な登山だったこと! 運が悪ければ本当に天国まで登っていたかも。 でも、忘れがたい楽しい思い出がいっぱいあります。 そして瓶が森のなだらかな笹原や白骨林など、苦労して登った人だけが見られるすばらしい自然に出会えた喜びは忘れることができません。
今はー
瓶が森に近づくにつれて、ぼつぼつとピンクの花が見えだしました。 そして車が止まっているところには必ず見事な群生。
シニアと見られるグループ。
石鎚スカイラインとそれに続く瓶が森林道の建設に当たっては環境保全の視点から反対運動がおこったことを記憶しています。 そして確かに建設の影響で枯れたと思われる木も見られました。 しかし、あのときの楽しくも苦しかった思い出と、こうして花を楽しんでいるお年寄りとを見ると、誰でもがこの美しい自然を愛でることのできる喜びをもたらしてくれたことをありがたくも思います。
みんながマナーを守ってー車のエンジンは止めて、ゴミを捨てず、樹木を傷めず(とるのは写真だけ)、むやみに分け入らずー自然を大切にしながらこの恩恵を楽しみたいものだと思いました。
応援ありがとうございます